ドロさまそうめんでつけ麺
つけ麺の際には駅前製麺の冷麺を使うのがウチの定番だったのだが近頃いい麺を見つけた。
その名も「ド・ロさまそうめん」。
ドロさまそうめんとは一体何なのか? 手元のしおりを元に説明しよう。
ド・ロさまそうめん
明治12年のこと。 長崎の外海町、出津(しつ)に赴任したマルコ・マリ・ド・ロ神父(1840~1914)は村人たちの生活があまりにも貧しいもので驚いた。
そこで生活向上のためにパン、マカロニ、そうめん作りの技術を教えた。
ド・ロさまそうめんは好評だったが、戦時の混乱により、製造は途絶えた。 しかし、昭和57年にド・ロ神父の精神を受け継ぐ修道女の手により復活。 今に至る。
要約すると大体このようなかんじ。 このそうめんの特徴としては、足踏みでこね、引き油に落花生油を使用し、手延べで仕上げている。
一般的なそうめんよりも太く、コシがある。 その特徴が、つけ麺に最適なのだ。 若干割高ではあるが相当おすすめの麺。
出津農産加工生産組合
- 〒851-2322 長崎県長崎市西出津町2528-1
- TEL 0120-251-358
いっぱい・・・食わされた話
来年小学一年生になる息子の、ランドセルがどうのこうのとかいう話でデパートにつれていかれる。 嫁以外はあまり気が進まず、天気もいいんだから、秋風の中ハウステンボスとかでブラつきたいみたいな思いをその他はもっている。
いつもながら嫁の買い物に付き合うのが苦痛である。 どうしてそこで悩む必要があるのだ。 即、買え! と念じたりする。
・・・・・・・・・・・・あーもね、とにかく退屈極まりない。 長男はとっくにしびれをきらして、キッチン用品売り場に向かい、桜皮の茶筒をズッポンバッコンやって遊んでいる。
娘はOXO製品を見るやいなや「あ、お家にあるやつだ!!」と感動している。 1歳の次男はというと、着ぐるみのアンパンマンにくびったけ。 だめだめ、それはもってかえれないし第一、中に人がいる。
オイは…ホームグラウンドである地下食品売り場へとこっそり向かった。
ちょうど混雑している時間だ。 その中、様々な食材、調味料、酒、おせちの予約などを見て回る。 あー、たのしー。
照明効果によりテカテカ艶やかな惣菜たちはどれもおいしそうだ。 思わずついうっかり買ってしまいそうになる。
前方から「500円、500円、2パックで800円!!」という売り場のおばちゃんの声が聞こえてくる。
2パックで800円なるものの正体は、天ぷらだった。 連呼するおばちゃんの横をそのまま通り過ぎようとした時、突如眼前にうな重が差し出されて驚いたのもつかの間「半額、500円!!」と、うなぎ売りのおばちゃんは声高々に宣言した。
天ぷら売りのおばちゃんの向かいには、うな重売りのおばちゃんが待ち構えていたのだ。
天ぷらが2パック800円とはお買い得かもしれんな、と考えていたところ急に差し出されたうな重。 しかも半額。 通り過ぎようとする瞬間に声をかけるその絶妙なタイミング。 もはや買わざるを得ない。 「じゃ、ひとつ」
予定にない500円のうな重を買って受け取り、その場を立ち去ろうとすると天ぷらおばちゃんがまた「2パックで800円!!」と大声をあげている。 「じゃ、2コ」 買ってしまったのだ。
うな重と天ぷらをさげて嫁のもとへ戻ると、まだ物色中だった。 どうしてうな重と天ぷらを持っているのかを聞かれ、ワケを話したら鼻で笑われた。
家に帰り、うな重と天ぷらを食べてみた。 どちらもおいしくなかった。 天ぷらの立派なエビは衣がデカいだけで中はスカスカ。 その他の天ダネも同じ。 第一揚げたてでない天ぷらなど旨いわけなかろうもん。 どうして買ってしまったのだろうか?
