あさり狩り
あさり狩りを得意とする人物にあさりを狩るということはどういうことなのかを指導されながら家族4人で90分掘りまくった結果、想像以上の収穫があり驚いた。
砂だしを丁寧に行った後、自分たちでは到底食べきることができないのでご近所におすそ分けをした。 さまざまな調理法で2日かけて食べきったが、はっきりしていることは、「市販のあさりよりも味が濃厚だ」ということ。
なぜこれほど味が違うのか? その辺が気になって眠れなくなった。 さらにしばらくは腰痛に悩まされそうである。
チリンチリンアイス
長崎県の花は雲仙ツツジであり木はツバキである。 県の鳥はオシドリであり魚はブリ、タイサバ他である。 そういえば長崎は全国二位の海岸線の長さをほこる水産県である。
名産品でいえばちゃんぽん皿うどんカステラ他色々考えられるが、チリンチリンアイスをご存知だろうか。
チリンチリンアイスとは上の写真のような移動式のアイスクリーム屋さんであり、チリンチリンと金を鳴らしながら売ってるアイスだから、そのままチリンチリンアイスとなる。
長崎県内の観光地を歩けばまず目にするのがチリンチリンアイスであり、幼少の頃は見かけると反射的に購入したものだ。 たしか昔も今もひとつ100円だったと思われる。
大体5、60代のおばちゃんが店長(でいいのだろうか)の場合が多く、かといって男性の場合もたまにはあるのだが、それはともかく「イッコちょうだい」と100円手渡すと、熟練の技で巧みにコーンにアイスをヘラで盛り付けてゆく。 それを手渡されると売買完了となる。
甘くて、若干シャーベット状の風味が今でも思い出される。 真夏に買うと食べきる前に溶かしてしまい、手をベトベトにさせるヤツが仲間に一人はいた。 余裕カマしてコーンの底から食べ始めるヤツもいたようだ。
「チリンチリンアイスは長崎にしか存在しない」そんな話を聞いたのは成人してからである。 「だってさ、まさかー、んなこたない」なんて思っていたら、他県の人は口々に「無い」という。 チリンチリンアイスは長崎独特のものなのだ。
何故チリンチリンアイスが長崎にしかないのか? その辺にお詳しい方は是非ご一報ください。 肝心なアイス本体の写真は息子が速攻食ってしまったのでありません。
アジの干物襲撃事件
日曜日が快晴だということは天気予報によりわかりきっていた。
美味しい干物を作るためには魚が必要なのは当然のことだが、天候も重要だ。 やはりお日様の下で程よく干した干物には自然の旨みが宿るようだ。
魚は程よい大きさのアジで、土曜日に買っておいたものだ。 朝食の準備をいつもより早く済ませ、アジ30匹を一気に開いてしまう。 開いたアジをしばらく塩水に漬けておき、干し物用の網カゴに入れて干す、予定だったのだがその網カゴがしばらく使わない間に穴ぼこだらけになっていた。
おそらく近所のネコが空腹に耐えかねて魚の匂いの残る網カゴをかじったに違いない。 野良猫たちがゴミに出しておいた肉の匂いの残る食品トレイをかじりまくっている姿をたまに見かけるし。
とにかく網カゴは本来の機能を果たさないわけで使用する意味がない。 今の季節まだハエもいないし、ネコに食べられることさえ注意しておけば、丸のまま外に干しても大丈夫だろうたぶん、という判断から、一枚板にアジをズラリと並べて干すことにした。
ネコ対策のためにベランダの、ツルツルすべるサンルーフの上に板を置いた。 ツメが立たないのでネコは歩けないらしいのだ。
あとはただ、魚が乾くまで待つのみである。 時折様子をみて、魚の裏表をひっくり返したりして、今晩はアジの干物で一杯ヤルか、とか楽しい光景が思い浮かぶ。
ポカポカ陽気で気持ちがいいので、家の前で息子とキャッチボールをはじめる。 よーっしゃ、ナイスキャッチ。
カラスが隣の家の屋根からじっとこちらを凝視している。 「ワッ!」と声を上げると飛び去っていった。
キャッチボールの後はサッカーをし、ブランコに乗り、泥だんごを作り、折り紙をして、お絵かきをした後、ドラゴンボールZを見る。 あ、そうそう干物はそろそろ完成している頃だろう。 ベランダに向かう。 「!」
目が合った瞬間、カラスはできたばかりのアジの干物をくわえつつ、足でもう一枚つかんで飛び去っていった。 このカラスはさっき隣の家の屋根に止まっていたのと同じカラスかもしれない。 もしかするとオイに「ワッ!」と驚かされた腹いせにアジをかっぱったのかもしれない。 いやもしかすると隣の家の屋根に止まっていたときはもう、アジの干物を数枚アジトに運び込んだ後で「オマエの干物かっぱったんだかんな」とバカにしながら、冷めた目でオイたちを見下していたのかもしれない。
カラスはアジの干物も食べるのか・・・注意するのはてっきり猫だけだと・・・まさか空からくるとは・・・30枚が22枚に・・・ヤツは8枚も・・・オイと家族の・・・アジをっ!
