怒涛の質問
たまに次男の質問責めに遭う。
(more…)『父の詫び状』向田 邦子
薩摩揚
土地の人たちは薩摩揚とはいわず、「つけ揚げ」という。 シッチャゲと少々行儀の悪い呼び方をする人もいた。
骨湯
(more…)煮魚を食べ終ると、残った骨や頭に熱湯をさし、汁を吸うのである。 私の体が弱かったせいもあって、滋養になるからと祖母はかならず私に飲ませた。 私は目をつぶって飲んでいた。 今はこんなことをする年寄りも少ないと思うが、昔の人間は塩気を捨てることを勿体ながり、祖母は小皿に残った醤油まで湯をさして飲んでいた。
【安い】有田陶器市【体験記】
子供たちを連れて有田陶器市へ向かった。
雨模様にも関わらず、あちこちに設けられている駐車場はいっぱいで、人があふれかえる会場。 道の両側にずらりと並ぶ陶器店に圧倒される。 2割引、3割引は当たり前で、中には「全品半額」との張り紙もみえる。 人それぞれに、陶器の入ったビニール袋を重たそうに提げて、次はこの店に、いやあっちに行ってみようと、まるでテーマパークにでもいるかのように、楽しんでいる様子がうかがえる。 中にはコンテナを三段積んだ台車を持ち込んで、その中に買った陶器を山のように積んで押している人もいた。
子供たち三人は、はぐれないよう手をつなぎ合いながらオイの後ろをだまってついてくる。 と、思いきや面白そうなものを見つけると皆でそこへ飛んでいってしまうので目が離せない。 陶器は見たいし、でも子供からは目が離せないしで、忙しいったらありゃしない。 こうなることは楽に予想できたから、一人で来ようかとも考えたのだが、子供たちに陶器市の経験をさせてやりたかったのだ。
今回のお目当ては、いや今回もと言ったほうが正しいが、酒器と肴を盛り付けるための器である。 子供たちがまだ小さいので、普段使いの器はシンプルで形の統一されたものを使わざるをえないが、一人でゆっくり酒を飲んだり、来客時に格好をつけるための器というのも必要なのだ。
(more…)夫婦喧嘩ば食らう
また家族が増えた、といってもカミさんが妊娠したわけではない。 4人もいれば、さすがにもう大丈夫だろう。
増えたのは一気に二人で妹、そしてその息子である。 なんでも旦那とケンカしたそうで、顔を見るのもイヤだから泊まりにきたのだとか。 つまり夫婦喧嘩。
夫婦生活の先輩として、いやっちゅうほどよくわかる状況だ。 オイもこれまでにカミさんと何度ケンカしてきたことだろう。 男と女は違う。 何故結婚してしまったのだろうと考えたこともあった。 でも最後は何故か、うまく収まってしまうのだ。
「子はかすがい」という。
(more…)進藤はきもの店:桐下駄
下駄に何故惹かれるのか?
夏になると下駄を買う。 これは毎年のことではなく、二年に一度の割合だ。 五千円程度で売られている下駄をひとつ買い、それを2年がかりで履きつぶすのだ。
下駄をいつ履くのか?
近所をブラブラ息子と散歩したり、コンビニへ行く時に履く。 だからといって、和装をしているわけではない。 グラミチの短パンに、ヘルスニット。 その辺に転がっているキャップを適当にかぶり、何故か足元はテバやメレルのサンダルとかエスカレーターに巻き込まれたりするアレやスニーカーでもなく、下駄なのだ。
「妙だ」と言われることや「下駄ってのも最近珍しいね」と友人や近所の老人が声をかけてくることもあるが、どうあれこちとら快適なのだ。
具体的に下駄のどこがいいのか?
「カランコロン」やはりまずは音である。 買ったばかりの新しいうちは「カランコロン」という軽快な音をたてて歩くワケにはいかず、鼻緒がキツくて足にフィットしないし、下駄の歯も直角すぎるため、どうしてもロボットのような、ハイヒールがまだよくなじんでいない女のような歩き方にならざるをえないワケだ。 それをめげずに無理して履いて自分の足、歩き方に都合が良いよう下駄を慣らす過程はデニムや革製品と同じ、エイジングの楽しみも、あるのだ。
雲仙に行く途中、桐下駄という看板が見える。 この店こそ知る人ぞ知る進藤はきもの店である。 店の主人進藤節夫氏は現代の名工に選ばれたこともあり、五十数年にわたり下駄を作り続けておられる。 知るキッカケになったのは、以前新聞かテレビでこの店の紹介を見たからだ。
「ごめんください」店に入ると、進藤氏がにこやかに迎えてくれる。 店の中には下駄が沢山陳列されており、どれを買ってよいのか戸惑うが、身長、体型をひと目で定めた進藤氏が「これはどう?」と勧めてくれる。
最初に手にとったものは、機械で加工された普及品であり、オススメしてくれた方は、進藤氏手造りなのだとか。 店内には下駄を作る作業場が設けられており、数多くのカンナやナタ?のような専用工具が整然と並べられている。
支払いをするためにレジへ向かう。 突如、息子が進藤氏に呼ばれて、座敷にあがる。 「よし、キミに下駄作りの最後の仕事をさせてあげよう」という。 どうやら下駄のカカトに「紋」を打つようだ。
突如仕事を命ぜられた息子は一瞬戸惑うが、すぐさま小さい金づちを手渡された時にはもう、進藤氏の弟子であるかのように真横に正座してかまえた。
「いくぞ、おじちゃんがこうやってこれを抑えておくから、その上をトントンとこうやって叩くんだぞ」息子はうなずく。
「ほら、たたけ!」といわれた瞬間、金づちを勢いよく振り下ろしたが、それは進藤氏が持つ金具には当たらずに、右手をおもいきり打ちつけてしまった!
