柚子胡椒でヒリヒリ
風呂に入るやいなや、痛み出した。
両手をお湯につけることができないのだ。 調子に乗って柚子胡椒を大量生産したことが原因。 まさかこんな大事になるなんて。
一度にこれほどまで大量のトウガラシに触れたのは今回が初めてだ。 トウガラシの辛味成分「カプサイシン」に、オイの指は悲鳴をあげたのだ。
どうやら熱がヒリヒリを増幅させるらしい、空気中に手をかざしているだけでもヒリヒリするというか、熱い。 この感覚は、ヤケドをしたときにそっくりだ。 両手にヤケドをした状態を想像していただくと痛みがよくわかると思う。 とにかく、どうにもならん、冷やさねば。
ひとっプロ浴びている場合ではない。 ヒリヒリしてやってらんない。 ボールにカチ割り氷を大量投入して氷水を作り、両手をその中へ。 いままでの痛みがウソのように消えてしまう。
もしかすると直ったのかもしれん、と両手を氷水から取り出すと、ほんの数秒で再びジンジンしてくる。 今度はどうやら冷やしたことで、さらに痛みを感じやすくなったようだ。 最悪。
対処法は氷水に両手を突っ込んでおく他になく、洗剤をたっぷりつけてごしごし洗ってみてもまったく効果はなかった。 想像するところによると、辛味成分が手に染込んでしまっているのではなかろうか。
晩酌をする際もボールに手を突っ込んだ状態だ。 素早く右手だけを取り出してグラスをつかみ、ビールを流し込んでからまたボールに手を浸す。 また素早く手を出して箸を握りつまみを一口かじってからまたボールへ。 一体何のバツゲームなんだ。 情けない。 酒だって旨いわけない。 早めに切り上げて、寝ることにする。
寝る際も当然、氷水のボールを手放せない。 両手をボールに突っ込んだまま、どうやって横になろうかと思案する。 ラッコ状態で腹の上にボールを置き、手を浸す。 快適ではあるが、寝てしまった場合、ベットが氷水浸しになること必至。 枕元にボールを置き万歳状態で手を浸す。 つかれる。 どうしたらいいのか・・・。
ソファーにうつぶせに寝ることにした。 ソファーの足元にボールを置き、手をその中へ。 一番無理がなさそうだ。 ウトウトしはじめる。
急なヒリヒリに目を覚ますと、ボールが床に転がっており水浸しになっている。 寝ている間に倒してしまったのだ。 手は空気中に露出状態になってしまい、ヒリヒリしたのである。 こりゃ、寝るどころじゃねえな。
もう寝ないことに決めて、ボールをひざの上に置き、両手を冷やしながらDVDを見る。 なに冷やしておけば問題ないんだ・・・・・・いつの間にか寝ていた。
朝目が冷めるとやはり床は水びたしになっていた。 手の痛みは・・・スッカリ消えた。 辛味成分が抜けきったのだろうか。
柚子胡椒を作るにはそれなりの覚悟が必要なことがよくわかった。 素手で唐辛子をいじりまくっては絶対に、ダメ。
訪問してくる人々
休日の昼下がり、チャイムがなる。
その日は晴天で、玄関のドアを開けっぴろげていた。 Mr.オクレ氏にそっくりの痩せた男が痛々しい笑みを浮かべながら、申し訳なさそうに立っている。
「えーっと、何でしょうか?」
「あ、あのー・・・ふすま・・・張り替えません?」
「あいにくウチにはふすまがないものでして」
「あ、あそうでしたか・・・どうもすみませんでした」
男はトボトボと去っていった。 近所中を回っているのだろうか。 たぶん、あの雰囲気では、万が一ふすまを張り替えたい家庭があったとしても、断られるのではなかろうか。
もしもオイがオクレ氏だったら、もっと元気にハキハキと各家庭を訪問したいものである。 「ピンポーン!こんにちは!唐突ですけどお宅のふすま、ピンピンしてますか?只今無料でフスマの健康診断をしています!診断をうけてくれたらダシパックを差し上げますがいかがですか?何々?必要ない?あ、そうでしたか!ではまた来年伺います!ありがとうございました!!」 かえってウザいか。
しばらくして、またチャイムが鳴った。
なにやら冊子を差し出され、なにやら社会について問われた。 とまどいながらも2、3度受け答えをすると、その冊子をあげると言われた。 いきなり訪問された人からタダで物をもらうわけにはいかない。 その冊子を必要としている方がもっと他にいるかもしれないので、そうしてくださいと伝えると、微笑みながら去っていった。
