カッチョイイジョーロ
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「う、生まれるー」のだそうな。
オイのヨメではなく、ヨメの知人の陣痛が始まったということで、運転手としてついていくと、のどかな田舎であった。 ナカナカ生まれないそうなので、散歩に出かける。 向こうからおばさんが歩いてくる。
おばさんの手には、レトロでカッチョイイジョーロが。 「こんちはおばちゃん。 そのジョーロ、カッチョヨカですね。」というと、照れる。
「そげん上等のジョーロはどこに売っとらすとですか?」と聞くと、「あーこいは手作りやけん、どこにも売っとらんしぇん。」と言う。 なんでも、亡き旦那さんの手作りなのだとか。 このジョーロを作った旦那さんよりも長生きなのだこのジョーロは。 丈夫である。 欲しい。 その無骨さがたまらんが、さすがに「ちょうだい」なんて言えなかった。
お洗濯はたのしい
洗いものをしていると、なんだか心まで洗われていくような気がする。 すべての洗い物が済んだ後は、まるで悟りを開いた坊さんのように心が晴れやかである。 という話はこの前書いた。 洗剤能力 →
納豆を食べた後の茶碗や、目玉焼きの黄身が微妙にこびりついた皿、肉汁が冷えて固まって非常にガンコにくっついている食器などを目の前にすると、燃えてくる。 洗剤だけでは少したよりないので「熱湯」の力を借りて、指でこすると「キュッキュッ」と音がするほどキレイサッパリと汚れを落とすことがなんともいえず楽しいと感じるときがときたまある。
前置きは長くなったが、これに匹敵するぐらい楽しい家事というのが、お洗濯なわけである。
グルグルに回されて、シワシワになった「洗濯物の塊」を洗濯機の中から一気に取り出して、澄み渡るように晴れわたる秋空がすがすがしいベランダにドーン、と放り投げる。 そしてこの先は時間との戦いである。 その塊となった洗濯物をひとつづつほどき、力いっぱいシワのばしをして、干しに干す。 いかに素早く洗濯物干しを終えることができるのかを、ひとりでタイムアタックしているのである。(たぶんご近所様からみるとキモい)
この際重要なのが、洗濯物を干す為の器具、すなわち「洗濯物干し」である。 よくある洗濯バサミが数十個ぶらさがった物干し。 フェイスタオルなんかの両端を、その洗濯バサミでとめてズラーット整然と並べて干すと、風になびいている様も美しく凛々しい。 好きである。 しかし、
その洗濯バサミ付き物干しは、総プラスチック製のものが圧倒的に多い。 ココが問題なわけである。 第一、「パキッ」と、力なく折れる。 洗濯バサミ自体が折れたり、その洗濯バサミと物干し全体をつないでいる鎖状のプラスチックがイカれたり。 そもそも洗濯バサミ付き物干し本体自体が真っ二つに割れたことだって、今こうしてカンタンに数えただけでも6回はある。 ヒトがせっかく気分よく、スピーディーにハンドタオルを干してるというのに「カキッ」なんて控えめな音をたてて折れてくれるものだからムカツクのなんの。 知らん顔してやることは大胆なんだから洗濯バサミ付き物干しは。 ったくもう製造責任者出て来い。
別にオイが怪力ってワケでもないし、第ニ、あまり使用していなくとも「折れる」っちゅうのは一体全体どういうこと? 劣化しすぎ。 オイが推測するところ、この不具合の原因はすべてプラスチック製で作られているということだと考える。 あ、洗濯バサミのバネ部分だけ鉄だ。