ちゃんと作るとおもわずカラスも手が出る干物を家庭で作ることができる。 干す際は干し物用の網カゴ等に入れ、猫とカラスに注意しなければならない。
ハタハタの一夜干し
小包を開けると、冷凍の魚が山のように入っていた。
一枚の紙切れが同封されており「ハタハタの一夜干し。 揚げて食べてみるとビックリ(父より)」と書いてある。
送り主は父ではない。 何かを送ってくれるときはいつも「父より」とか「母より」とか「祖母より」とか「大臣より」とか書く人なのだ。 肉親ですらない。
そもそもハタハタという魚を見たことがない。 しょっつるの原料となる魚だということぐらいしか知らない。 しょっつるを買うことですら大変な苦労をしたことが昨日のように思い出される。 そんなハタハタの、一夜干しなのだ。
言われたとおり素揚げして、丸ごとかぶりついてみる。 ウマイ。 いや美味いと書きたい。 ホクホクホロホロとして身ばなれがよく、だからといって中骨は残すわけではない。 簡単に骨ごと食べれるのだ。 味は淡白の正反対で脂がのりまくっていると考えられ、甘く、ほどよい塩加減がそれをさらに増幅させている。
以前ししゃもを食べた時の感動を瞬時に思い出したが、互角、いやそれ以上の風味をもっていることはまず間違いない。 そりゃショッツルが美味しいわけだ。
スシメシ仕込みのオムライス
行きつけの寿司屋でバッテラの作りたてと一日おいてよくしまったのではどちらが好みかという食べ比べに没頭していたとき、女将さんがビニール袋を提げて後ろに立った。
「スシメシがあまっちゃったのよね。 持って帰って食べない?」という。
「あー恐れ入ります喜んで。 子供らに手巻き寿司作ってやります。 プロが作ったスシメシを頂戴できるなんて光栄であります。」
と答える。 女将さんがいうには、スシメシでケチャップご飯を作るとかなり美味しいらしい。 なるほど早く作りたくてウズウズしてきた。
早速帰宅し、頂戴したすし飯でオムライスを作ってみた。 これがまたマジで旨い。 ケチャップはご飯が色づく程度使用するだけでよく、なおかついつものケチャップご飯と比べて奥深い風味だ。 大皿にテンコ盛りで作ったスシメシオムライスは、子供たちにより一瞬で食べつくされてしまった。
自家製寿司を楽しみ、スシメシが余った際には次の日にでもケチャップご飯に活用することを是非、強烈におすすめする。
彼好みの居酒屋
「ほらウマイでしょこの白センマイ。 センマイ刺っつったら普通黒いでしょうが。 なんでこれは白いのかというと、一皮むいてあるからなのさ。 一皮むくことで、臭みがなくなっちゃうというわけ。」
「こうやって白センマイをつついて焼酎飲んでいる間にあそこで備長炭に火をおこしてくれているわけ。 見える? やっぱ肉は備長炭で焼かんといかんからな。」
「よーし炭きた。 さあ、焼け焼け。 まずはその豊満なミノを焼け。 いやまて、やっぱ肉はワシが焼くよ。 ちょっとでも間違うと大変な事になるからな。 あのさーよくいるでしょ、一緒に焼肉行ったらさ、来た肉来た肉全部一遍に網の上に広げてさ、せわしくひっくり返すヤツ。 あれ最悪なんだよな。 肉は食べる分ずつ少量を網の上に置いて、愛情込めてじっくり焼けよって言いたいんだよ。 そう、こんな感じに。」
「うーんやっぱここの肉はウマイな。 全部もう一皿づつ注文しようか? 何々? もう腹いっぱいだって? 焼酎ロックをガブガブ飲みながら肉食ったから脂肪分がどうやら胃の中で冷え固まって重いだって? んなこたないよ、まだまだこれからだよー。」
「おーい、ハゲの兄ちゃん(店員を呼ぶ)」
「あのねー、いつも来てくれるのはありがたいんだけどオレはハゲじゃなくて坊主ですから(店員答える)」
