断、乳。
次男が生まれてから一年少し経過しているという事実に戸惑いをかくせない。 一日が、いや一ヶ月が、いや、一年が早い。 年をとるにつれて少しずつ人生が早送りになっているような気がしてならない。
同じ世代の人々と会話してみても「早っ、また盆がきやがった」とか「もう一年半分終わっちゃった。 この前正月が来たと思ったらいつの間に・・・」という話をよく聞くので、結構皆そう感じているようだ。
どっちかっていうと、ヒトよりサルに近かった次男はずいぶんと人間らしく成長した。 ひとりでお座りができたり、つかまり立ちができるようになった。 この調子だと、そろそろ歩くのだろう。
初めて寝返りをみせた時の感動は今でもよく覚えているが、ここでもうひとつ、次男を待ち受ける試練があるのだ。
それは断乳。 乳を、金輪際断つのである。
息子はこの世に生を受けてから一日たりともおっぱいを欠かしたことがない。 離乳食を食べてはいたものの、ちょっと機嫌が悪くなるとおっぱい、眠くなると、おっぱい。 とにかく食料ていうかなんていうか、もはや次男にとって、精神安定剤のような役割を、嫁の乳は果たしていたのだ。
それがある日突然、なんの前ぶれもなく飲めなくなってしまうという次男に同情を禁じえない。 「よく見てみろよ、まだ彼は乳児だ。 あと2、3ヶ月は飲ませてやりなよおっぱいを。」
と、なんとかして次男とおっぱいのつながりを維持させてあげたいオイは嫁に言うが「それは優しさではなく、甘やかしやぞこら・・・」と、嫁の断乳に対する決意は熱く、固い。 母乳をあげていないオイにはこれ以上踏み込めない何かがある。
今まで2人のわが子に断乳をさせてきた嫁は、もはや断乳に関してはいっぱしのモンである。 今回の次男に対する断乳もスムーズに終えさせようとかなり気合が入っている。
「何故、おっぱいを止めねばならんのか。 出るものは、ずっと飲ませればいいだろうに。」という素朴な疑問を嫁にぶつけてみると、それでは「噛む」ことをしないのでダメとか、虫歯になりやすいとか、他にも色々な理由をまくし立てる。
長男も長女も、たった一日できっぱりとおっぱいを断つことができた。 はじめはおっぱいをねだるが、泣いてもわめいてもおっぱいを飲ませてもらえないとわかると、キッパリとあきらめるのだ。 わが子が泣き叫んでいるのにおっぱいをあげることができないということは母親にとっても大きな苦しみなのだがそこをぐっと我慢するのだ。 母子共に大変だ。
夜中、次男の泣き声で目が覚めた。 かなり盛大に泣いている。 いつもならば、ここでおっぱいをくわえさせると、何事もなかったようにまた眠りにつくのだが、なぜだか今日はおっぱいをもらえない。 なんでか? おれ、怒るもんね、という怒りにも似た叫びをあげている。
嫁は前もって用意しておいたコロコロミニおにぎりを差し出すが「こんなもん食うか、ペシッ」とはねのける。 麦茶を差し出してみると、それはチビチビと飲む。 のどが渇いていたのだ。 おっぱいは食べ物でありながら飲み物でもあるのだ。 次男は落ち着きを取り戻し、再び眠りについた。
1時間後またおきた。 麦茶を飲ませてだっこしてお尻をトントンしながらゆっくりゆらしているとまた眠った。 1時間後またおきた・・・
という風に、断乳一日目は断続的に目を覚まし、母子共にろくに寝られなかった。 オイも寝れなかった。 長男、長女は何事もなかったかのようにスヤスヤ寝ていた。
今までの経験上、断乳二日目になると、もはやおっぱいのことはすっかりと忘れ、ご飯をモリモリと食べ、ぐっすりと眠るハズなのだが、次男はよほどおっぱいに執着があるらしく、おっぱいをねだりつつ、夜もなかなか寝ようとしない。 あまりにもぐずり、寝ないので、母は心が折れ、おっぱいをあげてみようかとも一瞬考えたが、それをやっちゃ、これまでも苦労も水の泡だし、なによりも次男の為にならない。 心を鬼にして、おっぱいなしで何とか寝せようとガンバル。
嫁の目の下にうっすらとクマが見えはじめた断乳四日目、ついに次男はおっぱいを忘れることができた。 彼はもはやおっぱいを必要としない。 食物でエネルギーを得るのだ!
