怒涛の質問
たまに次男の質問責めに遭う。
そのジャンルは多岐にわたり、今食べている料理の味から「どうやって作ったものなのか?」 「このニンジンってのはいつから存在しているものなのか?」 「恐竜が生まれるよりも前から存在していたのか?」 「そういえば恐竜の中で一番強いのはどれだと思う? 俺ティラノ」 「ティラノとサイコガンダムどっちがデカい?」 みたいな感じ。
日中でも30分も付き合えばぐったりしてしまう猛攻なのだが、これを晩酌中にやられてしまうと「もう終わったな」という感じになる。 答えるのに気を取られ、悪酔いしてしまうのだ。
この前の休日、早朝からこの猛攻に遭ってしまい、収まる気配がなかったので散歩に行くことにした。 次男と二人でおにぎりと水筒を持ち、車を走らせ景色の良い場所へ向かった。
心地よい風を受けながらのんびり歩いていると、次男は借りてきた猫みたいにおとなしい。 質問する気も起きないほどリラックスしているのだろう。
散歩も終わりに近づいたころ、次男は遠くを指して「あー!!」と声を上げた。
その方向を見ると、今時珍しく鏝絵があった。 二羽の鶴がたわむれている様子の絵に見える。 ところが次男には、首がふたつに足が三本の「鳥のバケモノ」に見えたらしく、「怖…スゲッ…ねえ、あいつって強い?」と最後の最後で怒涛の質問がはじまってしまったのだった…。