香酒盃(こうしゅはい)

あるバーで飲んでいたときのこと、目の前の棚にズラリとディスプレイされているカップのひとつに目が止まった。 陶製品で、表面に大きくワタリガニが描かれている。 チューリップの花のようにモコッとしていて胴に筋が二本走る。
焼酎を注文したら、バーテンダーはその棚からカップをひとつ取ろうとした。 ワタリガニが選ばれることを望んだが、残念ながら、虹色のグラスを彼は手に取った。
「あのー、できればその、カニが描かれているグラスで飲んでみたいのですが・・・」とお願いしてみると、すんなり了承を得た。
近くで見ると、なおさらいいカップだ。 ズシリと重く、カニは細密に描かれており、中身の焼酎はどうでもよくなってきた。 すぐさま飲み干して、カップをなめるように見回した。
「それ、有田焼なんですよ」とバーテンダー。 大分前に有田陶器市で購入したものらしい。
ということで、カニを探しに陶器市へ向かったのだった→有田陶器市。
しかし残念ながら、カニは見つからなかった。 だが、面白い焼酎カップに出会うことができた。 それが香酒盃(こうしゅはい)。
香酒盃は、有田焼の若手陶芸家たちが共同開発した焼酎専用のカップである。 特徴は次の通り。
- 盃の内側にアールを持たせることにより、香りが立つように作られている。
- 一般的なロック用の氷(6センチ)が入りやすいサイズ。 氷が転がりやすく、コロコロ綺麗な音をたてるようになっている。 手にもなじみやすい大きさ。
- 盃の口をせばめたことにより、焼酎の持つ滑らかな舌触りを強調。
- 底には三つ足の高台がついていて、水滴でカップにコースターが張り付いてしまうのを防止している。 さらにグラスを置いたときにコトリと落ち着いた良い音がする。
カップを持ち上げて振ると、氷が面白いように回る。 心地よい音をたてながら。
あんまり回るものなので、ひっきりなしに回していたくなる。 ワイングラスのような膨らみに焼酎の香りが充満していて回す度にうっとりする。 大変使い心地の良いカップである。
どれを買おうか悩んでしまうほど、デザインが豊富だった。 書や山水画の描かれたシブいものから若手が作ったというだけあって、ネッシーやシーラカンスが描かれているものもあった。
ズラリとそろえて棚にディスプレイする野望を抱いてしまった。
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お酒を呑むときには、そのお酒にあった器を使うことが大事ですよね。
美味しさを引き立ててくれる器。これはお酒に限らずでしょうけど。
香酒盃、知りませんでした。
氷が心地よい音をたてながら回る、というところに惹かれます。
今年は岡山に行ったため、有田陶器市に行くことができませんでしたので、来年・・必ずや手に入れようと思います。
それはそれはよく回りますよ。 普通のロックグラスではこうはいきません。 岡山のほうでも陶器市があるのでしょうか? 是非行ってみたいです。
岡山には今回、吹屋⇒児島⇒吉備路⇒倉敷、その後広島鞆の浦・・・とまわってきましたが、陶器市と銘打つようなイベントは見受けませんでした。でも、向こうは備前焼ですよね。お店も見てみたのですが、グッとくるものに出会いませんでした。岡山それぞれにとても良いところでしたよ。是非どうぞ。
こんにちは、^^
僕もこの酒器で楽しむ焼酎が大好きなのですが、
コレを揃えているお店があるとは驚きでした。
って、九州方面ですと多いんですかね?
僕がこの器と出会ったのも宮崎でした。^^
[…] 「校倉(あぜくら)」という日本古来の建築様式をモチーフにしたグラス。 洋酒を飲むのではなく、焼酎をやるつもりで購入した。 バカラを壊して以来、このところ焼酎には至高の焼酎グラスや香酒盃を使っていたので久々のクリスタルになる。 […]