おいしいご飯をがんばって作るので、ワシワシと食べて大きくなってください。
※嫁のおっぱいは吸われないためにカチカチに張り、痛い痛いと専用の器具でしぼりだしている。 おっぱい当人的にも、突如始まった断乳に驚きを隠せず、生産量の調整ができないのだ。 しばらくは必要なものだと母乳をガンガン作り続けるが、やがて需要がない事に気づく。
市場を案内しアゲマキ購入
晩酌中に携帯が鳴る。
「おーオイ、元気?」と古い友人の声。 かなり久しぶり。
酒の勢いも手伝い、つい話がはずんでしまったが、オイは今晩酌中なのだ。 オマエと長々話しているヒマはない。 「じゃ、またね」と切ろうとすると「うーん、長崎に行こうと思うんだけど、なかなか時間がなくてねぇ、じゃたまいつの日か。」 と捨て台詞を吐いて、彼は携帯を切った。
あくる日の早朝、携帯が鳴る。 昨晩の男からだ。 「あーオイ、おはよ。 あのね、もう時間がないんだよ、飛行機とれたんで、今からそっちに行くよ、じゃ」一方的に切られた。
昨晩「なかなか時間がなくてね」と話したばかりなのに何を当然血迷ったのか、これから長崎に来るそうだ。 休日だしゆっくりしたいし、子供らと遊ぶ予定もあるのに何でまた唐突に…。
彼は東北在住。 長崎空港に到着したと連絡があったので迎えにいく。 車中の話では、仕事が忙しくてなかなか休みがとれないためにポッと空いた時間を有効活用するそうだ。 この前も突如富士の麓にある隠れたお宿に泊まりにいったのだとか。
「長崎で、なんか面白い所ない?」
うーん、グラバー園とかそういうこと? 「じゃなくて」 そうか……………。 オイにとって、市場は遊び場だけどねえ。 面白いと思うけどねえ。 「じゃ、その市場を案内してよ」という。
魚市場は早朝に行かねば面白くないし、今の時間だったら長崎市中心部にある築町市場なんか面白いと思うけど。 っていうかオイはそこが好き。 どうっすかね。 今晩はどうせ飲みに行くんだよね? 築町近辺にはいい飲み屋があるもんで、そこもせっかくだから案内しておこうか。
梅雨で魚が少ないのだろうか、いまいちいつもの活気が感じられないような気がしたが、もう10時だし、こんなもんか。 「どーですかキミ、からすみとかも売ってますよ。 東北と比べて、どーっすか。 ほらそこ、鯨カツとかも売ってますよ。」と鯨カツを購入し、築町を歩きながら案内する。
「そこの海産物やさんはね、イーカツブシ売ってるけどいかが? ほかにもイロイロあるよ。 ほーら、この胡麻ドレがまたウマイんだ娘が好きでさ。」 と、ついうっかり、濃口醤油とドレッシング、削り節を購入してしまう。
「ここをまっすぐ行くとね、魚屋さんがいくつかあるんだよ。 ほーらイワシが沢山並んでいる…うーん、キレイなイワシだね、じゃ、これください。」イワシを購入した。
「その角を曲がるとまた魚屋さんがあるんだよ。 ほーら、サザエとかも売ってるし、オ、好物のアゲマキが売ってやがる、えーいしょうがない、一山ください。」アゲマキを2kg購入。
「いやーきみ、どうだね長崎の市場は。 何、面白いも何も、オイの買い物に付き合わされただけじゃないかだって! うん、そうとも言えなくもない。」
オイ家にてアゲマキをバター焼きにして、昼間っから、東北人と飲んだ。 夕方から寿司屋に行って、その後銅座で朝まで飲んだ。 まあまあ楽しかった。
冷麺
自作のつけ麺にハマり、週5ペースで毎晩シメにススっていたら、さすがに落ち着いてきた。
これほどまでにつけ麺にハマったワケは、たまたま見つけた一軒の製麺所が作る冷麺用の麺がヤケに美味しいからであり、周囲の人々に食べさせてみても、やはりこの麺は美味しいという評価を頂戴した。
だがしかしこの冷麺用の麺を使い冷麺をこしらえたことは一度もなく、そもそも冷麺を食べたいなどとはまったく思いもしなかったのだが、昨晩深酒し、酔った頭は急に冷麺を作り、食べてみたくなったのだ。
