アミの塩辛の真実
アミの塩辛は誤解されている。
キムチの漬け材料としては有用であるけれど、ひとつの食品としては低く見られている。
理由は簡単で、そのまま食べても塩辛いだけで美味しさがないからである。
でもそれは、間違っている。
アミの塩辛は、買ってきてすぐ口にしてはいけない。 ずばり寝かすのだ。
売られている以上、賞味期限が記されている。 でもアミの塩辛の真実を知るためには、期限内に食べるのは実にもったいない事なのだ。
これはメーカーの問題でもある。
塩漬けのアミを馴らす事をせず、即出荷しているからこうなっているワケで。
本来ならば、イカの塩辛同様、熟成させてから出荷するべきなのだ。
私はアミの塩辛を冷蔵庫に常備しているが、ある時この事実に気づいてからは、賞味期限を無視するようにしている。
つまりアミの塩辛を買ってきたら、冷蔵庫に入れたまま賞味期限が過ぎてもずっと、まず寝かすのだ。 するとどうだろう。 単に塩辛いだけだったアミが、見事に旨味を帯びてきて、味が丸くなる。
できれば三日に一度、かき混ぜながら寝かすのが理想。
炊きたてのご飯に乗せて頬張ると、イカの塩辛では太刀打ちできない妙味がある事を体感できるハズだ。
もっとも、アミの塩辛を買う際は次を注意してほしい。
世に流通しているアミの塩辛の半分は、本来不必要な添加物がごっそり入れられたものだという事。 こういう元からダメなものは寝かせても一層不味くなるだけで成長はしない。
見た目からは判断できないので、しっかりと裏貼りを見て、原材料欄にオキアミと塩。 このふたつだけを使っているものを求めるように。
タプナードなんて、アミでこしらえ「アミナード」として売り出せば、どこかの名物にもなりえる逸材だと、私はこの塩辛について考えている。
塩辛とは
細菌増殖の原因である水分活性を落とすために高濃度の塩分で処理するもの。
塩辛を寝かす事による効果
タンパクが分解されてグルタミン酸(旨味成分)の濃度が上昇する。
一方組織の崩壊により水分も流出する。 よって上に書いたよう、最近が増える原因となりえる為長期保存する場合は蒸発させる等して水分を除去する必要が生じる。