いなごの佃煮
鮒鮨(ふなずし)
何度つまんでも飽きのこない酒肴を挙げよ、と聞かれたら迷わず「鮒鮨!」と答えるぐらいフナズシのことを愛している。
(more…)寒ぶりのはらご
2月頃のことである。
魚屋の店先に巨大なブリの腹身が横たわっていた。 その脂身のキラメキからすると、たぶんおろしたてなのだろう。 この季節、まさに寒ブリでないの。 ちょっと大きすぎるけど、ええい買ってしまえ。
(more…)鯛の中骨にあるコブ:鳴門骨?
しゃぶしゃぶのハズが・・・
しゃぶしゃぶで飲んでた。
カミさんは次男と次女を連れて友達に会いに行っている。 家に残るのはオイと長男、長女の3人である。 2人は早々に夕食を済ませ、好きなことをして遊んでいる。 オイはようやく席につき、とりあえずオクラの天ぷらでビールを飲んだ後、しゃぶしゃぶにとりかかったところだった。
(more…)マグロん目ん玉
買い物中、見慣れぬ冷凍物体があった。 手に取るとそれはマグロの目玉だった。 2個入りで200円。 買うしかない。
(more…)さだおさんのササミ
さだおさんのササミを食べているところだ。 トリワサみたく半生に茹でたササミに醤油、オリーブオイルをたらしてつまむ。 もちろん旨い。
次は同じように茹でたササミに溶かしたバターをかけ、醤油で食べる。 合う。
胡麻油なんか合わないワケない。 ほらやっぱり。
ラー油たらしてもイケるハズ。 当然。
わさびマヨネーズ、マヨ醤油、ポンヅ、塩、ユッケ風、何で食ってもササミは旨い。 何もつけなくてもパサパサのところをずっとかみ締めていると味がある。
はじめ2つの食べ方は、東海林さだおさんが「ホルモン焼きの丸かじり」に書いてあったもので、さだおさんのササミとは、何か特別な鶏ではなく、新鮮な普通の鶏だ。 ただ食べ方が、さだおさん風だという話。 食べている間にイロイロ試してみたくなって。
たません
店はたしか「ふくちゃん」ていう名前やった。
いや、オイたちが勝手にふくちゃんて呼びよっただけで、正式な店の名前は今となっては思い出しきらん。
そん店はいわゆるお好み焼屋で、なんで「ふくちゃん」て呼ぶごとなったかていうと、当時同級生におったふくちゃんに店主の顔のそっくりやったけんさね。 ヘルメットばかぶったごたる髪型で、ヒゲのものすご濃かった。
ふくちゃんの店主は年中同じエプロンばしとってから、服もいつも同じやったごたる。 昼間から焼酎かなんかアルコールば飲みよったとさねえ。
ふくちゃんの名物は100円お好み焼きで、これが近所の子供たちに大人気やったとさ。 たいした具は入っとらんとばってんがさ、その100円ていう値段の安さが魅力やったとさ。
先日ふくちゃんのあった場所を通ると駐車場になっていた。 あのおじさん、今頃どうしているのだろうか。
上の画像は何を作っているのかというと、たませんである。 たませんを作っていて、小学生の頃に通ったふくちゃんを思い出したのだ。
「たません?」という方にご説明しよう。 たませんとは、名古屋のコナモノで、駄菓子屋とかで売ってる丸いエビセンベイやタコセンベイでとんぺい焼きみたいなのをはさんだものだ。
野瀬泰申さんの「天ぷらにソースをかけますか?」にあった。 かつて名古屋の駄菓子屋さんには必ずといってよいほど存在した食べ物で、現在でも一部のお好み焼き、たこ焼き屋ではメニューに組み込まれているそうだ。
作り方は次の通り。
たませんの作り方
- 鉄板の上に卵を割り落とし、あえて黄身をつぶす。
- 卵の上にタコせんべいをかぶせるか、せんべいの上に卵をのせる。
- 鉄板からおろし、ソース、マヨネーズをかける。
- 何か具があれば卵の上にのせる。
- たませんを半分に折りたたんで完成。 店によってはこれをアルミホイルに包んでくれる。
と、ある。
現物を実際見たことも口にしたこともないのでよくわからんが、完成したのはこれ↓
アツアツにかぶりついてみると、パリパリだったせんべいがクシュリとしていてマヨソースに合う。 ネギを具にしたがそれとも合う。 そういえば昔駄菓子屋に「お好み焼きせんべい」というお菓子があって、たしかそれにはソースの小袋がついていた。 子供ながらに「せんべいにソースって・・・」と思っていたが、食べる時は必ずたらしたものだ。
たませんは瞬く間に胃の中へ。 子供にもウケがよかった。 ビールにもよく合った。 本物のたませんを是非食べてみたい。
大失態
カラスミを作ろうと当てにしていたボラの真子が手に入らなくて残念でならない。 他の魚の真子で作るというテもあるが、それらの真子にすら縁がなかった。
そこでおもいきって正月用にカラスミを買ってしまった。 正月ぐらい贅沢せんといかん。
と、いうように、毎年、正月用にと、師走になると色んな食材をせっせと買いこむが、結局、晩酌しているうちに、買いだめしたそれらのことが頭からはなれず、ちょびっとだけ、ちょっとぐらい味見してもよかろう、で食った、やはり美味、こりゃ正月が楽しみだ、大事にしまっておこう、でもあとちょっとだけ味見、旨!またちょっと、ちょっと、がぶり、むしゃむしゃ、グビグビ、ああ、全部食っちゃった・・・というようになってしまうのだ大体。