大体第三に、見た目がいかにもチープでカッコワルイ。 機能的にもダメで、見た目もかっこわるい。 オマエは一体何をやているんだと、洗濯バサミ付き物干しに説教したい。 そりゃありますよ。 無印良品の洗濯バサミ付き物干しなんかも買ったことがありますよ。 洗濯バサミと、本体とつながるジョイント部以外はスチール製で、丈夫でカッコイイですよ。 でもね、無印良品の洗濯バサミ付き物干しはね、小さすぎた。 (大)でも小さすぎた。 でもしょうがないので、この無印良品製の洗濯バサミ付き物干しを4個、使用しているわけである。 ウチは洗濯物が多いわけである。 無印さん、もうちょっとデカい洗濯バサミ付き物干しを作ってください。
我が家の洗濯物は、子供服が7割である。 子供2人が毎日保育園で泥んこまみれになって遊んで帰ってくると、それだけで洗濯物入れは満杯になる。 そんな子供服を干す際に、大活躍するのが、「タコ足式物干し」である。
スチール製の足が10本ぐらい中心部から伸びていて、そこに洗濯物を干すわけだ。 使わないときは折りたためて収納もコンパクト。 「カキ」なんて割れることも滅多にない。 優秀。 この「タコ足式物干し」の利便性を知る前までは、子供の服を干す作業が一番苦痛であった。 小さいし、量多いし。 しかし、こんなときにはこの「タコ足式物干し」を使用すれば、能率よく、サクサクと、子供服を干すことができるということを、ある日独学で発見したのである。
それからは、「いかに子供服をキレイに整然と干すか」に没頭することになった。 今では子供服を干させたら、長崎でも9位ぐらいにランクインするかもしれない程ウデを上げた。 タコ足式物干し、オマエは好きだ。 今後ともよろしく。
洗濯物を干す前には、まず洗濯をしなければならないというのはごく当たり前のことではある。 そこでなくてはならないのが、洗濯機。
どんどん増えつづける洗濯物の山をなんとかしようと、半年前に洗濯機を買い換えた。 洗濯容量9kgである。 以前よりも2kg増である。 これで一度に洗える汚れ物が増えた。 やった、万歳である。
ナカナカ働き者の洗濯機で、沢山詰め込んでも、難なく洗濯完了となる。 がしかし、最近調子が悪い。 洗濯終了の時に鳴るブザーとは、あきらかに違う音がしたので「な、何があった?」と、洗濯機のもとへ走ると、エラーだという。 「D5」とかいう赤い表示がされている。 「D5っていわれて突然止まられてもね、こっちは商売あがったりなんだよね」なんて途方にくれていると、その洗濯機のよこっちょに、「エラーメッセージについて」というシールが張ってあった。 エラーの症状と、対策を記してある。 「D5」の項目を見ると、「洗濯物が片寄っています。 均一に戻してください」というようなことが、書いてあった。
なんだ、ビックリしたじゃねえか。 故障じゃなかったんだね。 と、指示どおりに直すと、再び何事もなかったかのように動き出した。
数日して、またエラーメッセージが。 「なんだ。 また片寄っちゃったのかよったくショーガネーやつねオマエは」と、洗濯機の元へ歩く。 「P3」とかいう見慣れないエラーメッセージが表示されている。 でもなにあわてやしない。 洗濯機の横に、対策が書いてあるもんね。 どりどり、対策は、と。
エラー「P3」の対処法が、どこにも書いていない。 おかしい。 よく見ると、「ココに書いてある以外のエラーがでた場合は、取扱説明書を見てください」なんて書いてある。 ったくもったいぶりやがってと、説明書を開くと、エラーと対策について記してある。 そしてその説明書に表記されているエラー一覧の中に、「P3」がないわけだ。 「ココに書いてある以外のエラーがでた場合は、 修理に出してください」なんて書いてある。 「えぇっ。」
まだ半年しか使っていないのに、もう壊れたんかキミは、っていうか、故障したのはわかったから「P3」って一体どこが悪いの? 教えろ。 頭に来て洗濯機のわき腹に一発かましたら、動いた。
