『面白くて眠れなくなる数学』桜井進
おつりの計算法
342円のものを買うのに1000円を店員に渡した。 さておつりは?
「足して9の呪文」を使う。
- 342円の百の位の3に6を足すと9。
- 342円の十の位の4に5を足すと9。
- 342円の一の位の2に8を足すと10。
一の位だけ10になる数を探す。
答えは、658円となる。
桁が増えても幾らでもやり方は同じ。
10の数の足し算
連続する10個の自然数の和を求める場合、5番目の数の後ろに5をつければ答えとなる。
(例)15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
5番目の数は19なので、その後ろに5を足して195。 これが答え。
日本語による数式の発音の不備
- 数式 x+y=z
- 日本の読み方「エックス、プラス、ワイ、イコール、ゼット」
- 英語の読み方「x plus y equals z.」
日本語としてわかりやすく発音するなら「エックス、たす、ワイ、は、ゼット」
- 数式 a = b
- 日本語の読み方「エー、イコール、ビー」
- 英語の読み方「a equals b.」「a is equal to b.」
- 数式 nCr
- 日本語の読み方「エヌ、シー、アール」
- 英語の読み方「the combinations of n taken r」「the combinations n r」
日本語の読み方では「C」が何を示しているのか伝わらないが、英語では「C」が「combination」の略であることがはっきりわかる。
日本語は略してしまっている。
- 数式 Ak
- 日本語「エー、ケー」
- 英語「Capital A sub k」
日本語は音だけ聞くと「ak」「AK」「A(k)」と様々な解釈が浮かぶ。
- 数式 a ≦ b
- 日本語「エー、小なり、イコール、ビー」
- 英語「a is less than or equal to b.」
- 数式 f(x)
- 日本語「エフ、エックス」
- 英語「f of x」
日本の数学の教科書は、数式の読み方を指導することがないので、教師の独断 に委ねられている。
非日本語の記号の発音ルールが定められていない。
12の神秘
音楽は12平均律。 日本の伝統衣装十二単衣。 仏教の十二因縁。 1ダースは12。 時計は12時間で一周。 一年は12か月。 星座や干支は12。 ひとまとめになるところにはいつも12が現れる。
ピタゴラス音律
「ドソレラミシファド」これを踏まえるときれいな旋律の音楽を作り出せる
数学者コヴァルの名言
数学者の鉛筆には、顕微鏡よりもさらには望遠鏡よりも遠く深い世界が見えている。
その鉛筆にとっては、顕微鏡や望遠鏡に見えない原子も、もっとも遠い銀河星雲も手の届く世界なのである。
数学者 岡 潔の名言
数学の目標は真の中における調和であり、芸術の目標は美の中における調和である。
数学者 岡 潔の思い
私には日本民族がいま絶滅のがけのふちに立っているようなものとしか思えない。 それだけでなく、世界的にみても、人類は葬送行進曲を続けてやめないようにしか見えない。
そんな状態でなぜ教育のような迂遠なことを話すのかと思われるかもしれないが、この危険状態から脱するにはよく教育するしかないのである。
というだけでなく、日本の危機もまた教育、特に義務教育から来ている。