車引き上げ隊
早朝、ベランダでストレッチをしていると、近くでブォンブォンとエンジンを吹かす音がした。 やたらと吹かすものだから何事かと音のするほうへ行ってみると、坂道でワゴン車が立往生していた。
タイヤが空回りして坂を上れずにいるらしい。 近寄ると、運転手は近所の青年だった。 無理をしながらここまで上ってきたのだろう、左の後輪が裂けていてホイールも派手にひん曲がっている。 あたりに漂う焼け焦げたゴムの臭いに思わず顔をしかめる。
このままでは付近の迷惑になるので、とりあえず移動させねばならない。 ゆっくりアクセルをふむよう指示しながら、車を後ろから押した。 すると簡単に坂を上りはじめた。
( 続きを読む → )






