メダカダ!
メダカは水温が上がると産卵をはじめる。
ウチでは毎年五月頃からお腹に卵をくっつけたメダカを見かけるようになる。 でもそのまま出産を見届けて、子メダカが増えていくのをただ喜べばよいのかというとそうでなくて、事もあろうに親メダカは生まれたての子を喰っちまうのだ。
だから、卵を持った母メダカを見つけたら、別のところにやさしくのけて、無事水草に産みつけたのを見計らい親だけ元の水槽に戻す、という作業をしなければならない。
(more…)小川ハタ店
海をボーっと眺めていたら上からサギが降りてきて、一直線に海中へ沈んでいった。 と思えばすぐに浮かびあがり、
羽を重たくバタつかせながら上空に戻っていく。 口には銀色に輝く小魚がくわえられていて、狩の成功がよほど嬉しかったのだろう、舞い上がっている様子でどこまでも飛んでゆきたい勢いだった。
小さくなったところで「ブルブルブル」と三度体を揺らして水気を切ったが、その仕草がダンスのウェーブみたいで可笑しかった。 でも次の瞬間魚は海面めがけて落っこちて行った。
すぐ追うも間に合うハズなく魚は海中に消えた。 そのまま海の中まで追うのだろうと思えば、そこはキビスを返して大空高く羽ばたいて行ったのだった。 その後ろ姿に、悔しさはみじんも感じられなかった。
(more…)飴玉
ベンキに飴玉がくっついていた。 また子供達の仕業かと、きれいサッパリ掃除した。
(more…)オフ会を終えて
七月二十日土曜日に、初めてのぷちぐるオフ会を終えたところでの感想を。
定員を超える11名の方にご参加いただいた楽しい宴会となった。 遠くは中部地方からお越しいただいた方もおり、もちろん皆さん飲むこと食べることが大好きな方々であり、謎の焼き鳥屋店主が現れたり。
(more…)夏なのだ
今の子供が見れば驚く程のカブトクワガタが昔はいた。
子供の頃、夏休みになれば毎年婆ちゃんの田舎へ遊びに行った。 何が楽しみかというと、朝早くから出かける「カブトムシ取り」であり、当時はまだ瀬古選手のようにシャープな体躯をしていた叔父が一同ひきつれて山に入ったものだった。
ある日狩場がマンネリ化したので開拓しようと、別ルートから入山を試みた。 すると子供達は一斉に「ギャア」とさけび声をあげた。 瞬間焼けるような激しい痛みが走る。 どうやらミツバチの巣をつっ突いてしまったらしい。
楽しいはずのカブクワ採集は一転修羅場と化し、逃げ惑う子供らを必死で統率しようとする叔父は青くなった。 皆転がるようにして表へ駆け出た。
(more…)レジにて
イケアであれこれ買い物をし、レジで会計を済ませようとしたところ、小銭入れからボタン型電池が転げ落ちた。 これは娘のおもちゃの電池で、同じ型番の電池を買おうと、忘れないよう忍ばせておいたものだった。 電池はわざわざ取りにくいところへ転がっていくように、レジカウンターの下に入っていった。
レジ下を覗きこんでいると、「ドサッ」と音がしたので顔を上げたらギャルっていうかなんというか、そういうお姉さんが大きなクッションをカウンターに置いたところだった。 レジさんはとっさに「順番にお会計しますので」と彼女に伝えたが、「これ前から欲しかったんですー急いでるんで早くしてね」と姉さん。 あとで 「順番替わっちゃってすみません」と言われたが、しゃがんでいたオイが悪いわけで、カクカクシカジカ理由を話すと、レジさんは一緒に腰をかがめて覗いてくれた。 が、やっぱり電池は見つからなかった。
(more…)おっと失礼
スーパーに着いてすぐ、小用を致したくなったので真っ先に雪隠へ直行した。
すると先客がおり、あいにくここには一席しか無いもので、後方で待っていると「あーっ、ふーっ・・・」と安堵のため息をもらされたから「わかるわかる」という感じでいたところ、初老のおじさんはそこでうしろの気配に気づいて「あ、失礼」と席をゆずられた。
(more…)市場
薄暗い場内はザワザワ黒山の人だかりで、所々ぼんやり輝く白熱灯が、人を、食材を照らしている。
(more…)親しらず
上の奥歯のそのまた奥にある歯茎に違和感を感じ始めて半月ばかり、まさかこれが親しらずが生えてくる予兆だったとは。
その後少しずつ親しらずは伸びてきて、下の歯茎に少し干渉するようになった。 気になりだしたらとことん気になるものであり、段々イリイリしてきたのでいっそ抜いてしまおうかと考えた。
が、親しらずを抜くのは痛く、大変だというどこからか入ってきた情報に頭は占領されており、抜こうか抜くまいか悩み始めてひと月ばかり。 その間も、親しらずの存在が気になり精神衛生上よろしくない。 でも抜くのは恐ろしい。
妙案が思いついた。
(more…)さんりんぼう
黄金週間でドッサリ溜まったアルコールを抜ききるために今朝も走った。
走り始めて間もなく、右足が「カポカポ」するので靴底を見ると、ソールがアカンベーをしたように半分めくれていた。 このまま30分走り続けるとなれば事だ。
草っぱらにさしかかったところで、「クマバチ」が目の前をチラチラ飛ぶようになった。 「すっかり春だ」という意見もあるが、走っている者にしてはたまったもんじゃない。 行く手を遮るかのよう、ホバリングしながら道の真ん中で待ち構えられているのが迷惑。
手前まで来るとあざ笑うかのよう「サッ」とどこかへ飛んでいくところがまた憎たらしい。 そしてまた、同じハチなのか別かは知らないが、眼前をチラチラ飛ぶ・・・。
iPod nano 急逝
ベタッ・・・ベタッという小気味悪い音をたてながら走っていたところ、iPod nanoの音が消えた。 充電したし、何より買ったばかりなのでバッテリー切れなどあり得ないのにと液晶に目をやれば、何やら怪しい斜線が。 汗が入りこんだっぽい。 ちぎるようにしてイヤホンを耳からはずし、ポケットにねじ込んだ。
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