とうさん
【カラス】空中戦【トンビ】
よく晴れた日、草っぱらに寝転がって京の町屋の写真集を眺めていた時の話。 少し目が疲れたので空を仰ぐと、突如視界にカラスが入ってきた。 続いてトンビがやってきた。 どうやら両者はケンカをしているらしい。
トンビのほうが体が大きく優勢な様子。 カラスは下から突き上げられそうになり、思わず体を反らす。 すると今度は背後に回られ上から押し付けられそうになる。 防戦一方の展開だ。
(more…)大食い
三世帯で集まりしゃぶしゃぶパーティーを開いた。 それぞれ子持ちなので、かなりの頭数になり、用意した牛肉の量も、半端ではない。
T氏一家は奥さんが来ていない。 なんでも夫婦げんかの真っ最中らしい。 酒が進むにつれケンカの発端に話は向かった。
(more…)二つのゴタゴタ
小学校での話
保護者会にはいつも家内が参加しているのだが、急用ができたので、オイが行くことになった。 お母様方の中に混じり、あちらこちらから飛び交う世間話に耳を傾けていた。
すると「ねえ、昨日の宿題、○○くん、ちゃんと解けてた? うちの子はこんなのできないって頭かかえてさ、落ち込んじゃったのよ」という声。
「ああそういえば、難しいって言ってた!」と別のお母様。
すると方々から「ウチも!」「あれは解けない!」という声があがり、その話で持ちきりになった。 話をまとめると、宿題に、まだ習っていない二けたの足し算がでて、解けなくて困った、という事らしい。
「あの宿題は難しすぎます!」とお母様方から責められ続け、担任は冷や汗かきながら「なんといいますか、チャレンジする、という意味で出してみました」と弁明。 それにお母様方は猛反発。 「チャレンジにも程があるわ!もっとちゃんと習っている所を宿題にしてください!」
新学期早々、強大な相手を敵に回してしまった担任氏に心から同情する。
(more…)怒涛の質問
自作PC
あぐり
漁港をうろついていたら、おじいさんが網の山に埋もれてガサゴソしていた。 近寄ってみると、漁に使う網を補修しているところだった。 話しかけると気のいい方で詳しく説明をしてくれた。
「こいは網仕事言うてね、定期的にせんば漁師はつまらんと。 だってさ、網の破れとったら網ば投げたところでしょうがなかたい。 魚の全部逃げてしまうもんね。 だけんが、こいば使うて、網のほつれとる所ば修繕するとたい」
目の前に差し出されたのは、網を補修するための、いわば針だった。
(more…)八月・・・
慌しく過ぎたこの夏だった。
八月も残すところあと二日、寂しい・・・。
とはいっても、今年はなんだか梅雨明けしてからが梅雨っぽかったような印象があり、妙に蒸し暑かったこともあって、なんちゅうかこうイメージしている夏っぽくなかったというか、あまりピンとこない日々が続いた。
八月のほとんどを関東ですごしたところで以下メモとして。
美登里
もとは横浜の老舗料亭だったのが、とある理由で銀座に越してきた、という店。 次々と盆に出される突き出しはどれも酒の旨さを十二分に引き立てる。
店主力石氏にお願いすると、様々な飲み口の酒を供してくれる。 澄んだトマトジュース、骨抜きをしたハモの薄作りという謎多き品が、今でも頭を悩ませている。
(more…)無職
無職である。
オオゴマダラのサナギのように、全身を黄金色に輝かせ、高級アクセサリーをジャンジャラ身につけているが、無職である。 友人の飲み友達の話だ。
少し前まで、ジムでインストラクターとして働いていたというが、その割には筋肉らしいものが見当たらない超細身の女性。 やたらと食べ物や酒に詳しいが、自炊は一切しない。 その知識は、飲みに行く先々で得てきたものらしい。
夕食は毎晩銀座で食べる(呑む)。
(more…)予期せぬキャンプ
とある理由でキャンプへ同行することになった。
親子水入らずで過ごすはずだった休日をこのような形でフイにするのはいささか気が引けるが、友人たっての頼みだから断れなかった。
メンバーは10人。 キャンプ場に着いたら、まずはカレー作りからということらしい。その手際を眺めていると、恐ろしいほど危なっかしい庖丁さばきで野菜を切っている人がいる。 見ていてこちらが何度もヒヤリとするほどで思わず「大丈夫?」と声をかけた。
すでに調理に飽きてきた人がチラホラ見えてじき、ビールを飲んでいるのかカレーを作っているのかわからないという仕込みになっていった。 たぶん、完成までにはだいぶ時間が必要だろう。
氷の詰まったクーラーボックスの中からコロナビールを引き抜いて、キャンプ場周辺を散策した。 海を見渡せる高台で、景色を撮ったり寝転んだり。 しばらくしてキャンプ場へ戻ってみると、カレーは煮込みの段階に入っていた。
「なんか水っぽいんです」と鍋の前に立つ女性。
鍋をのぞくと色からして超薄味のサラッサラカレーである。 何故か肉の姿がほとんどない。 味見してみると・・・食えたもんじゃない。 薪を倍増してガンガン焚いて半量以下に煮つめるか、ルーを買いに走るよう助言をした。
キャンプ場では多くの人々が夏を楽しんでいた。 ほほえましい家族の光景が目に入ったので、その人たちの近くに腰をおろして今回唯一つ持参してきたものであるタイガーの魔法瓶を取り出した。 中にはよく冷やしたお気に入りの日本酒を入れてある。 杉の猪口でチビチビやりはじめた。
父、母、娘二人の四人家族だ。
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