正月用のカラスミを開封し、正月用の大吟醸を開け、カラスミ用のまな板を取り出し、スライスしながらチビチビやったらもう幸せというかなんていうか・・・これもひとつの正月なのだ。 正月には片腹だけ残しておけば十分だろう。
娘がツカツカ歩いてきたので酒のせいで気持ちが大きくなってしまったオイは自分が食べる際の倍の厚みにからすみを切り、差し出した。 イクラも大好きチーズも大好き生ハムも大好きな将来酒飲み必至の娘はそれを自動改札から飛び出した切符をチャクリと取るように自然な動作で受け取り、かじりながら絵本棚へ向かった。
「このからすみ、おいしかねー!」という声が聞こえてくる。 あたりまえだ上等なのだ。 しばしカラスミで至福の時を味わう。
「ねー、まだー」と息子の声。
いかんいかん、大事なことを忘れていた。 今日は9時から「ふたご座流星群」を観察する約束をしてたんだった。 もう一枚だけからすみをかじり、酒を空け、包丁をしまい、モンクレーを着込んでマグライト片手にベランダへ躍り出る。
見上げると星がテラテラしている。 流星でなくとも美しい。 今日は天気もよかったし、間違いなく流星を見ることができるだろう。 運がよければ1時間に50個ぐらい見ることができるかもしれないという話。
長男、次男と並び体育座りして夜空を見上げること15分。 ひとつめの流星を見てしまった。 流星ってこんなに長く光るものだったっけ。 素晴らしいなあ、こんなんタダで見ることができるんだ地球って。
その後約1時間、しまいには3人川の字に寝転んで流星群を楽しんだ。
さあ、明日も早いしもう寝よう。
急いで寝る支度をさせる。 娘たちはもう寝てしまっているようだ。 オイも昆布を水にほうりこんでから寝るとしよう。
とキッチンに向かう途中で思わず目をそむけたくなるような光景を見てしまったのだ。 からすみが・・・。 流星を見すぎて目がおかしくなったのではなかろうかとはじめ思った。
からすみが激減している。 しかもこれはかじりとった後のようだ。 この歯形からすると犯人は相当強いアゴを持ちかつコンパクトな口をしているハズ。 前歯でかじったのではなく、犬歯で横からむしりとったものと思われる。 それは周囲を警戒しながらカラスミをかじったからに他ならない。 犯行時間は席をはずしていたここ1時間ばかり。 少しずつ、一枚一枚紙のように切り分けてから堪能していた大事なカラスミを一体誰が・・・。 以前手作り唐墨を干している最中猫にさらわれたことがあったがあいにく室内だ。 うちにネズミ他小動物はいない。 犯人は・・・。
犯人は娘に間違いない。
流星群を見ようとあわて、包丁をしまったまではよかったのだが大事なからすみをまな板の上に置き去りにしてしまった。 見終わってからもう少しつまもうという魂胆がオイの中にあったのかもしれない。 無防備なカラスミを見逃さなかった娘はオイが帰ってくるのを警戒しながら気の向くままに思いっきりカラスミをかじったのだろう。
すぐに寝室に向かい娘の口元を見る。 何の形跡もない。 歯をみがいて証拠を消したのだろう。
年末にして今年最大級の失敗をやらかしてしまったのだった。
今朝カミさんに聞いてみると、本件にはまったく気づかなかったとのこと。 あ、そういえば娘やけにウロウロしていたな今思えば、という新証言がでた。 ウロウロしながらスキを見て豪快にからすみをかじり取ったのか娘よ。
自分からは聞けないから今度サンタに聞いてもらおう。
〆さんまを押し寿司に
魚屋で「キズもの」のサンマが盛りで売られていた。
目がきれいで口先は黄色く、カラダは輝いていた。 まぎれもなく鮮度のよいサンマだ。
パッと見、どのへんがキズものなのか、わからない。 よくみると、皮や腹が少し破れている程度。 食べる分にはまったく問題がない。 だのに激安とくれば買わずにはいられない。 一山買って帰る。
炭火で塩焼きにすると脂がしたたり落ちてジュウジュウいう。 たまらん香りもする。 カボスを絞り込んで腹からかぶりついた。
日本酒を呑みながら刺身でつまんだ。 明日の朝食用に甘辛く煮付けた。
それでもまだ、さんまは山ほど残っている。
食べきれそうにもないので、シメサバならぬシメサンマを作ることにした。 三枚におろし、中骨はつけたままでも問題はないと思ったが、子供たちも食べるのでやはり取り除くとこにした。
脂の乗った魚はどう食べても美味しい。 〆サンマは素晴らしかった。 あまりにも大量に作ってしまったので、近所におすそ分けをした。 それでもまだ消費しきれなかったので押し寿司にした。
スシメシが上手に炊けたこともあり、さんまの押し寿司も大成功だった。 子供たちは手づかみでワシワシ食べている。 オイは切り分けた押し寿司を炙ってつまんだ。 どうやっても旨いものは旨いもんだ。