ご飯に埋もれているもの
日曜の朝に目を覚まし、居間へ行くと親父が新聞を読んでいる。 そして見向きもせずに、「炊飯器ば開けてみろ」と、オイに言う。
待ってましたの瞬間である。 炊飯器の中に何が入っているのかはもう知っている。
豚まんだ。
昨晩飲み歩いた親父がおみやげに買ってきた豚まんが、炊飯器の中で保温されているのだった。 蓋を開くと「モウ」と湯気が顔に当たり、むせる。 そして竹皮に包まれた豚まんが現れる。
お袋はこの行為を「飯に匂いが移るから」と、よく思っていなかったが、今思えばどうせ残り飯だしチャーハンにするのが関の山だろう。 問題ない行為だったように思える。
包みを開いて所々に飯粒のついた豚まんをつまむのがたまらなかった。 兄弟の誰よりも早く、炊飯器の中の豚まんをかじれたことが、妙に誇らしかった。 遠い遠い、子供の頃の記憶。
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