夫婦喧嘩ば食らう
また家族が増えた、といってもカミさんが妊娠したわけではない。 4人もいれば、さすがにもう大丈夫だろう。
増えたのは一気に二人で妹、そしてその息子である。 なんでも旦那とケンカしたそうで、顔を見るのもイヤだから泊まりにきたのだとか。 つまり夫婦喧嘩。
夫婦生活の先輩として、いやっちゅうほどよくわかる状況だ。 オイもこれまでにカミさんと何度ケンカしてきたことだろう。 男と女は違う。 何故結婚してしまったのだろうと考えたこともあった。 でも最後は何故か、うまく収まってしまうのだ。
「子はかすがい」という。
うちには「かすがい」が4つもあるが、ケンカが収まる理由ではない。 子供は別格だから、夫婦がケンカしていようがいまいが特別扱いせねばならない。 ムシャクシャしててもせっせとお世話をするが、そうこうしているうちにカミさんと接触しなければならない場面が必ずできてくる。 その結果、いつの間にか仲直りしてしまう・・・ってこれ、ケンカが収まる理由は子供だってことじゃん今気づいた。
「子はかすがい」だ。
妹夫婦がどのようにしてケンカになってしまったのかを昨日午前3時まで聞かされた・・・。
簡単にいうと、ケンカの原因は、旦那が一ヶ月に10kg太ってしまったことだった。 オイ:「まさか!ひと月に10キロも太るなんて人として有得る現象なの!?一年でならばまだしも、聞いたことがない」
事実らしい。
元々ぽっちゃりとした旦那さんだったが、ひと月に10キロ太るとは大したもんだ。 オイ:「相当旨いメシを作ってんじゃないの? だからバクバク食って、結果こうなったと。 旦那さんは幸せもんだ」
というと睨まれた。
そして今回の激太りの要因のひとつにオイもあるという衝撃の告白をされてしまった。 何でオイが関係しているワケ?
去年この夫婦が遊びに来たときに、しゃぶしゃぶをご馳走した。 そしてその時の薬味に、梅ペーストも用意していた。 ポン酢に溶かして食べるとサッパリとするのだ。 そしてまた肉が食えるようになる。
これをいたく気に入ってしまったのがこの夫婦で、あまりにも旨い旨いというものだから、お土産として梅ペーストをわけてあげた。 そしてその時オイが発したのが「梅干はただウマイだけじゃなくて、疲労回復や消化を助ける効能もあるから毎日少しずつ食べたほうがいいよ」という言葉だった。
この発言の「消化を助ける効能もある」という部分を自分に都合の良いように解釈したのが旦那さんであり、その次の日から食べたいだけ食べては最後に梅干ペーストをガブリとやって、「梅干は消化を助けるから太らない」と言い出したのだとか。
「少しずつ食べろ」といったのに朝晩食後にガブリとやるものだから、瞬く間に梅干は無くなってしまったのだとか。 そして梅干がなくなれば大食いしてもよい口実がないために、オイ家へ行って、梅干をもらってこいーもらってこいと、いうのだとか。
そもそも「太らない」なんて一言も発していない。 そしてひと月で10キロも太ったんだから、目に見えて日に日に太ってきていることぐらい自分、もしくは妻である妹はすぐわかるはずである。 たとえ梅干に太らない効果があったとしてもだ、実際太ってきているわけだから、何らかの対処をせねばならなかったハズなのだ。
思わぬトバッチリである。 崇拝している梅干にも申し訳ない。
「消化を助ける効能もある」というのは太らないという意味ではないときっぱり説明し、もっと詳しく知りたかったら樋口清之の『梅干と日本刀』を熟読せよ、と伝えた。
とにかく10キロも太ったのに、食べるのを止めないからそこでケンカになったらしい。 妹的には体のことを気遣って食べる量を減らすように促したが、旦那は聞く耳をもたない。 だからわざと食事を作る分量を減らしたら、食欲が満たされないためにイライラしてしまい些細なことでケンカになる、という流れらしい。
妹:「どうしたらいいの?」
個人的な見解だが、食事の量を一気に減らすことには無理があると思うし、やられた側はイライラもするかと思う。 だから取り入れたカロリーを消費すよう動けばよいのだ。
オイ:「散歩って地味だけどすごく効果があるよ。 まずは少しずつ歩くようにしてみたらいいと思う」
妹:「ムリ。 だって運動大嫌いだもん」
オイ:「・・・・・・たとえ嫌でも、やらなきゃならない時もあるんだよ人生には」
妹:「じゃあ、オイが旦那に直接そう言ってよ、私じゃ聞かない」
オイ:「なんでそうなるかなあ・・・」
ということで、明日旦那がウチに来る(来た続・夫婦喧嘩ば食らう)。 妹は自分の夫の事なのに、ウチのカミさんと一緒に子供たちを連れて買い物に出かけるという。 ここでつべこべ言うと、今度はウチで、夫婦喧嘩が勃発するだろうから耐えるしかない。 「・・・・・・たとえ嫌でも、やらなきゃならない時もあるんだよ人生には」