「あいたーっ」と氏が言う。 現代の名工の手を金づちで叩いてしまったにもかかわらず、息子はケケケと笑っている……。 気を取り直して、こんどはもう少し慎重に、振り下ろす。 「カコン…」と金具の頭に金づちが当たった。 「それもういっちょ」との掛け声にまた「カコン」。 息子は要領を得たようで、割合リズミカルにコンコンと金づちを振る。 顔を覗くと真剣さを感じさせながらも嬉しそうにしている。
進藤氏が下駄のカカトから金具をはずすと、キチンと紋が入っていた。 「おーキミはなかなかスジがいいね、じゃ、もう片方もやってみらんね」「カコンカコン…」
「息子さんは元気がありますなー。 自分の手を打ちつけても痛がらずに金づちを振るう子どもは元気のある証拠ですよハハハ」とおっしゃる。 褒められて、少し照れる息子。 仕事をした褒美に「積み木でも作ってよ」と、下駄を作る際に出る桐の切れ端をビニール袋いっぱいに頂戴し、大興奮する息子というか私。
進藤はきもの店に行くと、上質の下駄が手に入り、人の温かさを肌で感じることができ、なおかつ下駄のウンチクも聞くことができる。
下駄との付き合い方
- 下駄を履いているうちに小石などが歯にめり込んでいくが、これは取ってはいけない。 めり込んだ小石がスパイク代わりになる。
- 桐は温かい。 靴下を履いて靴を履くよりも、素足で桐に接すると温かいものだ。 なので冬だって下駄でオッケー。
- たまにはフキンで拭いてあげると美しさを保てる。
等。
数十年も素晴らしい下駄を作り続けているから常連も数多いらしく、私が来る少し前にも毎年、北海道から買いに来られるお坊さんがいて、二万円のを買っていかれたそうな。 そのお土産にもらった利尻昆布の説明も詳しく教えてもらった。
※下駄を買う際は、ぜひ進藤はきもの店をおすすめしたい。 今回買ったものは六千円チョットのもので、それより安いものもあれば、もっと高価なものもある。
進藤はきもの店
- 住所:長崎県雲仙市千々石町
- TEL:大丸店 0957-37-2220
- TEL:国道店 0957-37-2034
4月か
というか今日から4月たい。 スパイ小説にスパイが欠かせないように、4月にはサクラが欠かせないような感じがするね。 そう、4/1ということでエイプリールフールでもあるね。 そしてここ長崎では、日本初のまち歩き博覧会だという 長崎さるく博というのが始まるわけさね。
「さるく」とは、「さらく」なんていわれ方もする長崎弁で、 まーいうならば「歩く」という意味でよいと思う。 会期は10/29日までというけっこう長い間続くそうなのでさるきまわるのもなんだかよさそうですね、はい。
いやしかし夜桜で一杯やりたいというオイの思いもむなしく今日は雨ですばい。 咲いた早々、けっこう散っちゃいますね桜さんよ。
シメサバが変
この店最近よくTVCMなんかやってて、長崎ではもうじき「さるく博」なんか開催されるというのに、もしも観光客の方がこの店に入り、シメサバを食ったとすると、なんとお詫びを申し上げてよいのかワカラン次第でありますホント。 長崎は魚いっぱいあるんだからさぁー。 もうちょいちゃんとした料理を作ってくださいよ某居酒屋さん。
やな店
たまにはなじみの居酒屋以外の店へ浮気してみるのもよかかな。 さて。
居酒屋Aの看板 : 「サーモンの刺身 550円 脂のっています!」
とか店の前に小さい看板がでてたらそこには入らんよ。 だってさ、サーモンっていえば養殖でマルマル太っているのがチリあたりから輸入されているものがほとんどなワケでさ、脂がのってるというかのせているわけでさ。 旬もなにもない年中ある魚だからさ、それをオススメに掲げているということは、「このみせイイ魚なかとばいね。」とか勘ぐるわけさね。 よってパスっす。
居酒屋B : 「本日のオススメ -イカゲソ、ハマチの刺身、かき揚げ- 」
うーんこの店の前、たまに通るんだけど、いつも同じオススメメニュー。 毎日同じものをすすめられてもね。 困る。 行かない。
居酒屋C : 「本日のオスメ -レバ刺し- 」
の文字が目に飛び込んできた瞬間、気がついたら入店し、レバ刺しとキムチと生中を注文。 こじんまりした店なので、厨房の料理人の声が丸聞こえ。 「あ、レバ刺し無い!」 思わず自分の耳を疑いたくなるようなやりとりが聞こえてきた後、注文聞きの兄ちゃんが、「レバ刺しないです。」と言う。
