鯵素麺

昔、恩師につれられ長崎の某料亭に行った際、出てきた「鯛素麺」に度肝を抜かれた事があった。
巨大な鯛の姿煮が大皿に横たわっており、その所々に素麺が盛りつけられている。 甘辛煮汁でヒタヒタになった素麺を、鯛をむしりながらいただくのである。
話だけ聞いてもピンとこない不思議な料理だが、たちまち大皿が空になってしまった事を思い返せば、相当旨かったんだろうと思う。
(more…)職人
あれほど好きだった恐竜やトランスフォーマーのオモチャには目もくれず、黙々と新聞紙で創作活動に励む次男。 ある日突然はじまった行動で、作っているのは「武器」である。
新聞紙を折り、丸め、ガムテープで巻いてイメージしている形に造りあげていく。 神妙な顔をして作業に没頭する姿は、この場面でしか見せない一面だ。
武器が完成したら、それを手に姿見の前へ移動し、実際に使ってみる。 「てやー!」のかけ声と共に、一心不乱に武器を振る次男。 自らのフォームを鏡で確認しつつ、見えない敵と戦っている様子。
(more…)DIESEL ZATINY
家内がやけに年季の入った、味のあるデニムを履いているので「そんなの持ってたっけ?」と聞くと、最近買ったのだという。
ダメージ加工のデニムにしてはやけにリアルなほどけ具合であり、なによりインディゴの美しさに目が惹かれる。 ラインはてんで今っぽい。
本人はさておきデニムのみをベタ褒めしていたところ「感じ悪」とつぶやきながら、どこのデニムかを教えてくれた。 DIESELである。
「あー、ディーゼルね」
(more…)もらいもの
娘が「目がゴロゴロする」と言い出した。 登校前の慌ただしさの中まったくもって・・・眼科に行くべきか? そうしていると、突如玄関のドアが開き「ヨーイ」というなじみの声が聞こえた。 近所のお婆さんである。
もぎたての4、5本のきゅうりをゴツイ手でワシ掴みにしている。 「ほら食べれー」
毎度ありがたいのだが、ただ今娘は「ものもらい」の疑いがあり、病院へ行こうかどうか悩んでいるとことだと伝えたところ、そんなの何の問題もないぞとお婆さん。 「ほうきを持ってこい」と言う。
(more…)映画『タンポポ』よりラーメンに関する部分のまとめ

(more…)ある晴れた日、僕は一人の老人にともなわれてふらりと町へ出た。 老人はラーメン暦四十年。 これから僕に、ラーメンの正しい食べ方を伝授してくれるのだという。
僕:「先生、最初は、スープからでしょうか、それとも麺からでしょうか?」
老人:「最初はまず、ラーメンをよく見ます」
僕:「は、はい」
老人:「どんぶりの全容を、ラーメンの湯気を吸い込みながら、じみじみ鑑賞してください。 スープの表面にキラキラと浮かぶ無数の油の玉。 油に濡れて光るシナチク。 早くも黒々と湿り始めた海苔。 浮きつ沈みつしている輪切りのネギたち。 そして何よりも、これらの具の主役でありながら、ひっそりとひかえめにその身を沈めている三枚の焼き豚」
老人:「ではまず箸の先でですね、ラーメンの表面をならすというかなでるというかそういう動作をしてください」
僕:「これはどういう意味でしょうか?」
老人:「ラーメンに対する愛情の表現です」
僕:「ははぁー」
老人:「次に、箸の先を焼き豚のほうに向けてください」
僕:「ははぁーいきなり焼き豚から食べるわけですか?」
老人:「いやいや、この段階では触るだけです。 箸の先で焼き豚をいとおしむようにつつき、おもむろにつまみあげ、どんぶり右上方の位置に沈ませ加減に安置するのです。 そして、これが大切なところですが、この際心の中で詫びるようにつぶやいてほしいのです。 『あとでね』と」
度胸
マルちゃん
とうさん
『面白くて眠れなくなる数学』桜井進
おつりの計算法
342円のものを買うのに1000円を店員に渡した。 さておつりは?
「足して9の呪文」を使う。
- 342円の百の位の3に6を足すと9。
- 342円の十の位の4に5を足すと9。
- 342円の一の位の2に8を足すと10。
一の位だけ10になる数を探す。
答えは、658円となる。
桁が増えても幾らでもやり方は同じ。
(more…)【カラス】空中戦【トンビ】

よく晴れた日、草っぱらに寝転がって京の町屋の写真集を眺めていた時の話。 少し目が疲れたので空を仰ぐと、突如視界にカラスが入ってきた。 続いてトンビがやってきた。 どうやら両者はケンカをしているらしい。
トンビのほうが体が大きく優勢な様子。 カラスは下から突き上げられそうになり、思わず体を反らす。 すると今度は背後に回られ上から押し付けられそうになる。 防戦一方の展開だ。
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