お茶のダシガラでフキンを洗ってキュキュッとね
向田邦子さんのお母様やお婆様は、胡麻油や椿油を香水なんかよりも大切に使っていたという。
一滴でも台所や鏡台にこぼしでもすると「もったいない!」と手やカカトに擦りこんでいたそうな。
わかる。 ウチの婆ちゃんは、五島の椿油をとても大切に使っていた。 「一体その椿油何年ものなの?」という具合で。
もうひとつ向田邦子さん。
昔は床や畳をおからや茶がらで拭いていたそうな。
「あ、お茶か。 やっぱりお茶なんだ」
台所回りのフキンがすぐ汚れてダメになる。 汚れを拭くためのモノだからしょうがないっちゃー、そうなんだけど、なんかこう、もうちょっと小奇麗に使い切りたいのだフキンを。
そこでフと、急須の茶がらでフキンを洗ってみようと、ある日思いついたのだ。
テーブルや、キッチン周りを拭いた後のフキンに茶がらをまぶしつけ、手でゴシゴシしばらく洗う。 茶がらを払い、そして干す。
するとね、なんだか「フキンの拭け」が違うように感じるのだ。 なんちゅうか、油汚れも「キュキュッ」というようにきれいサッパリ拭い取れる、ような気がする。
どこかのギタリストは演奏前にお茶で手を洗うというし、茶がらは毎日出るものだし。 でも妻には「茶がらが残ってる!」と怒られたりもして良いのか悪いのか目下実験中なのだ。