とはいっても急な話なのでスープもなければ何もなく、しばらく考えた後、キッチンの引き出しから寿司の出前をとるとついてくる粉末の吸い物を3袋とりだし、湯の中にあけ、ひと煮たちさせ、薄口醤油で味を整えたあと、氷水でギンギンに冷やした。
急いで固ゆで卵を作り、麺を固めにゆでて、ガシガシ水洗いをしてその水気をよくきって、丼に盛り上げ、その上にきゅうり、肴にした残りの牛たたき、ゆで卵と積み上げ、周囲にスープを張った。
頭がギンギンするほど冷たいのを、ズルズルズズと、一気にススリあげてしまった。 うまかった。 だけどもこの麺はつけ麺で食べたり冷やし中華にするのがやっぱりウマイ、ウンウンとひとり納得した。
ビビリ王
彼は飛行機に乗る前にウイスキーのダブルを一気する。
そして手当たり次第に雑誌を買い込み、機内へ。
シートベルトを着用したあと、キョロキョロしたり、雑誌を手に取りパラパラめくり、置いて、また別の雑誌をパラパラ…。
「雑誌の向き、逆だよね」と教えてやるとあわてふためく。
離陸前でエンジンの回転数が上がると「もう俺の人生シューリョー」という顔をしている。
このとき耳元で「実は飛行機がどうして空を飛べるのかは実際のところよくわかっていないという話もあるらしいよ」とささやくと、浅黒い顔が一瞬で絹ごし豆腐のようになった。
飛行機が滑走路を突っぱしり、離陸した直後はまさに座席にへばりついている。 まるで彼だけが周囲の数倍の重力を受けていて、もうすこしで「プチッ」とつぶれてなくなってしまいそうなぐらいへばりついている。
機内サービスがはじまる頃には落ち着きを取り戻し、いつものように99.8%はウソだと自ら豪語するくだらない話を延々と語り始める。
「この前飛行機に乗ったときにさ、添乗員さんが新人だったのよ、そんでさ、いろいろとぎこちないわけ。」
「おの、おのみ物はな、何にしますか?」とか頻繁にかんだりして。
「んでさ、オレの横に座っている客に飲み物を尋ねる際に「お飲み物は何になさるか?」と言ってしまったわけ。 そしたらその客もよくわかっているヤツでとっさに「かたじけのうござる」とあわせたわけよ。 それを横で見てて思わずフイてしまったっちゅーわけよ。
らしい。 似た話をテレビで見たし、そのもっと前に「読むクスリ」で読んだ。 やっぱりこいつ、ハッタリ野郎。
着陸態勢に入る頃には離陸時同様の状態になる。
そんな彼とこの前ビール飲んでたら、血液型の話になった。 このテの話はあまり好きではないので取り上げないが、血液型を非常に重視するそうだ。 その流れから手相、人相と話は広がり、オイと彼共通の人物を例に、彼は目元がこうで、口元がこうだから受難の相である。 とかもっともらしく言う。
どうしてそう言いきれるのかというと、昔そのテの先生の付き人をやっていたのだとか。 先生は占い師であり、霊能者であり、家具職人なのだとか。 先生はその驚くべき能力からあちこちお呼びがかかる多忙な人で、一緒にいるうちに自分も色々とわかるようになったと彼は言う。
ある日、ある裕福な家庭の人形にトリツイタ悪霊をお祓いするために、先生、その他テレビで知られる有名な霊能者一同があつめられたそうな。 しかしその悪霊は強力であり、名だたる霊能者では歯が立たなかった中、先生だけは対抗する力を持っており、結局先生がお祓いを済ませたのだとか。 謝礼として莫大なお金を手に入れ、彼もそのおこぼれを頂戴したらしい。
彼は先生の付き人であるから悪魔と対する際もその場におり、その人形も見ている。 ドアを開けるとそこは異様に重たい空気が流れ、真ん中に置かれた人形には結界が張り巡らされている。 人形自体から発せられる威圧感に彼はたじろいだが、先生は立ち向かい、勝った。
家の主人に感謝され、謝礼とともに何故かバナナをもらい、そのバナナを手にした彼が家を出た瞬間、そのバナナはボロボロと灰になったのだとか。