2週間に一度ぐらいの割合で、「P3」というエラーメッセージが表示されるが、わき腹に一発かますと、治る。 そうやってだましだまし今も活躍中の我が家の洗濯機である。
ヨメ的にいうと、オイに洗濯物をやらせるのは絶対にイヤなのだそうな。 「旦那様にそのようなことはさせられませんから私がやります。 あなたはメシフロネルでいてください」なんていう理由からではない。 かえって手間取るからなのだそうな。
洗濯物をベランダに丸投げするので小さなヨゴレがつくし、パンパンはたいて干す作業が不十分で、乾くとシワシワになり、洗濯物をたたむ前に、追加で「シワをのばす」という作業をしなければならないのがメンドクサイ。 そのような理由からである。
洗濯物でタイムアタックをして喜んでいたのは、オイだけであったという事実。 ちなみにオイは、洗濯物を干す作業は大好きだけど、洗濯物をとりこんでたたんで、タンスにしまう作業は大嫌いである。
つり橋の下には清流が流れる
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前に書いた長崎県民の森のつり橋のおよそ50メートルばかり下には、清流が流れている。 橋の上をハリソンフォードばりに渡っていると、その清流の音が心地よい。
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このつり橋自体、うっそうと生い茂る木々の間、まさに山のど真ん中に架かっているそしてその下には心地よい川の流れ。 まさにマイナスイオンがあふれかえっているような環境であるが、一時期電化製品はどれもこれも猫も杓子もマイナスイオンマイナスイオン搭載と謳われていたわけであるが実はそのマイナスイオン、体にイイというのは仮説で、科学、医療専門誌に確証のあるデータとともに発表された論文ではないそうである。 さらにマイナスオインの実態そのものも不明で、マイナスイオンが体にいいという話は海外ではあまり聞かれず、科学関係者が集まると、笑い話になることもあるそうである。
そんな頼りないマイナスイオンではあるが、たとえそのマイナスイオンがこの世に存在しなかったとしても、こうような自然の真っ只中にいると、体の毒素が抜けていくような、心肺機能が10歳若返るような、二日酔いの酒なんてどこかに飛んでいくような、すがすがしい気分になるわけである。
「これはやっぱりDNAに刻み込まれている太古の記憶がそのように感じさせているのかもしれないね、体がきっと、喜んでいるんだねぇ。」なんてつり橋を渡りながら後ろを歩く嫁にカッチョブッテ語りかけたつもりがヨメたち一行はそもそも橋を渡っておらず、独り言になってしまった。 それにしても「マイナスイオン」という言葉をこれだけ一度に連呼したことはない。
ALWAYSをみて、少年時代を思い出した
みなさんはalwaysという映画をご存知だろうか。
「日本アカデミー賞受賞」といううたい文句につられて、みてみた。
昭和33年が舞台でそれをとりまく人間模様あれこれくわしくは公式サイト →へ。
昭和33年なんて、生まれていないわけだが、その時代の持つ空気の素晴らしさがなんともいえないわけである。 ALWAYSを見終わった後、なぜか思い出したオイの少年時代の記憶をメモ。
林坂
オイが小学校1、2年生の頃。 ひとつ上の学年に林くん(仮称)という男がいた。 強めのチリチリ天然パーマで、同学年のコと比べても、背が非常に小さかった。 特徴的な、少年である。
ある日そんな彼にもうひとつ特徴が増えた。 額の傷だ。 傷といってもそんじょそこらの傷ではない。 左額の髪の生え際からコメカミまで全長15cmはあろうかという大傷である。 いったい林君の身に何が起きたのか?