うな重は、一見びっしり敷きつめられているようにみえたウナギが、実は一部奈良漬だったり、飯全体に煮汁がまぶされている為、ウナギの少なさがカムフラージュされているという巧妙ぶり。 もしも定価の1000円で購入したのならば、おもわず暴れてしまいそうに貧相な、うな重だったのである。
でもこれは買ったほうに責任がある。 「安物買いの銭失い」という幼い頃ばあちゃんに教わった教訓が、いまだにわかっていない自分を責めるべきである。 オイは少し悔しがりながら、責任をもって全部平らげてしまった。
いやしかし、スッキリするぐらいマズかった。 逆にありがとう。
〇〇ふりかけ
喫茶店でコーヒーを飲んでいた。
となりのテーブルには2人の男が座っていて楽しそうに会話している。
男A:いやしかしね、相変わらずSさんはタバコよく吸ってますよ。
男B:やっぱそうなんだ。 昔からよく吸ってたしね。
男A:一日にどんくらい吸うんスか? て聞いてみたんですよ。 すごかったっスよ。 5箱ですよ5箱。 1箱20本だから100本スよ。 一日100本吸ってるんスよ。
男A:まあ一日の睡眠時間が7時間だったとして、残りの活動時間は17時間スよね。 17時間は1020分っスよね。 1020分の間にタバコを100本吸うんだから割ると大体10分に1本の割合でタバコを吸っているということになりますよね。
男A:タバコ1本吸うのってやっぱ2、3分かかるじゃないですか。 だから10分に1本ていうか、もっと激しく吸わなきゃとてもじゃないけど1日100本のノルマを達成できないと思うんスよ。
男A:仕事中、トイレ、メシ食いながらもタバコをふかさないとダメなんじゃないかなって。 仕事中やトイレはさておき、メシ食いながらタバコ吸うのって大変っスよね。 味感じてるヒマないんじゃないかなって。
男A:もうそんなにタバコが好きだったら、いっそ食ったらいいのにって考えたんスよ。 タバコをバラして、葉っぱをホカホカのご飯の上にかけ、タバコふりかけにすると能率的にもイーんじゃないかな、って。
男A,B:ハハハハ。
ついそのおぞましい光景を想像してしまった。
彼らの話はその後も続いた。 S氏は現在入院しているらしい。 何故入院したのかというと、それはもちろん肺ガン、ではなくて、盲腸だったらしい。 肺に影は見えるが、すこぶる好調だと医者に太鼓判を押されたと本人は語ったそうだ。
柚子胡椒でヒリヒリ
風呂に入るやいなや、痛み出した。
両手をお湯につけることができないのだ。 調子に乗って柚子胡椒を大量生産したことが原因。 まさかこんな大事になるなんて。
一度にこれほどまで大量のトウガラシに触れたのは今回が初めてだ。 トウガラシの辛味成分「カプサイシン」に、オイの指は悲鳴をあげたのだ。
どうやら熱がヒリヒリを増幅させるらしい、空気中に手をかざしているだけでもヒリヒリするというか、熱い。 この感覚は、ヤケドをしたときにそっくりだ。 両手にヤケドをした状態を想像していただくと痛みがよくわかると思う。 とにかく、どうにもならん、冷やさねば。
ひとっプロ浴びている場合ではない。 ヒリヒリしてやってらんない。 ボールにカチ割り氷を大量投入して氷水を作り、両手をその中へ。 いままでの痛みがウソのように消えてしまう。
もしかすると直ったのかもしれん、と両手を氷水から取り出すと、ほんの数秒で再びジンジンしてくる。 今度はどうやら冷やしたことで、さらに痛みを感じやすくなったようだ。 最悪。
対処法は氷水に両手を突っ込んでおく他になく、洗剤をたっぷりつけてごしごし洗ってみてもまったく効果はなかった。 想像するところによると、辛味成分が手に染込んでしまっているのではなかろうか。
晩酌をする際もボールに手を突っ込んだ状態だ。 素早く右手だけを取り出してグラスをつかみ、ビールを流し込んでからまたボールに手を浸す。 また素早く手を出して箸を握りつまみを一口かじってからまたボールへ。 一体何のバツゲームなんだ。 情けない。 酒だって旨いわけない。 早めに切り上げて、寝ることにする。