他にも色んな人が訪問してくる。
玄関のドアを開けるとそこには天をつくような大男が無愛想に立っている。 何なのかを尋ねると、受信料を払えという。 受信しているからしょうがない、支払った。 ははーん、この人物が以前嫁の話していた怖い人だな? いちいち家にこられるのは恐ろしいので、支払いは引き落としにしたいとか言ってたっけ。 うんたしかに怖い。 引き落としに決定。
チャイムに反応し、走って玄関に向かった息子が帰ってきた。 「エプロンが来たぞ!!!」
何?エプロン?!!? わけもわからぬまま、玄関に向かうと、そこには勉強と白抜きされた藍色のまえかけをした男が2人立っていた。
「何でしょうか?」
「お味噌!いかがでしょうかー?」
味噌屋さんなのだ。 玄関前のトラックには味噌の入った樽が山積みされている。
興味があって少し話を聞いたが、料金関係がどうもわかりづらかったのでやめておいた。 「勉強」のまえかけは譲ってもらいたかった。
一時期パン屋もよく来た。 アンパンが美味しいという噂があり、嫁はよく買っていた。
新聞の勧誘は頻繁に来る。 何々を購読しているからと断っても「ちょっとだけ、一回だけ!」と、まるでうちの息子のような言い方で試しに購読してみてはと勧められるのだが、ちょっとだけということは10ページだけ購読することができるのかとか、本当に一回だけでいいの?とか意地悪なことを思い浮かべてしまう。
某乳酸菌飲料の定期購入の誘いもたまに来る。 試飲どうぞと、商品を置いていかれるから困る。 いらないといっても、置き去りにするかのようにドッサリ置いていく。 購入しないのに飲むのは気が引けてしまう。
牛乳の勧誘には乗った。 息子の主飲料だからである。
音浴博物館
花火
この前までムカッ腹が立つほど暑かったがやけに涼しくなった。 秋っぽいかんじ。 少し寂しい感じ。
この頃になると、ここ数年同じ場所に花火を見に行く。 車、人共に混む。
今年は家族そろって浴衣で花火見物をしようではないか。 という案もあったのだが、オイと次男だけはTシャツに短パンだった。 「ユナイテッドアローズの浴衣」ってのをほしがったのだが買ってもらえなかったのだ。
普段は静かな道路沿いに出店が立ち並び、子供たちは前を通るたびに立ち止まり買う買う攻撃をはじめる。 カキ氷をそれぞれ一個ずつ買うが、そのほとんどをオイに持たせるために、両手がふさがってしまう。
花火が始まり、最初の数発は目を丸くして見上げていた子供らは、しばらくするとなれてきて他の事に気をとられる。 ウロチョロするので目を離せなくなり、オイも花火鑑賞をできない。 だがしばらくすると、花火はクライマックスにむかいながらだんだんと派手になり、再び子供たちを魅了する。
ここ一番の、大玉が立て続けに打ち上げられてドカンドカンいう頃には親子共々口を開けて見とれる。
大玉ははるか上空で炸裂し、覆いかぶさるように火花を散らした。
NEIGHBORHOODの壁紙
たまに覗いているhoneyee.com内滝沢氏自身のブログでNEIGHBORHOODのサイトリニューアルを知る。
カッコイイサイトだなあ。 トップの画像は壁紙としてサイト内で配布しているもの。 何してもクール。
刈上げと日本人
カリアゲ。 小さい頃近所に一人は青々と激しい刈り上げをしている子がいたものだが、そもそも刈り上げとはなんなのか? なぜカリアゲなければならないのか? ある本に興味深いことが書かれていた。
日本では明治時代の文明開化の頃「西洋刈込所」や「英仏髪鋏所」などという名前の散髪屋が現れ始めた。 名前の通り、西洋人風な髪型にカットしてくれるのであろう。 しかし、
西洋人の髪というのは後頭部において、左右の耳の穴を結ぶあたりの高さで一直線に終わっている。 しかし日本人は襟足が長い。 西洋人と比べるならば3~4cm程長い。 この余分な襟足をどうすれば西洋人に近づけることができるか? そうだ、刈り上げてしまえ。
と、いうことになったのであろうと、その著者は推測している。
なるほど。 大分前の話になるが「タイタニックのディカプリオ」を見て、なんか襟足が短いと言うか逆富士山型ではなく、スパッと終わっているよなー。 と思っていた次第。
危篤?