いつものように林くんは、自宅近くの坂道を自転車で駆け下りていた。 林くんの自宅は山のちょうど中腹にあり、その目の前の坂を自転車で一気に下ることが当時小学校内の一部の生徒の間で流行っていて、小学生でも気軽にダウンヒル気分を味わえるということで、人気を博した。 オイたちもよくそこで遊んだのだが、なにしろ林くん家の目の前からスタートして坂を下り下りるので、誰もがおのずと林くん家を覚える。 林くんは林くんで、自宅前がメッカであるとちゃんとわかっていて、林家前にいると、急に態度がデカくなるという人物だった。
林坂(林くん家の前の坂をこう呼ぶ)の全長は100m程度ではあるが、ちょうど半分ぐらい下ったところにヘアピンカーブがある。 車も時々事故ルのでカーブに設置されたガードレール脇には、お花が供えてあったりもする。 そのヘアピンをいかに巧みに自転車で駆け下りるか、それが近所の子供たちのもっぱらの楽しみであった。
当然オイらもそれぞれのマイ自転車に乗り、林坂を下るわけである。 林くん家からスタートし、100mを一気に下り降りたら、登りはシンドイので自転車を押して上がる。 途中に手を奥まで突っ込んだらお金を入れなくても出てくるやさしい自動販売機があり、つぶつぶジュースを取って飲む。 そしてまた下る。 こんなことを午前中から夕方まで延々と繰り返していたのだから、もっと「時間を有意義に使いましょう」と忠告してやりたいと思わないでもない。 そこで林くんの登場。 林くんはオイらよりもひとつ年上。 チビのクセにチョット偉そうにしたがるところがこ憎たらしい。 そんな林くんをおだててみることにした。
オイらは確かに林くんの実力には一目置いていた。 あれほどのスピードを出しながら、ノーブレーキでヘアピンカーブを曲がれるヤツなんてそういない。 小学校内でも小さなウワサになるほどだ。 しかし、エラそうな所が気に食わない。 少々お灸をすえないといけない。 そこで林くんに簡単な提案をしてみた。 「あのさ、林くんさ、もっとさ、スピードは出せないの?」と。 それを聞いた林くんの目の色は変わった。
飛び出しからしていつもと全然違った。 妙な緑色に自分でペイントしている林くんの変速機無しの自転車は、コースなかばで観客と化しているオイらの目の前をあっというまに通りすぎていった。 「は,速かっ!」 あっという間にヘアピンカーブにさしかかり、熟練のスルドイコーナーリングを見せたその時、林くんはカードレールに突っ込み、大空を舞った。
林くんなりに攻めすぎたのである。 ボクらはあわてて林くんの元へ駆け下りた。 「死んでるよ。。」それが第一印象だった。 これまた現場に居合わせた近所の正ちゃんが、お母さんを呼びに走る。 正ちゃんのお母さんは林くんを見る。「ヒイェァー!!!」と、雄たけびを上げ、速攻救急車を呼んだ。 ピクリとも動かない林くんの悲惨なありさまをオイらは指と指の間から覗く。 なんかね、もうバックリと頭が割れている。 あの白いモノはたしかに頭蓋骨だったと、今でも記憶している。 「あー林くん死んだな。」
林くんは生きてた。 そのくらいで死ぬような林くんではない。 3週間ぐらいして小学校に戻ってきたが、まだすごくデカイ、頭の半分は覆い隠れるようなバンソウコに、包帯グルグル巻きというスタイルだった。 クラスメイトは多少心配していたらしく、林くんは生まれて始めて自分の周りに人だかりができて、少し嬉しそうに顔をほころばせていた。
ごく一部の少年らがやっていた林坂くだり遊びは、事件後、朝の全校集会で問題になり、禁止令がだされたのだが、オイたちは相変わらず続けていた。 でもそこに林くんの姿はなかった。
-おわり-
例の記憶術のナントカさんがいってた。 衝撃的な事柄ほど覚える。 なので、物事を記憶するときは、その覚えたい事柄を、衝撃的な事件としてストーリに仕立てて、覚えるのだと。 いえてる。
狭い入り口
台風13号 SHANSHAN(サンサン):長崎のさる家庭での一幕
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「台風なんてね、チョロイさ」なんて余裕かましていた。
いつも大体台風が接近すると家族が騒いでも、対策なんてしない。 「いーや、家は大丈夫。 このくらいの風なんかには負けない」なんてスカしている。
そして実際に直撃しても、なんてことはない。 少し風の音がうるさくて、野外のバケツがどっかに飛んでいっている程度である。 しかし、今回は違った。
「台風デカいらしいよ…長崎に向かっているらしいよ…怖ー」なんてヨメが言っているのを聞いて、yohoo天気で確認してみる。
(more…)洗剤能力