「そんなのどっちでもいーよ。 今日持ってきたドラ焼き食べた? あれウマイんだからさ、裏でちょっとつまんでくればいいじゃないの。」
「いつもスンマセン(店員答える)」
「で、今日も特別飲み放題プランでオッケーなの? 3,000円で、飲み放題。」
「うーんでもね、大将に聞いてみないとちょっとわからないんですよ(店員答える)」
「んな固いこといわなくてもさ、いーでしょうが。 毎日来てるんだしさ。」
「ですよねぇ。 ハイ…わかりました(店員答える)」
「うっはー今日も飲み放題だ! さあ、どんどん飲んで。 何? 肉がつかえた? 何言ってんのー夜はまだまだこれからでないの。 この店のね、自家製酒盗がウマイんだから」
「おとといはね、よその店で軽く飲んだあとに来たらさ、もう閉めてやんの。 だからさガラガラって開けてさ、中に入ってみたらハゲがウマソウにまかない食ってやんの。 その横でさ、朝まで飲んだの。」
トイレに立った際に坊主の店員さんと少し話したところ、彼は二十日連続でこの店に来ているのだとか。 相当この店が好きなんだということはよくわかった。
スナズリの刺身
生産者市場にハマっている。
生産者市場では余分なマージンがないためか、かなり格安で食材を調達できる。 ハリがあって極太の長ネギが束になって150円だとか、想像を絶する大きさの、重たい白菜が80円で売られていたりする。
トマトも安いし、ブロッコリーも安い。 みかんも安ければレモンも安い。 「安いし物がイー!」と嫁は山のようにカゴに野菜たちを放り込んでいるのだが、一体これらを何日がかりで食べきるのであろうかと心配していた矢先、スナズリの刺身を見つけた。
生産者市場には、野菜だけでなく肉や魚だって売っているのだ! すごいのだ!! スナズリの刺身なんてなかなか売られていない。 見た目も美しいし、1パック買ってみようか。 いやしかし安いな、これは2パック買っとかんばいかん。
山葵醤油で食べたりもしたが、やはり胡麻油と塩が合うようだ。 臭みもないし、食感がイイネー。 「これ2パック全部出したの? ちょっと多いような気がする…」「いんや、1パックだけよ」嫁。
うーんならばきばって食べねばいかんということで次々に口に運ぶも、なかなか減らないし。 これ、ちょっと多すぎないか? 食べきれんよ。 結局1パックすら食べきれずに、残りは次の日サッと炒めて食べた。 できればもう半分の分量で売ってくれれば、毎日でも買いに行くんだけど。 なんなら値段はそのままでもいいから。
マカダミアナッツ
ついに空になった。
いつのものかも知れない、頂き物のマカダミアナッツの缶が目に入り、何となく開封し、何となく一粒つまみ、何となく口に運ぶ。 何気にボリボリ噛み砕き、また一粒つまみ今度はやんわりと噛み砕いてマカデミアナッツの「カシュッ」という食感を喜び、さらに一粒つまんで口の中に放りこみ、今すぐにでも噛み砕きたい衝動と戦いつつ一体どのくらいの間噛み砕かずに口の中で転がしていられるかという挑戦をはじめたものの、すぐに心が折れて噛み砕いてしまったとかいう風にマカデミアンナッツを存分に堪能していたところ、いつの間にかひと缶全て、食べつくしてしまった。
結構カロリー高いしもしかするとハナジが出るかもしれんとかいう話もよぎったが、それでもなお食べ進み、食べ尽くさせる魅力がマカダミアナッツにはある。 なんなら今からすぐに玄関を飛び出して買いに走りたいくらいに魅力的な食べ物だという気持ちが現段階ではある。
じゃがちゃん