「どう? すごい話でしょ」と彼は言うがどうせハッタリだし、そもそもオイはそのテの世界を一切合財信じてはいない。 素直にそう伝えると、彼は少しつまらなそうに口を歪めた。
久しぶりに彼に会うと、やけにやつれている。 聞いてみると、眠れないらしい。 なんでも、ウトウトしてくると目の前に斧を持った大男が現れ、追いかけてくるそうだ。 必死で逃げるが追い詰められ、まさに斧を振り上げられたところで目が覚めるという状態がもう何日も続いているのだとか。 午前2時と、5時に必ず目が覚めるらしい。
こうなったのは、オイに悪魔の話をした日の夜からであり、オイに何ともないかと聞いてくるが、なんともあるワケがない。 逆に寝つきがよい。 食事もうまい、健康そのものである。
これからは聞く人が喜ぶ素敵な話をすればすればその症状は改善されるんでないの、といかにも物知り顔で助言した。
牛乳、7月以降品薄の可能性あり
5/30日付の朝日新聞によると、飼料高騰や酪農家が減ったことにより7月以降牛乳が品薄になる恐れがあるという。
7月といえばすぐである。 毎朝欠かさず牛乳を飲んでいる息子は7月以降どうすればよいのか? バターと同じように、買いに行っても牛乳が置かれていないということになるとかなりショッキングだ。 牛乳は買いだめできないしさてどうしようか……。
やっぱり品薄になるのか?:8/27追記
「9月以降は販売量が増えないように牛乳の特売は控えよ」と、日本ミルクコミュニティの営業担当者が全国のスーパーを回って頼み込んでいるらしい。
原料となる生乳の不足によるものだとか。 息子よ、どうしよう。
エコ?
はじめはポイント目当てのマイバッグ持参だった嫁は、最近マジでエコに目覚めたようだ。 小麦その他の値段が上がったことも全部環境破壊によるものだと解釈したらしく、環境破壊は敵そのものだと息巻く。
息巻いたついでに最近あったムカツク事シリーズをベラベラとじゃべりまくる。
保育園で娘の服がないと思ったら別の園児がそれを着ていて、さらに襟首にその子の名前まで書いてあるいったいどーなってんの!とか、
「軽くパーマかけてくださいと言ったらグリグリにかけやがったヤツは!」とか、
いつものようにマイバッグ持参で買い物をしたらその日は少し大量に買いすぎてマイバッグに全部入りきれなかったらしく、仕方がないので「ビニール袋をひとつください。」とレジさんに伝えたら快くくれたのはいいが、その日のエコに対するポイントは抹消された、なんでか、だって入りきれなかったんだしじゃあどうすればよいの? キーッとかいう。
そんなにビニール袋を使うことが悪いのならば、肉や魚を買ったときにいちいち透明なビニール袋に入れてくれるあのサービスはやめれ、それこそエコではない、という。 それはいえてるかもしれない。
今度美味しいものでも食べに連れていってやろーっと。
カツサンド:マスサキのパン
以前書いたマスサキのパンには、カツサンドもあることがわかった。
カツサンドというとなんだかやけにはりきって、ありがたがるような風潮があるように思えるが、マスサキのカツサンドは、素朴である。 まるで昨晩の残り物であるかのようなさりげないカツに、トマトスライスがはさんである。 ひとくちかじると素朴が味がするが逆にそれが新鮮で、これ以上手を加えてほしくない、これ以上頑張ってもらいたくない、キミはずっとこのままでいいんだ、という願いがこみ上げてくる。
カツサンド一個160円なり。 是非長与の郷(長与の里)に足を運んでいただきたい。 かーなりオススメ。
どどめ
野山を駆け巡っているのはなにも息子だけの話ではない。 3つの娘も同じなのである。
最近息子(5歳)に対するライバル心が強く、彼がすることのマネをしてみたり批判してみたりする。
この前の野いちごの話が食事中あがった。 「うんまさか食えるとは思わなかったけれど、あんな穴場を知ってるとはヤルなキミ」と息子を少し褒めると、当の息子は知らん顔しているが、娘がやけに反応する。
