塩鯖 | レシピクエスト1
瞳をとじて?
宮崎地鶏専門店で飲むという。 よほどの事が無い限りハズれないジャンルであり、なおかつ赤坂だということで、田舎者は大いに張り切った。 店の前に着き、白字に黒文字の質素な看板をしげしげ眺める。 どこか気品があり期待が高まる。
ドアを開くと、けたたましいBGMが鳴り響いていて思わずたじろいだ。 間髪入れずに店員がドスのきいた声で「いらっしゃませぇ!!」と一礼。 予想だにしなかった展開。
BGMはよく耳をすますと「平井堅の瞳をとじて」である。 だが大音量のため音が割れている。 いやまてよ、歌っているのはどうやら平井氏ではない様子・・・こりゃ素人の歌声だ。
(more…)近況121108
ちゃんぽん
長崎は三重にあるちゃんぽん屋「セイラーマン」に行ってきた。 店の存在自体は以前から知っていたものの、入ってみる機会がこれまでなかった。
正直、あまり期待はしていなかったのだが、この店のちゃんぽんはかなり高レベル。 長崎市中心から少し離れてはいるが、観光客の方々にもオススメできる味。
(more…)十月をふりかえり
慌ただしかった十月の回顧録を。
なじみのお茶屋へいつもの知覧茶を買いに行った。 店主のおばさんは「やっと新茶の季節になりましたよ、ようやく」と三度繰り返した。 大事に飲ませていただきます。
続いてスーパーへ向かい献立の材料を揃え、レジの大行列に並び、ようやく自分の番が来たと思えば「ちょっとカゴを取ってきます」とレジさんはその場を離れた。
「カゴならレジ横に山積みされてるじゃないか」と内心思ったのだが、カゴの束を持ち戻ってきたレジさんを見て納得。 決済前と決済後の商品を入れるカゴの色が違うのだった。
確認をとってみると、やはりそのような取り決めがあるそうだ。 もう何年もここで買い物していてまったく気がつかなかった。
(more…)おいしい、広島。
広島で遊んできた。 昼間はあちこち観光し、何しろ夜が楽しいったらない。 お好み焼きはもちろん食べてと、あとは地元在住ガイド役の友人に案内してもらった。
「川せ」という飲み屋街の真っ只中にある割烹屋は、若店主が繰り出す料理が実直で、ズラリ揃えられた広島の酒とよく合い、閉店時刻までまったりしてしまった。
昭和33年創業のホルモン専門店「利根屋」は強烈だ。 以前『酒場放浪記』で紹介された店で、たまたまそれを観ていて一度行ってみたいと思っていたのだ。 入店してすぐオカミさんにそう伝えると「じゃあ吉田さんが食べたのと同じものを出してみましょうか?」と訊かれたのでそうした。
(more…)台風第16号 :サンバ
「最大瞬間風速80メートルだってああ怖い、避難しよう」といつものように反射的に娘たちを連れそそくさと実家に帰ってしまった嫁。
「80メートルってこたないだろう」と予報を見ると、確かにその文字が。 普段「最大風速」は気にしても「最大瞬間風速」は気にしないもので、これがいったいいつもの大型台風とどれぐらい規模的に違うものなんだろう・・・と悩んでいたところ「今度の進路は長崎的に最悪コースばい」と語る町の長老のひきつった顔を見て、急いで雨戸を閉めて回った。
(more…)カスピ海ヨーグルト
朝食時、子供たちにヨーグルトを食べさせるようになり数年になる。 旬の果物の上にヨーグルトと、ハチミツをたらす。
気分によりヨーグルトとハチミツの種類を替えるのが作り手としての楽しみであり、何か珍しいヨーグルトはないものかとデパートをうろついていて見つけたのが、手作りカスピ海ヨーグルトのセット。
(more…)キー坊
友人一家が遊びに来ており、みんなで晩餐中である。
友人の息子二歳(以下キー坊)は「ウマー」と言いながらしきりにエビフライにかじりついている。 が、用意しているタルタルソースをつけて食べるのではなく、アジの煮つけの煮汁に浸しながらかじっている。
こりゃ新しい手法だと感心していると、彼が旨いと言っているのは、実はエビフライそのものではなく、魚の煮汁であることが判明した。 その証拠に、エビフライはちっとも減らないのだった。
よく見ると、煮汁にエビフライの先をチョコンと浸し、それにかぶりついて汁をチューチュー吸っている様子。 どうあれ、新しい食べ方をする子である。
食事が済むやいなや、キー坊は父親の所へiPhoneを借りに行き、ひとり寝転んでアンパンマンを見始めた。 これが夕食後の習慣であるらしい。
驚いたのは、そのiPhoneを操る手つきのこなれ具合だ。 二歳なのに、ふてぶてしさすら垣間見える、大人顔負けの、iPhone5が発売される事なんて、とっくの昔に知ってる風の手つきだった・・・。
トカモツカワレルンデスカ
久しぶりに家内と二人で買い物に出かけた。
腹ごしらえの後いざ買い物へ。 この買い物に付き合わされるのが苦痛なので同行したくないのだが、ポーターとして駆り出されてしまう。
相変わらずひとつの買い物が長い。 物を買いに来たというよりも、店員さんとおしゃべりをしに来たというほうが妥当。 まだ長引きそうなのでここはひとつ、ちょっとその辺をお散歩に…。
セレクトショップの店頭に別注スニーカーとやらが置かれてあり、やけに発色が良かったのでつい近寄って手に取った。 ためつすがめつしていると、奥から店員さんが近づいてきた。
店員氏:「スニーカーとかも履かれるんですか?」
若い男性店員は爽やかな笑顔でこう尋ねながら、やや腰を落として両腕をハの字に開き指先をピンと伸ばして掌をこちらに向けて頭を20度向かって右に傾けている。
「ええまあ(履かなさそうに見えるのかな)」
(more…)ブドウ狩り
毎年九月に入ると、子供たちの通う保育園ではぶどう狩りに行く。 それをいつも次男は楽しみにしていて「ぶどう狩りに行くけん水筒よういしておいてね」とか「いっぱいとってくるけんね」と張り切っているのだが、今年は天候に恵まれず延び延びになっていた。
先日ようやく行くことができ、丸々したぶどうを三房もいで帰ってきた。 夕ご飯を食べた後、皆でぶどうを食べるんだと冷蔵庫のドアを開け、椅子を引いてきて、棚の一番高いところに自ら仕舞った。
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