寝る際も当然、氷水のボールを手放せない。 両手をボールに突っ込んだまま、どうやって横になろうかと思案する。 ラッコ状態で腹の上にボールを置き、手を浸す。 快適ではあるが、寝てしまった場合、ベットが氷水浸しになること必至。 枕元にボールを置き万歳状態で手を浸す。 つかれる。 どうしたらいいのか・・・。
ソファーにうつぶせに寝ることにした。 ソファーの足元にボールを置き、手をその中へ。 一番無理がなさそうだ。 ウトウトしはじめる。
急なヒリヒリに目を覚ますと、ボールが床に転がっており水浸しになっている。 寝ている間に倒してしまったのだ。 手は空気中に露出状態になってしまい、ヒリヒリしたのである。 こりゃ、寝るどころじゃねえな。
もう寝ないことに決めて、ボールをひざの上に置き、両手を冷やしながらDVDを見る。 なに冷やしておけば問題ないんだ・・・・・・いつの間にか寝ていた。
朝目が冷めるとやはり床は水びたしになっていた。 手の痛みは・・・スッカリ消えた。 辛味成分が抜けきったのだろうか。
柚子胡椒を作るにはそれなりの覚悟が必要なことがよくわかった。 素手で唐辛子をいじりまくっては絶対に、ダメ。
訪問してくる人々
休日の昼下がり、チャイムがなる。
その日は晴天で、玄関のドアを開けっぴろげていた。 Mr.オクレ氏にそっくりの痩せた男が痛々しい笑みを浮かべながら、申し訳なさそうに立っている。
「えーっと、何でしょうか?」
「あ、あのー・・・ふすま・・・張り替えません?」
「あいにくウチにはふすまがないものでして」
「あ、あそうでしたか・・・どうもすみませんでした」
男はトボトボと去っていった。 近所中を回っているのだろうか。 たぶん、あの雰囲気では、万が一ふすまを張り替えたい家庭があったとしても、断られるのではなかろうか。
もしもオイがオクレ氏だったら、もっと元気にハキハキと各家庭を訪問したいものである。 「ピンポーン!こんにちは!唐突ですけどお宅のふすま、ピンピンしてますか?只今無料でフスマの健康診断をしています!診断をうけてくれたらダシパックを差し上げますがいかがですか?何々?必要ない?あ、そうでしたか!ではまた来年伺います!ありがとうございました!!」 かえってウザいか。
しばらくして、またチャイムが鳴った。
なにやら冊子を差し出され、なにやら社会について問われた。 とまどいながらも2、3度受け答えをすると、その冊子をあげると言われた。 いきなり訪問された人からタダで物をもらうわけにはいかない。 その冊子を必要としている方がもっと他にいるかもしれないので、そうしてくださいと伝えると、微笑みながら去っていった。
他にも色んな人が訪問してくる。
玄関のドアを開けるとそこには天をつくような大男が無愛想に立っている。 何なのかを尋ねると、受信料を払えという。 受信しているからしょうがない、支払った。 ははーん、この人物が以前嫁の話していた怖い人だな? いちいち家にこられるのは恐ろしいので、支払いは引き落としにしたいとか言ってたっけ。 うんたしかに怖い。 引き落としに決定。
チャイムに反応し、走って玄関に向かった息子が帰ってきた。 「エプロンが来たぞ!!!」
何?エプロン?!!? わけもわからぬまま、玄関に向かうと、そこには勉強と白抜きされた藍色のまえかけをした男が2人立っていた。
「何でしょうか?」
「お味噌!いかがでしょうかー?」
味噌屋さんなのだ。 玄関前のトラックには味噌の入った樽が山積みされている。
興味があって少し話を聞いたが、料金関係がどうもわかりづらかったのでやめておいた。 「勉強」のまえかけは譲ってもらいたかった。
一時期パン屋もよく来た。 アンパンが美味しいという噂があり、嫁はよく買っていた。
新聞の勧誘は頻繁に来る。 何々を購読しているからと断っても「ちょっとだけ、一回だけ!」と、まるでうちの息子のような言い方で試しに購読してみてはと勧められるのだが、ちょっとだけということは10ページだけ購読することができるのかとか、本当に一回だけでいいの?とか意地悪なことを思い浮かべてしまう。
某乳酸菌飲料の定期購入の誘いもたまに来る。 試飲どうぞと、商品を置いていかれるから困る。 いらないといっても、置き去りにするかのようにドッサリ置いていく。 購入しないのに飲むのは気が引けてしまう。
牛乳の勧誘には乗った。 息子の主飲料だからである。