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洗いものをしていると、なんだか心まで洗われていくような気がする。 すべての洗い物が済んだ後は、まるで悟りを開いた坊さんのように心が晴れやかである。
ちょっと言い過ぎた。 家で食事をすると、必ず避けて通れないのは洗い物である。 食後テーブルの上に散らばる食器たちを寄せ集めてキッチンに運び、ひとつひとつ洗うわけである。 そんな洗い物がオイは好きである。 なんだか心まで洗われていくような気がする。 あ、これはさっき言ったか。
そんな洗い物で必須な洗剤。 これが大事なわけだ。 泡立ちが悪いものはカンベンしてもらいたい。 どうせならば、泡は、山のようにたってもらわねば、どうも洗っている、食器がきれいになっている気がしない。 ぶっちゃけ、泡立ちがよいと、油汚れがとれやすいようである。
そんな洗剤の容器は、写真のようにポンプ式がよい。 スポンジに洗剤を含ませる際、いちいち手をわずらわすことがないからである。 ワンプッシュで、洗剤が適量でてくるところが好きなわけである。
今日もギトギト油のしつこいお皿を洗おうかと、決心をして、スポンジに洗剤をつける。 皿をみがくように洗う。 「アレ?」 なんだか泡立ちが違うぞ。 いつもよりも明らかに泡立ちが少なく、何回洗剤をプッシュしても泡立たない。 おかしいな? 泡が立たないものだから、頻繁に洗剤をスポンジに補給する必要があり、なかなか洗い物がはかどらない。 ついにイライラしてくる。 あー今日はやめたっ。 洗い物は一時中断だ。
容器が変わっていないことを考えると、洗剤のメーカーが代わったわけではないな、おいヨメ、洗剤が壊れていますよ。
ヨメいわく、洗剤の中身を替えたのだとか。 なんでもお徳用洗剤とかなんとかいうデッカイ容器に入ったものを誰かさんに頂いて、その洗剤に、マイポンプ式洗剤の中身を入れ替えたのだとか。 んもーまったく腹が立つな。 苦情を事細やかに述べる。 そしてまったく泡立ちの悪い、ただ大容量なだけのお徳用洗剤は元の容器に戻し、新しく洗剤を買ってこさせたのである。
たくさん入っていて安いというのがお得なポイントなのだろうが、泡立ちが悪く、頻繁に洗剤を補給しなければいけない手間を考えると、お損な洗剤であるこれは。 いつもは心までもが洗われていくように感じる洗い物も、洗剤が悪いとテンでいけない。
田舎へ | 見つめる赤いトラクター
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というわけでヨメと娘を家に残し、息子と共に田舎へお泊りにいってきた。 交通機関を駆使しても、なんだか夏休み然としないので、できるかぎり歩いてみることにする。
普段は車で一瞬通り過ぎるだけのばーちゃん家までの道のりも、こうして歩いてみると、なかなか味なもんだね、息子よ。 先は長い。 時間は、ある。 のんびり歩こうよ。
いつ来ても、田舎なんだな、ここわ。 ぼくぁー、なんだか、うれしいんだな。 なんちゅうかこう、ほっとするんだな、ぼくわ。 なんて、山下清然として歩いていると、目の前に、ふぁー赤ーいトラクタぁーが、現れた。
じーっとこちらを見つめているようなきがする。 物悲しそうな雰囲気もあるが、どうもこちらを小ばかにしているような顔つきに見えないでもない。 ずいぶんくたびれているようではあるが、もう引退されているのか、まだまだ現役なのかもよくわからん。 フと、小さい頃に、無断でばあちゃん家のトラクターに乗り込んで、暴走させて、危うく川へ転落しそうになったことを思い出して、一瞬ヒヤリとして、また歩きだした。
木造建築
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実に昭和を感じさせる小店を見つけ、四角いビニール袋に入ったカキ氷をひとつ買い、息子と食べながら歩く。 この辺の家は、木造が多いな。 一体いつ頃建てられたものなんだろ。 手すりらへんとか、好き。 この家には土間があり、そこで子供達が遊んでいた。 身なりを見ると、おそらくこの辺の子供ではないことは確かで、お盆で帰省してはしゃいでいるといったところなんだろうね。
田んぼ
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広大な田んぼのちょうど中央に小道がはしっており、カエルを追いかけながら通り過ぎていく。 四方が緑に囲まれていて気持ちよかね息子よ。