「野いちごのある場所ならいーっぱい知っとるもんね、もうね、いーっぱいとれるとばい、それでね、今度ね、ぷーさんのぬいぐるみばね…」と予想だにしない方向へ話は強引に進められていく。
休日、娘が大事に育てているパセリに2人で水をやっていると「どどめって知ってる?」と聞かれた。
「どどめ? ドドメねー…どどめ色?」よくわからなかったのだがそれのある場所があり、食えるのだという。 ついて来いといわれたので、後をついていく。 娘が道中「どどめでジャムーはできるんかい、ドドメでジャムーはできるんかい、ドドメで…」と延々と繰り返し歌い続けるものだからいつのまにかそれがうつってしまい、オイも一緒になって歌う。 時折タンポポの綿毛を手にとり「フーッ」とか吹きながら10分ほど歩いたところに、一本の木があった。
「あれが、どどめやけーん!」と、まるで自分の宝物を見せるかのような堂々とした、でも少し恥ずかしそうなそぶりを見せながら言う。 ほーあれか。
木の真下には、無数の黒い果実が落ちており、少しつぶれたものからはワイン色の果汁がにじみ出ている。 見上げると、木には赤い実や黒い実が沢山なっている。 黒い実を食べると美味しいそうだ。 どれどれ、んーあまずっぱい。
いくつかの黒いどどめを取り、ひきかえしつつ「どどめでジャムーはできるんかい」と歌いながらつまんでいたら、家につく頃には全部無くなってしまった。 どどめって、クワの果実らしい。
もらいものの宮崎マンゴー
車のドアを開けると「ムワッ」と強烈に甘い香りがした。
その正体はマンゴーで、嫁が知人から頂いてきたものだ。 そのマンゴーはむかずとも、果実そのままの状態であるにもかかわらず、強烈に甘い濃厚な香りを発しているのだ。 もう酔いそうなぐらい、香るのである。
同封のチラシには「宮崎産マンゴー」とあり食べ方までご丁寧に記されてあった。 マンゴーには平べったいタネが入っているが、そのタネと平行に両サイドから包丁を入れ、いわばマンゴーを三枚おろしの状態にしてから、包丁でさいの目に皮一枚残して切り、べろんとひっくり返す、とある。
書かれてあるとおりにやってみると上手くいった。 スプーンで丁寧に食べるのもよいが、そのまま、芳醇な香りのする果肉にかぶりついた。 口の中が、口の中が…まるでメロンの旨みを濃縮したようなゴージャスな甘みで満たされた。
たったひとかじりしただけで、まるでマンゴーを8個いっぺんに食べたかのような満足感に満たされ、しばし白目をむいて遠くに行ってしまったのだったのである。
ちりめんじゃこをごはんにのせて
デパチカの乾物コーナーでカツオブシを手にとり、おぶし、めぶし、どちらを買うか悩んでいたところとなりにちりめんじゃこが売られていることに気づく。
白く反り返ったちりめんじゃこが山のように盛られており、その前に、袋詰めされたものもいくつかある。
「一袋でいくらなんだろう?」手にとってみるが値段の表記は無し。 山の上に置かれた値札には「宮崎産ちりめんじゃこ 特上 100g 600円」とある。 その横には100g 550円の普通のもある。
そうか。 これ一袋で100gなんだな。 100gって結構量あるもんだね。 おそらく安いのだこれはという結論に達し、カツオブシと特上のほうのちりめんをレジに持っていく。
レジのお姉さんはちりめんの袋を手にとり「こちらは200g入りなので1200円になりますがよろしいでしょうか?」と聞く。 どうりでなんか量が多いと思ったんだ。 きれいなちりめんじゃこなので200gでも結構さ、しかしもしも100gしか要らなかったとしてもこの場面で「いえ、100gしかいりません600円しか払いません」とは言えない。
朝、炊き立てのご飯に大根おろしとちりめんじゃこをのせ、醤油をたらしてほうばる。 やわらかくてさほど塩辛くなくて結構。 ちりめんじゃこだけもうひとつかみのせてワシワシと食べた。 おかわりもした。








