ぶら下げては
朝ゴミ捨てに向かっていると、近所のおじいさんが両手にゴミ袋をさげてヨロヨロ歩いてきた。 手を貸すと「すまんね」とおじいさんはつぶやいて、ゴミのひとつをオイに渡した。
ボーリング玉でも入っていそうな、肩が抜けるほど重たいゴミだったので、一体何が入っているのか尋ねようとしたところ、おじいさんはもうひとつのゴミ袋を道端に残して去って行った。
仕方がないので置かれたゴミ袋を拾うと、これがまた漬物石がゴロゴロ入っていそうなほど重たかった。 3つのゴミ袋をさげ、釣り合っていない天秤みたいになりながら、ゴミ置き場までようやくたどり着いた。
「朝っぱらから汗だくだよまったく」なんて言いたかったが、近頃はもう、朝夕涼しい。