「無いです。」か。 そんな時はこう言うんです。 「すみません。 今日のオススメの看板にはレバ刺しと書いておりましたが、切らしてしまいました。 もうしわけごさいません。」と。 どうもあなたがたのレバ刺しに対する思いとオイのそれではかなりの温度差があるね。 でもまあオイも大人だし。 入店したのならばしょうがない。 ちょこっと食って飲んで、別の店行くか。 ということで、あまり豊富でないメニューの中から適当にたのんで、最後に鳥皮を注文。 「(オイ)鳥皮をください。」「(注文兄ちゃん)は?皮(かぁわぁぁ)?」
仏のオイが黙っていたのもここまで。 こんな態度の接客をするような人間のいる店では、オイなんも食わんもんね。 その兄ちゃんにこっぴどく説教したあげく、厨房奥のマスターにも気の済むまで文句を言って、速攻店をでた。 鳥皮をたのんで何が悪い。 いいじゃないか鳥皮を食ったって。 だってオマエの店のメニューに鳥皮って書いてるんだよホラここに。 大体さ、おかしいと思ったんだよ鳥皮があるなんてさ。 なんか君んとこのメニューの中でもその鳥皮だけ浮いてたんだよね。 だから異様に目に付いて、注文しちゃったんだよねオイ。
もしかするとその兄ちゃんは割と年のいった新人で、まさか自分が働いているこの店に鳥皮があるなんてそんなハズはないだろうと考えたのかもしれん。 オレが働いているこの店に、焼き鳥屋でもないのに鳥皮なんてあるかよと、オイに言いたかったのかもしれん。 でもね、あるんですよ鳥皮が。 ホラここに書いてある。
というふんとにもう腹の立つ思いをしたあとの酒は、それはそれで美味いんだなまた。 やっぱりいつもの店に行くとするか。
ゆ、指がーっ
子供を車に乗せ、嫁に運転させる。 低スピードで若干。 そうして、オイがボンネットにしがみついて、うわーたすけてーとかビビると、子供ふたりに激ウケするとさね。
そしたらもう、パパとしては、頻繁に徹底的にボンネット乗りをやってあげなくてはという使命感にかられるわけさね。 よろこんでもらいたか。 と、いうことで、少し疲れている日も、ちょっとそんな気分ではないときも、子供からリクエストがあるときも、ないときも、必死になってボンネット乗りをやるわけ。 そうこうしているうちに、こなれてくるわけ。
「おいヨメ、今日はいつもよりちょっとスピードだして。」とか頼んで、ハンドルもすこし強めにきってもらったりするとさ。 そしてオイは必死にしがみついているフリをする。 たまにマジで振り落とされそうになるときもあったりしたけど、大丈夫なわけ。 そして悲劇は起こったのです。
今日はいつもより少しボンネットに乗りたい日だった。 なので少しヨメをせかして、車に子供を乗り込ませ、ヨメが乗り込んだやいなや、すぐさまボンネットに飛び乗った。 ヨメが車のドアを閉めた。 そしてミシーッ。
オイの左手の中指と薬指2本は、見事に車のドアと、ボディーの間に挟まれたのでした。 「ミシーッ」って、指が鳴ったよ実際。 それがもう痛いのなんの。 こんなに痛い思いをしたのは、盲腸ぶり。 歯医者ぶり。 もうね、挟まれた指2本を見ると、キレイにヘコんでいるわけよ。 痛みを通り越して、しびれているわけさよ。
絶対折れてる。 実はオイは骨の折れることを好んでやる割には、生まれてこのかた骨折をしたことはないわけで、でも、おそらく骨折とはこのような痛みや痺れがあるのだろうということを直感的に悟ったワケ。 だってヘコんでるし。
さあ、病院に行こうとヨメにせかされるも、コワい。 病院にいくのが。 病院に行くにはしばらく気持ちの整理が必要ということで、横になってじーっとしてた。 そして車のドアに指を挟まれたという大変ショッキングな事態に、改めて痛みがこみ上げてくるのと同時に、オイの息子、娘のあのひきかた。 「あーやっちゃったー。」みたいな白け具合。 子供らにとっては、非常にイタイ父親に成り下がったのでした。
イロイロ考えてもしょうがない。 とりあえず病院で骨つないでもらおう。 でも、少し指を動かしてみようかということで、指よ動けと脳から指令をだすと、動いた。 もっと曲げろ!と、指令をだすと、もっと曲がった。 実はオイの指、折れていなかったのです。 オイの骨、強。 これもひとえに日ごろの肉や魚たち、美味しく食べてる食材が、骨を強くしてくれたのでしょう。 感謝。
というどうでもよい話でした。 でもよかった。
お茶のダシガラでフキンを洗ってキュキュッとね