どうしてこれほどまでも、じゃがちゃんに惹かれてしまうのかはよくわからんが、とにかく千々石観光センターの前を素通りしてしまうのではなく、車内からすでに150円ポケットにつっこんでおき、駐車場に車を止めたらすかさずドアを蹴り開けて、じゃがちゃんと大きく赤文字で書かれた看板を目印にダッシュし、目の前のおばちゃんもしくはおじさんに「何本?」と聞かれるので「じゃ、じゃ、じゃがモゴモゴひとつ」と尻つぼみにボソボソとこたえて茶色い紙袋に入れられたじゃがちゃんをかかえてダッシュで車に戻り、紙袋からじゃがちゃんを取り出し、エンジンを始動し、運転しながらアツアツ揚げたてのじゃがちゃんをほうばる。
じゃがちゃんはジャガイモに塩味でどこか甘い衣をまとわせてカラリと揚げたもので、長崎人ならば大体皆知っていそうな名物である。 ひと串に2個のじゃがちゃんが刺さっており、いや、その2個のじゃがちゃんと串もひっくるめてじゃがちゃんなわけだがとにかく是非一度、お試しあれ。
※2本買うならば300円ポケットにつっこんでおいてください。 安全運転を心がけましょう。
ミシュランガイド東京
「そ、それはミシュランガイド!」
飲みにいった際に知人がもってきてくれたものだ。 へーえと関心ありげにパラパラとページをめくってみる。
昨年11月に発売されたミシュランガイド東京については以前から気にはなっていたのだが、長崎在住でありながら東京のお店のことをどうこう言っても仕方がないでしょうと考え、手を出さずにいたものだ。
「オイ、この中で行ったことある店ある?」とイヤミな聞き方をする関東在住のこの男は酒が入るにつれて自分が行ったことのある店を誰も頼んでいないのに紹介し始め、あそこはどーとかこうとか、色んなウンチクを語りだす。
挙句の果てにはミシュランガイドそのものにも注文つけはじめ、あの店のことを書いているこのページのコメントは妙だ、とか断言する。 このときの覆面調査員はフランス人であり、彼の感想を日本語に訳した人が勘違いしているのだこの部分は、とかいう。
オイは酒を飲みながらミシュランガイドをめくるのがすきだ。 その店に行ったことがなくたって、そもそも行く予定がなくたっていい。 ああ、あの有名なお店はこういう店なんだ、とか感心したりする。 帯を読んでみると、
世界中のミシュランガイドで初めて、掲載されたレストランすべてに星がついたミシュランガイド東京。 世界最多となる191個の「ミシュランの星」が東京に輝いているのです。
とある。 ミシュランでは各店の美味しさを「星の数」で評価しており、星の数は1から3まである。 3つ星が最高評価であり、3つ星を与えられた店は多くの来客を見込めるようになったり、オーナーやシェフがマスコミに取り上げられるようになったり、食品、食器メーカーのスポンサー契約なども見込めるそうな。 もうウハウハなわけだ。 一方評価を下げられたことを苦にして料理人が自殺したことがあるという噂もあるらしい。
このようにミシュランといえば「星」なわけだが最近ラーメン屋で読んだ雑誌「一個人」に耳寄りな情報があった。
星の数だけではなく、「スプーン/フォークマーク」に要注目ということらしい。
スプーン/フォークマークは何を表しているのかというとその店のサービス、雰囲気、快適さである。 5段階評価があり、「適度な快適さ」から「豪華で最高級」まである。
ミシュラン東京では3つ星を得ているにもかかわらず、スプーン/フォークマークが1つという店があり、これはミシュランガイドの歴史始まって以来のことらしい。 気軽に出かけてみたいお店を探すには、スプーン/フォークマークが1つの店を目安にするという活用法もある、とのこと。
さてこの知識をいったいいつ使うのか、というのが問題ではあるが。