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「ブーン」と、左っかわからデカい音がするので、近づいてみると、そこにはなんと、ラジコンヘリがっ。 遠目から見ると中田英寿風の顔立ちのおじさんが、中田英寿然としたそっけない態度で、まるでフィールド上の中田英寿を髣髴とさせるようにヘリを機敏に操縦している。 ヘリから白い粉が出ているので、おそらく農薬を散布しているものだと思われる。 中田氏の顔は無表情ではあるが、きっと、心では「ウヒャヒャ」と喜びながら、作業しているに違いない。 「ちょっとだけ操縦させてくんない?」 と、心で訴えながら親子二人、しばらくヘリを見守る。
クラシックを聞く牛ら
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こんな田舎のど真ん中で、遠くからクラシック音楽がかすかに聞こえてくる。 誰だ? 昼間っから優雅にキメこんでいるヤツは。 なんと、牛だった。 牛舎(牛舎というか、民家カスタム)からかなり大きなボリュームでなんていう曲かは知らんが昔音楽の授業で聞いたことがあるであろう、うっすらと聞き覚えのある曲が流れている。 これは田舎だからできる音量で、都会だと、いや都会でなくとも周辺に民家があると、いくらクラシックだからといっても、うるさくて、苦情がもちこまれること必至であろう。
ていうか、牛さんらもホントは少しウルサイと思っているのかもしれない。 犬の嗅覚は人間の300倍だとか聞いたことがあるが、牛の聴覚は、人間と比べるとどうなんだろうか? 少なめに見積もって、牛の聴覚が、人間の2倍だったと仮定しよう。 それでも一日中この倍の音量でクラシックを聞かされたら、発狂すること必至であろう。 いや、少し遠慮して、牛の聴覚が人間のそれの1/2だったとしよう。 いやでもそれでもうるさいよ、このクラシック。
乳牛に音楽を聞かせながら育てると、乳の出がよくなるのだとか、その他なんかにも音楽を聞かせると美味しくできあがるだとか聞いたことがあるが、この牛さんの場合、肉牛なのだろうか? 何故、音楽を聞かせると、よい効果が得られるのだろうか? もしかして、牛がリラックスするからであろうかー? それならば、やはりこの大音量の、クラシック音楽では、リラックスできないと、オイは考え、息子にその意見を聞いてもらい、少し気が済んだ。
ていうかそもそもいくら音楽で心地よくさせたからといって、居住している建物がボロくて、なんだかジメジメしていて、非常に狭くて・・・牛さんのことを思ったら、もうこれ以上書けない。
お盆灯篭
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お盆には、先祖を出迎えるための明かりとして、提灯を玄関先に吊るすのであるが、毎年数件は、その提灯の火が原因で、火事が発生している。 せっかくご先祖様を思ってともした提灯が、まさか火事の元になってしまうとは、悔やんでも悔やみきれない。 お盆時期には、かならず新聞で見かける記事。
そのお盆の提灯だが、普通家紋等が入ったベーシックなものが使われるが、地方によっては、上の写真のような、ド派手で豪華なものが使われる。 きらびやかで、さぞ、ご先祖も、お喜びのことでしょうな。
棚田
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高台から棚田が見える。 よくもまあこのように自然の地形をいかして、整然と田んぼを作れるものだと、見入る。 しばらく進むと、棚田の真中に大岩がポツンとあるのを見つける。
![tanadaiwa](https://farm2.static.flickr.com/1200/840379978_488d712892_o.gif)
あとで聞いた話、この岩は、昔地震があったときに、上のほうから滑り落ちてきたのだとか。 近くに民家もあることだし直撃しなくてよかったよね。
ばあちゃんの煮つけ
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そしてようやく息子と2人、歩きに歩いてばーちゃん家にたどり着いたわけである。 今晩は花火や、カブトムシ取りに出かける予定ではあるが、とりあえず腹ごしらえをせねばならぬ。
実をいうと、今回の3時間にわたる道のりをずっと、カレーをかついでやってきたのである。 デカい登山用のリュックを背負って。 カレーは漏れないように蓋のキッチリと閉まる圧力鍋に入れ、がんばって歩いた。 圧力鍋の蒸気排出口から少しカレーが漏れることを考慮して、ビニール袋でその辺を密封しておいた。 このカレーを、ばーちゃんに食わせようという魂胆だ。 小麦粉を炒める際には息子も手伝ったので、オイと息子の合作ということにもなる。
ばあちゃんはというと、ばあちゃん流のおもてなしとして、いつものようにお寿司を注文してくれていて、ばーちゃん製ありあわせの煮付けを作っておいてくれたのである。 なーに昆布がデカくったってかまいやしない。 ウマけりゃいいのである。
おわり
え残暑?
