こいがオイたい
先週開催したオフ会については後日書くけんね。
今回参加者の方より助言いただいたとは、ぷちぐる当初の長崎弁での記事ばまた見たかていう話やった。 当時どうして方言で記事ば書きよったかて言うたら、そのほうが面白かかな、っていうたったそんだけの理由やったとさね。
そこでひと月に一回程度は、フル長崎弁で何か書き残しておこうと思い立ったワケさ。 そしたら何ば書いてみようかなあ……。
古か良か酒場
人形町の酒屋で買い物ばした帰り道、角地にいかにも昭和然てした居酒屋ば見つけた。 この好立地に一体いつからあるとやろうか? 某日本酒銘柄の記された白い看板には、筆文字で雄々しい店の名前のほぼ余白なしで書かれとる。
入ってみらんワケなかたい。
すりガラスのはめられとる引き戸ば開けば、店の形にまんま沿っとるカウンターの寝転んどって、ズラッとお客さんの並んで飲みよった。 一見すると満席のごたったけん「また来るけん」て戸ば閉めようてしたら「ひとつ空いてますよ」て大将の呼び止めてくれてさね。
そん席はネタケースの鎮座しとる、大将の目の前の、特等席とも言える場所やったとけど、いかんせんそのケースのせり出とるけんが、座っても目の前には小皿ば三つぐらいしか置かれん空間やったとさ。 呑むにはちった、キビシカね。
ばってん活気のあって店主も気さくで良か店たい、サクッて一杯飲む事にしたとよ。
お客さんはほとんどサラリーマンで常連ばっかりのごたったね。 壁の品書きにはポテトサラダとかシメサバ等、居酒屋定番メニューのズラリと並んどってから、もう見とるだけで嬉しゅーなってくる雰囲気やったとさ。
日本酒の銘柄は絞って5銘柄だけ置いとる。 そこから龍力ば注文して、肴には糠漬けば選んでみた。 若い女将さんが小気味よく注文ば聞いてくれて、混んだ店ばってんすんなり目の前に酒の運ばれてきた。
飲みながら、また品書きば眺めよったら、焼酎に関しては銘柄ば選ぶ事はできずに「芋焼酎」「麦焼酎」の二択しかできん。 この辺は長崎とは逆たいね。 長崎の場合焼酎に関しては「赤霧島」「壱岐ゴールド」みたいに銘柄で選ぶ事のできるけど、こと日本酒に関しては「日本酒 熱燗」「日本酒 冷や」の二択しかなか店がほとんどやもんね土地柄たいね。
日本酒ば飲み干したところで芋焼酎のロックば注文してみたとさ。 そしたら出てきた焼酎の、旨かとやもん! 一杯400円の銘柄無指定焼酎のとに、薫り高か焼酎の出てきてビックイしたとさ!
たぶんこの分かりやすか味は富乃宝山やろうね。 無機質な品書きにも関わらずシレッと良か品物ば出してくれるいかにも老舗然とした振る舞いが嬉しかったとさね。