たぶん何かの味方で

仕事帰りにビアバーが目に入り「一杯やってくか」とツレにめくばせしたら向こうもその気だった。
全国各地に支店のある有名店である。 これまで数えきれないくらい飲みはじめの一杯を世話になってきた店だ。
ビアバーだもの、ぜひカウンターに着きたい。 そしてサーバーから注がれてゆく黄金を、まじまじと観察していたい。
相変わらずにぎわっている。 スタッフのマナーもすこぶる良い優良店。 カウンター内には注ぎ手が三人いる。 その中に、あきらかにひとり異質の空気を放つ男がいた。
率直に言うと店のカラーと合っていない。
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