鯛の中骨にあるコブ:鳴門骨?
いつものように鯛を腹側から三枚おろしにしていると、ありえない所で包丁が引っかかった。
「なんでー?」と包丁を一旦抜いて、身をめくって確認すると…
腹側の骨に、コブがふたつ出っぱっていた。 写真はその骨を煮出してダシをとり、味噌汁を作っているところ。
個人的な経験によると、10枚鯛をおろせば2枚ほどの割合で、コブ付の骨を持つ鯛がいるようだ。 「どうしてコブのある鯛がいるの?」 その理由は魚屋にも漁師にも分からない。 それにしてもとにかくおろしにくいったらない。
手許の『魯山人味道』にこう書かれていた。
たいについて、京都、大阪で、子ども時分から聞きこんでいることは、玄界灘を越してきたたいでなくては美味しくないということだ。 玄界灘を通過してきたたいには、その骨にイボのような珠みたいなものができていると聞かされた。
魯山人のいう珠は今回のコブにあたるのか? そしてこの話が真実なのかを是非知りたい。 旨かったなあ味噌汁。
追記:鳴門骨
先日SNSでこのコブの事が話題になっており、読めば「鳴門骨」という名で説明されていた。 鳴門の激流を渡った鯛は、骨が疲れてコブとなるとかならないとかで(2018/06/25)。
追記:鼻に角
ドナルド・キーン氏の『二つの母国に生きて』を読んでいたら谷崎潤一郎氏の美食ぶりを語る部分に行き当った。
ある時みごとな鯛が食卓を飾ったが、鳴門の渦を通った証拠として鼻に小さい「角」があった。 四国にいる谷崎文学の愛読者からの贈り物であった。
2018/08/18追記
鯛のこぶについて書いている本があります。こぶが出来る過程を詳しく書いているわけではありませんが、やはり玄界灘越えに関係するようですね。不思議です。
光文社文庫 勝見洋一著 「恐ろしい味」
第一章「桜鯛の花見」の最後のあたりです。
この方の本、食べ物に関しての記述が只者じゃ無いです。Amazonで大人買いしちゃいました。
では、また。
早速『怖ろしい味』を購入しました。 ワクワクしています。 心から感謝いたいます!