二つのゴタゴタ
小学校での話
保護者会にはいつも家内が参加しているのだが、急用ができたので、オイが行くことになった。 お母様方の中に混じり、あちらこちらから飛び交う世間話に耳を傾けていた。
すると「ねえ、昨日の宿題、○○くん、ちゃんと解けてた? うちの子はこんなのできないって頭かかえてさ、落ち込んじゃったのよ」という声。
「ああそういえば、難しいって言ってた!」と別のお母様。
すると方々から「ウチも!」「あれは解けない!」という声があがり、その話で持ちきりになった。 話をまとめると、宿題に、まだ習っていない二けたの足し算がでて、解けなくて困った、という事らしい。
「あの宿題は難しすぎます!」とお母様方から責められ続け、担任は冷や汗かきながら「なんといいますか、チャレンジする、という意味で出してみました」と弁明。 それにお母様方は猛反発。 「チャレンジにも程があるわ!もっとちゃんと習っている所を宿題にしてください!」
新学期早々、強大な相手を敵に回してしまった担任氏に心から同情する。
保育園での話
家内の友達が四月から新しく園に子供を連れてくるようになった。 はじめての子供でまだ小さいので、4人の子を育てる家内の話が割と参考になるらしい。
先日夜中にその友達から電話がかかってきたそうだ。 電話口でシクシク泣きながら、こう語ったという。
歓迎遠足があり、お弁当を持たせて登園させたところ、園の給食先生とばったり会った。 「作ってきた弁当を少し味見させて」と言われたので、野菜の煮物を味見してもらった。 すると「塩辛い!こんなものを子供にたべさせていると成人病になるよ、何考えてんのあなたは!」と激しく皆の前で怒鳴られた。
そこで「塩と砂糖を間違えたのかも?」と急いで家に帰り、鍋の残りを食べてみると、まったく辛くなかった。 いつもの自分の味だった。 後で旦那に食べさせてみても同じ意見だった。
翌日その旨を先生に伝えると、また怒られた。 「何言ってんの!私が塩辛いといったのは、子供たちの舌にとっては、あの味付けでも十分塩辛いという意味で言ったのよ、もう!」
別れ際、「味付けというものはね、こんな風に淡くしなければダメなのよ、これを持って帰って食べてみなさい」 と、サバの味噌煮を渡された。
夕食の際、味噌煮を家族でつまんでみると、辛い味付けだった。 淡いどころか、塩の味が立ち、味噌煮特有の甘さがまったく感じられないものだった。
翌日。 そのまま感想を伝えたらきっとまた怒られるという配慮から「きのうの味噌煮、美味しかったです・・・」と言ったのが間違いだった。
「あなたねえ、舌がどうかしているんじゃないの?あれはわざと辛めに作った味噌煮を渡したのよ。 あなたの舌が正常かどうかを試したかったの。 やっぱりあなたの舌はおかしいわ。 もっと料理を勉強して、ちゃんとしたものを子供に食べさせるようにしなさい!」
これで泣き出してしまったわけ。 たしかにひどい話だと思うが、双方の話を聞いてみないと正確な所は語れない。 まず家内の友人に言いたいことは、なぜ野菜の煮物を作った際に味見をしなかったのか、という所。 味見しないと、ちゃんと作れたかどうか、わかんないじゃん。
あと、変な気を使わずに、ハッキリと「味噌煮、淡くありませんでしたけど。 舌、大丈夫ですか!?」と言ってやったらよかったのに。
「こんな園、もう辞めてやる!」とか言ってるそうだけど、まあ、家に夕食でも食べにおいでよ。