「今回ばかりはもうダメかもわからんよ。」
と母から連絡があった。 じーちゃんだ。
じーちゃんは93歳でついこの前ビールを一緒に飲んだばかりである。
そのじーちゃんが病院に運ばれ、今回ばかりはヤバいらしい。
もう聞き飽きた。 これまでも、じーちゃんは幾度となく危篤、危ないと言われ続けており、初めのうちは真に受けてあわてたりしたが、なんてことはない、面会するとピンピンしているではないか。 周囲が大げさすぎるのだ。 すこし風邪をひいたりするとすぐ危ないと言われてしまうのだ。
そりゃ93歳だし、体のあちこちがどうかあったりもするが、本人が元気だと言うんだから。
この前会った時も朝から晩までカマをといでいたし、話をしてもしっかりしていいた。 だから今回も大丈夫だろうと安心して病院へ向かう。
「おー、オイか。」
とじーちゃんは迎えた。 ホラやっぱり危なくない。 母によると、ここ何日か食事を残すので、もしかしたらと思って…という話だ。 あーめんどくさ。
結論。 じーちゃんはまだ大丈夫、以上。
市場を案内しアゲマキ購入
晩酌中に携帯が鳴る。
「おーオイ、元気?」と古い友人の声。 かなり久しぶり。
酒の勢いも手伝い、つい話がはずんでしまったが、オイは今晩酌中なのだ。 オマエと長々話しているヒマはない。 「じゃ、またね」と切ろうとすると「うーん、長崎に行こうと思うんだけど、なかなか時間がなくてねぇ、じゃたまいつの日か。」 と捨て台詞を吐いて、彼は携帯を切った。
あくる日の早朝、携帯が鳴る。 昨晩の男からだ。 「あーオイ、おはよ。 あのね、もう時間がないんだよ、飛行機とれたんで、今からそっちに行くよ、じゃ」一方的に切られた。
昨晩「なかなか時間がなくてね」と話したばかりなのに何を当然血迷ったのか、これから長崎に来るそうだ。 休日だしゆっくりしたいし、子供らと遊ぶ予定もあるのに何でまた唐突に…。
彼は東北在住。 長崎空港に到着したと連絡があったので迎えにいく。 車中の話では、仕事が忙しくてなかなか休みがとれないためにポッと空いた時間を有効活用するそうだ。 この前も突如富士の麓にある隠れたお宿に泊まりにいったのだとか。
「長崎で、なんか面白い所ない?」
うーん、グラバー園とかそういうこと? 「じゃなくて」 そうか……………。 オイにとって、市場は遊び場だけどねえ。 面白いと思うけどねえ。 「じゃ、その市場を案内してよ」という。
魚市場は早朝に行かねば面白くないし、今の時間だったら長崎市中心部にある築町市場なんか面白いと思うけど。 っていうかオイはそこが好き。 どうっすかね。 今晩はどうせ飲みに行くんだよね? 築町近辺にはいい飲み屋があるもんで、そこもせっかくだから案内しておこうか。
梅雨で魚が少ないのだろうか、いまいちいつもの活気が感じられないような気がしたが、もう10時だし、こんなもんか。 「どーですかキミ、からすみとかも売ってますよ。 東北と比べて、どーっすか。 ほらそこ、鯨カツとかも売ってますよ。」と鯨カツを購入し、築町を歩きながら案内する。
「そこの海産物やさんはね、イーカツブシ売ってるけどいかが? ほかにもイロイロあるよ。 ほーら、この胡麻ドレがまたウマイんだ娘が好きでさ。」 と、ついうっかり、濃口醤油とドレッシング、削り節を購入してしまう。
「ここをまっすぐ行くとね、魚屋さんがいくつかあるんだよ。 ほーらイワシが沢山並んでいる…うーん、キレイなイワシだね、じゃ、これください。」イワシを購入した。
「その角を曲がるとまた魚屋さんがあるんだよ。 ほーら、サザエとかも売ってるし、オ、好物のアゲマキが売ってやがる、えーいしょうがない、一山ください。」アゲマキを2kg購入。
「いやーきみ、どうだね長崎の市場は。 何、面白いも何も、オイの買い物に付き合わされただけじゃないかだって! うん、そうとも言えなくもない。」
オイ家にてアゲマキをバター焼きにして、昼間っから、東北人と飲んだ。 夕方から寿司屋に行って、その後銅座で朝まで飲んだ。 まあまあ楽しかった。
ビビリ王
彼は飛行機に乗る前にウイスキーのダブルを一気する。
そして手当たり次第に雑誌を買い込み、機内へ。
シートベルトを着用したあと、キョロキョロしたり、雑誌を手に取りパラパラめくり、置いて、また別の雑誌をパラパラ…。
「雑誌の向き、逆だよね」と教えてやるとあわてふためく。
離陸前でエンジンの回転数が上がると「もう俺の人生シューリョー」という顔をしている。
このとき耳元で「実は飛行機がどうして空を飛べるのかは実際のところよくわかっていないという話もあるらしいよ」とささやくと、浅黒い顔が一瞬で絹ごし豆腐のようになった。