![katori](https://farm2.static.flickr.com/1380/839466719_7c6663d109_o.gif)
ニュースで「残暑厳しい中云々」なんて言ってる。 え、もう残暑なの? 只今夏まっさかりではないのかい? えーっ、夏が終わっちまう。
「た、大変。 もう残暑なんだって。 残っている暑さなんだって。」 なんてヨメに驚きを伝えると、ヨメいわく、こよみの上ではもう秋なんだとか。 サミシーし。
このままでは夏らしい思い出のないまま、夏が終了してしまう。 焦るオイは、何を考えたか、蚊もいやしないのに、とりあえず蚊取り線香をさがしだしてきて、焚いてみる。 うーん、ニッポンの夏の香りがするね。 じつに夏っぽい。
しかり蚊取り線香の香りをかいだだけで、夏を満喫した気分になるのも物悲しく、「お盆休みはどちらまで?」なんて人に尋ねられたりでもして、「いやどこっていうか、家で蚊取り線香をかずんでいました。」なんて答えたら、不気味な変人あつかいである。 さて。 行動せねばならぬ。
花火を買わねばならぬ。 夏。 花火でしょ。 爆竹を息子に経験させてやらねばならぬ。 長崎人の、登竜門でしょうな。 じゃーとりあえず花火屋に寄ろう 。 そうだ、田舎を満喫しにいこう。 ばーちゃんにでも泊りがけで会いに行くとしよう。 しかも車を使ってはなんだか雰囲気でないので、JRでいくとしようか。リュックを背に、水筒もって、虫かご持って、 息子と、男二人旅でも決め込もうではないか。 というプランが今たったので、早速でかけるとするか。
あ、浮き袋ものっていかねば。 っていうか欲張りすぎだぜオイ。
おーいお茶ノベルティー
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ペットボトル入りお茶業界に異変が起きている。
いや異変というほど大げさなことではないが、「濃い」バージョンのお茶というものがちらほら見受けられる。 要は、伊右衛門というペットボトルのお茶があるとすると、それを濃くしたものが、売られているわけである。
早速購入し、飲んでみる。 普通のものよりも、明らかに濃い。 これをウマイと感じるかどうかは、購入者次第といったところ。 オイは元々濃いお茶を飲むのが好きなので、どっちかってーと、この濃いほうが好きではあるが。
「おーいお茶」にも濃いバージョンがある。 しかもペットボトル首の部分にオマケがぶら下げられている。 どっちかってーと、いつもは、おーいお茶よりも伊右衛門派なオイではあるが、オマケがついているからという、ただそれだけの理由により、おーいお茶の、濃いヤツを飲んでみる。 やはり濃い。 でも味が濃いと、どのメーカーのお茶もみんな同じ味のように感じるような気がするんだけどそれはそれで構わない。
オマケは、ポストイットだった。 おっと、3Mのサイトを除いてみると、ポストイットというのは商標であり、「ポスト・イット(R)と呼べるのは、当社の粘着メモだけです。」なんて書いてある。 なのでこれは粘着型着脱式糊付小紙とでも呼ぼうか。(以下こう呼ぶ) ぴったりのケースに収まっており、ストラップもついているので携帯にでもつけてみたらどうかと思うが、そもそも携帯をもっているのであれば、それほど付箋紙の必要な場面はないであろうとひとり考えてみる。
![oitya2](https://farm2.static.flickr.com/1237/840296924_dcf23d2551_o.gif)
以下こう呼ぶなんて書いたが、もう呼ぶことはなかった。