ボラヘソ
なじみの料理屋でハラカワのことを絶賛していたら大将の目が怪しく光った。 うらやましがられたのかと思いきや「へーえ」という精気のない相槌をされ、「まだまだだな、オイよ」と言わんばかりに見下された。
だって喰ったことなかとやろうもん。 その態度、どがんなっとっと!と突っ込んだら、ガサゴソとカウンターの下をまさぐって袋を取り出した。
中から出てきたものは、見覚えのある物体なのだが、なぜこんな姿になっているのかが皆目見当がつかない。 カラスミの一部なのだ。
カラスミの下の部分、ちょうどボラの腹と卵巣が接する部分だけが袋一杯詰められている。 カラスミは、あの美しい形も味のうちである(参考:?)。 それをなんで切り落としてしまったのだろうこの人は。 飲みすぎてついにおかしくなったのではなかろうか?
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