飛行機が滑走路を突っぱしり、離陸した直後はまさに座席にへばりついている。 まるで彼だけが周囲の数倍の重力を受けていて、もうすこしで「プチッ」とつぶれてなくなってしまいそうなぐらいへばりついている。
機内サービスがはじまる頃には落ち着きを取り戻し、いつものように99.8%はウソだと自ら豪語するくだらない話を延々と語り始める。
「この前飛行機に乗ったときにさ、添乗員さんが新人だったのよ、そんでさ、いろいろとぎこちないわけ。」
「おの、おのみ物はな、何にしますか?」とか頻繁にかんだりして。
「んでさ、オレの横に座っている客に飲み物を尋ねる際に「お飲み物は何になさるか?」と言ってしまったわけ。 そしたらその客もよくわかっているヤツでとっさに「かたじけのうござる」とあわせたわけよ。 それを横で見てて思わずフイてしまったっちゅーわけよ。
らしい。 似た話をテレビで見たし、そのもっと前に「読むクスリ」で読んだ。 やっぱりこいつ、ハッタリ野郎。
着陸態勢に入る頃には離陸時同様の状態になる。
そんな彼とこの前ビール飲んでたら、血液型の話になった。 このテの話はあまり好きではないので取り上げないが、血液型を非常に重視するそうだ。 その流れから手相、人相と話は広がり、オイと彼共通の人物を例に、彼は目元がこうで、口元がこうだから受難の相である。 とかもっともらしく言う。
どうしてそう言いきれるのかというと、昔そのテの先生の付き人をやっていたのだとか。 先生は占い師であり、霊能者であり、家具職人なのだとか。 先生はその驚くべき能力からあちこちお呼びがかかる多忙な人で、一緒にいるうちに自分も色々とわかるようになったと彼は言う。
ある日、ある裕福な家庭の人形にトリツイタ悪霊をお祓いするために、先生、その他テレビで知られる有名な霊能者一同があつめられたそうな。 しかしその悪霊は強力であり、名だたる霊能者では歯が立たなかった中、先生だけは対抗する力を持っており、結局先生がお祓いを済ませたのだとか。 謝礼として莫大なお金を手に入れ、彼もそのおこぼれを頂戴したらしい。
彼は先生の付き人であるから悪魔と対する際もその場におり、その人形も見ている。 ドアを開けるとそこは異様に重たい空気が流れ、真ん中に置かれた人形には結界が張り巡らされている。 人形自体から発せられる威圧感に彼はたじろいだが、先生は立ち向かい、勝った。
家の主人に感謝され、謝礼とともに何故かバナナをもらい、そのバナナを手にした彼が家を出た瞬間、そのバナナはボロボロと灰になったのだとか。
「どう? すごい話でしょ」と彼は言うがどうせハッタリだし、そもそもオイはそのテの世界を一切合財信じてはいない。 素直にそう伝えると、彼は少しつまらなそうに口を歪めた。
久しぶりに彼に会うと、やけにやつれている。 聞いてみると、眠れないらしい。 なんでも、ウトウトしてくると目の前に斧を持った大男が現れ、追いかけてくるそうだ。 必死で逃げるが追い詰められ、まさに斧を振り上げられたところで目が覚めるという状態がもう何日も続いているのだとか。 午前2時と、5時に必ず目が覚めるらしい。
こうなったのは、オイに悪魔の話をした日の夜からであり、オイに何ともないかと聞いてくるが、なんともあるワケがない。 逆に寝つきがよい。 食事もうまい、健康そのものである。
これからは聞く人が喜ぶ素敵な話をすればすればその症状は改善されるんでないの、といかにも物知り顔で助言した。
エコ?
はじめはポイント目当てのマイバッグ持参だった嫁は、最近マジでエコに目覚めたようだ。 小麦その他の値段が上がったことも全部環境破壊によるものだと解釈したらしく、環境破壊は敵そのものだと息巻く。
息巻いたついでに最近あったムカツク事シリーズをベラベラとじゃべりまくる。
保育園で娘の服がないと思ったら別の園児がそれを着ていて、さらに襟首にその子の名前まで書いてあるいったいどーなってんの!とか、
「軽くパーマかけてくださいと言ったらグリグリにかけやがったヤツは!」とか、
いつものようにマイバッグ持参で買い物をしたらその日は少し大量に買いすぎてマイバッグに全部入りきれなかったらしく、仕方がないので「ビニール袋をひとつください。」とレジさんに伝えたら快くくれたのはいいが、その日のエコに対するポイントは抹消された、なんでか、だって入りきれなかったんだしじゃあどうすればよいの? キーッとかいう。
そんなにビニール袋を使うことが悪いのならば、肉や魚を買ったときにいちいち透明なビニール袋に入れてくれるあのサービスはやめれ、それこそエコではない、という。 それはいえてるかもしれない。
今度美味しいものでも食べに連れていってやろーっと。





