三ツ星だったはずのあの店
歩いていると、たまたまあのラーメン屋に出くわした。
赤いどんぶりと、白いどんぶりがあり、赤がこってりで白があっさりめだとかいうあのお店で、昔よく本店にかよったものである。 そうだな、たまには悪くないかも。
そのラーメン屋を発見することができたのは行列のおかげで、いまだに行列ができるほどの人気であることはたしかだ。 10分程度待っている間に、赤いほうのチャーシュー麺を注文し、店内へ。
テキパキ動く女性スタッフ皆感じがイイ。 「ありがとうございまーす」なんて甲高い声が飛び交う。 接客態度も万全。 さすがは名店である。 いやでも待てよ、スタッフの中に新人がひとりいるな。 動きがぎこちないし、時折麺の固さの注文を間違えて、客からクレームをつけられていたりする。 いや大目にみてやれよしかし。 あ、チャーシュー麺がきた。
そうそう、こんなラーメンだったよね。 どりどり、まずはスープをすすって・・・・、アレ? こんな味だったっけな?
想像していた味よりもかなり落ちる味だったことに驚きを覚え、何かの間違いだと自分に言い聞かせるように一玉目の麺を食べきり「替え玉」。
醤油ダレを注ぎ、二玉目の麺をススル。 なんだか麺までもが、以前よりもずいぶんマズくなっているように感じられる。 うーん納得できない。 もういっかい「替え玉バリカタ」で。
三玉目はじっくりと時間をかけて、味わってみたが、やはりなんだか口に合わない。 いわゆるひとつのマズいというものだこれは。 てんでイケナイ。 これはオイが年を重ねてきて味覚が変わったのかも知れんし、その店の味のレベルが落ちたのかも知れん。 とにかくこの店には金輪際もう行くことはないということはたしかだ。
ラーメンの味以外はこれといって文句はないが、ひとつだけ気になったのは、どんぶりについて。 赤いどんぶりが、年月をかさねて酷使されていくうちに、その赤が所々はげてきている。 そのはげかたは、はっきりいてあまり清潔な印象を与えないと思う。 これだけは新しいものに替えたほうがよいかと思われる。 店内には、赤いどんぶり、白いどんぶりがオブジェとして飾られているわけだが、そのどんぶりは、まったく新しいものである。 どうせどんぶりを飾るのならば、いまお客にだしている年季のはいりすぎたどんぶりのほうが、これまでのお店の歴史を感じさせる効果もあり、美しくもあると、思ったりもするのではあるが。
個人的に「三ツ星」だったこのお店の評価は落ちた。
そうそう、三ツ星といえば、あのミシュランの東京版が今年の11月(だったかな)に刊行されるのだそうな。 そのレッドガイドブックの起源は、タイヤメーカーであるミシュランの創設者であるミシュラン兄弟が、モータリーゼーションの時代が到来することを確信し、同社の製品の宣伝のためをかねて、ドライブする際に有益な情報をユーザーに提供するためのガイドブック作ることを思いつき、無料で配布したのが始まりである。(と、辻静雄氏の本で読んだようなきがする)
すんごい楽しみな話である。