田植え
久しぶりに晴れたから、朝から車を走らせて、空気の旨いところを散歩することにした。 次男は誘わなくてもついてくる。
一面広がる田んぼに、人影がちらほら。 これから田植えをするらしい。 これは見ものと土手に腰掛け、早くも風呂敷を広げておにぎりを取り出しムシャつきながら、見学をはじめた。
しばらくすると、田植機がやってきた。 前輪はフリスビー、後輪はフラフープ大。 テケテケエンジン音を響かせながら近づいてくる。
軽トラの荷台には人工芝のように鮮やかな青をした苗がロールケーキみたいに丸められて積まれており、それを田植え機にセットして、いざ入水。
後部にカマキリの腕っぽいのがズラリついており、それがチョイチョイ苗を差し込んでゆく。 そのリズミカルな動きにしばし見とれる。
田んぼの隅は、機械が入らないので手作業で植えるらしい。 その光景も食い入るようにみつめる。 「やってみる?」と聞かれた次男は「はい!」と即答し、人生初の田植えを経験した。
今は機械があるから本当に楽だけど、昔は学校が終われば田植えに駆り出され、だだっ広い田んぼ全面にひとつひとつ、手で苗を植えていたのだとおじさんは言う。 腰が痛いどころではなく、下半身の感覚がなくなる程の重労働だったのだとか。
帰り際に苗を一束いただいた。 これをバケツで大事に育てれば、ちゃんとお米が収穫できるらしい。 稲穂がたれるのを待ちわびている日々。
田植え前後では、おにぎりの味が全然違うと、次男。