Tubtrugs:タブトラッグス
「台所の片付けの核心は油の処理にある」と桐島洋子さんは言ったそうだ。 まさにおっしゃるとおり。
我が家の片付けの核心は、洗濯物の処理にある。
幼児が3人いると、その洗濯物は膨大な量になる。 毎日毎日朝飯を作る傍ら、洗濯機に汚れ物を放り込み、スイッチを入れる。 出来上がったらベランダに運び、せっせと干す。 靴下やTシャツ等、それぞれが小さいので、干すのに大変手間がかかる。
洗濯機を一度まわせばその日の洗濯物は終わり、という簡単な話であるわけがなく、最低3回、多い日で5回は洗濯機を使い、洗っては干し、また洗っては干すことを繰り返さねばならない。 もはやこれは家事というレベルではなく一種のトレーニングであるといっても過言ではないほどの運動量である。 こんな過酷な作業を嫁、もしくは夫ひとりに押し付けるのは残酷なことであり、是非とも夫婦手を取り合って、毎日の洗濯物と格闘していただきたい、と嫁に言いたい。
洗濯物を干すことが習慣になれば、太陽、日光ほどありがたいのもはない、ということに気付くはずである。
「くもり」ならばまだしも「雨」は大変だ。
雨の日は洗濯物を室内に干すことになる。 限られたスペースに膨大な洗濯物を干すことになる。 乾きは遅いし、乾いたとしてもなんだか臭う気がするし、非常に生活しづらい。 憂鬱にならざるおえない。 そもそも日本家屋には雨の日用に洗濯物干し専用の場所を一室設けるべきである。 いやできればそうしたい。
洗うものは一旦それ用のカゴに集められ、ある程度たまってから一気に洗濯機に放りこむわけだが、とにかく量が多いのでカゴはすぐに一杯になる。 カゴからあふれ出した汚れ物ほど見ていて気がめいるものはない。 「なんかさ、もっとデカくてさ、イー洗濯物入れないいかなしかし」とぼやく。
数日後、買い物に出かけていた嫁が大きなバケツを二つかかえて帰ってきた。 「お、洗濯物入れだね」とすぐさま反応する。 そのバケツは鮮やかなオレンジとイエローで、ポリエチレン製のグニャグニャしたものだった。 大きさ、形とも洗濯物を放りこむには丁度よく、現在使用しているプラ製の洗濯物カゴよりも見た目、機能的に優れていることは一目瞭然である。
ひとつは洗濯を待つ汚れ物入れとして洗濯機前に設置し、もうひとつは洗濯した衣類をもの干し竿まで運ぶ運搬用として使ってみようという嫁の魂胆である。
洗濯し終えたばかりの衣類は水を含んでいるために結構な重量になる。 オレンジのバケツに山のように詰め込み、ベランダへせっせと運ぶ。 取手が2つ付いているのでこういう重いものを運ぶのには便利だ。 しかもその取手は本体一体型であるから相当な重量にも耐えることができる。 ベランダまで運んだ所で、一旦バケツを床にドスリと置く。 グニャグニャしているため少々乱暴に扱っても割れたり破損の心配もない。
洗濯物を干し終えて、次の洗濯物が仕上がるまで待つ間、オレンジのバケツをためつすがめつ調べてみた。
バケツの裏にURLが記されていたのでアクセスしてみると、このバケツの名はTubtrugs(タブトラッグス)といい、イギリスのFaulks & Company社のものらしい。 もとはガーデニング用に作られたものだが使い勝手のよさからジワジワと人気がでたようである。
洗濯物用としてあと2つ買い足し、計4個を使用するほど気に入ったこのタブトラッグスであるが、洗濯物入れとして使用するほかにも、娘が風呂として使ったりもする。 水漏れなんてしない。 取っ手を合わせて片手で持つことも可能だ。 かなりおすすめ。
ハタハタの一夜干し
小包を開けると、冷凍の魚が山のように入っていた。
一枚の紙切れが同封されており「ハタハタの一夜干し。 揚げて食べてみるとビックリ(父より)」と書いてある。
送り主は父ではない。 何かを送ってくれるときはいつも「父より」とか「母より」とか「祖母より」とか「大臣より」とか書く人なのだ。 肉親ですらない。
そもそもハタハタという魚を見たことがない。 しょっつるの原料となる魚だということぐらいしか知らない。 しょっつるを買うことですら大変な苦労をしたことが昨日のように思い出される。 そんなハタハタの、一夜干しなのだ。
言われたとおり素揚げして、丸ごとかぶりついてみる。 ウマイ。 いや美味いと書きたい。 ホクホクホロホロとして身ばなれがよく、だからといって中骨は残すわけではない。 簡単に骨ごと食べれるのだ。 味は淡白の正反対で脂がのりまくっていると考えられ、甘く、ほどよい塩加減がそれをさらに増幅させている。
以前ししゃもを食べた時の感動を瞬時に思い出したが、互角、いやそれ以上の風味をもっていることはまず間違いない。 そりゃショッツルが美味しいわけだ。
スシメシ仕込みのオムライス
行きつけの寿司屋でバッテラの作りたてと一日おいてよくしまったのではどちらが好みかという食べ比べに没頭していたとき、女将さんがビニール袋を提げて後ろに立った。
「スシメシがあまっちゃったのよね。 持って帰って食べない?」という。
「あー恐れ入ります喜んで。 子供らに手巻き寿司作ってやります。 プロが作ったスシメシを頂戴できるなんて光栄であります。」
と答える。 女将さんがいうには、スシメシでケチャップご飯を作るとかなり美味しいらしい。 なるほど早く作りたくてウズウズしてきた。
早速帰宅し、頂戴したすし飯でオムライスを作ってみた。 これがまたマジで旨い。 ケチャップはご飯が色づく程度使用するだけでよく、なおかついつものケチャップご飯と比べて奥深い風味だ。 大皿にテンコ盛りで作ったスシメシオムライスは、子供たちにより一瞬で食べつくされてしまった。
自家製寿司を楽しみ、スシメシが余った際には次の日にでもケチャップご飯に活用することを是非、強烈におすすめする。
彼好みの居酒屋
「ほらウマイでしょこの白センマイ。 センマイ刺っつったら普通黒いでしょうが。 なんでこれは白いのかというと、一皮むいてあるからなのさ。 一皮むくことで、臭みがなくなっちゃうというわけ。」
「こうやって白センマイをつついて焼酎飲んでいる間にあそこで備長炭に火をおこしてくれているわけ。 見える? やっぱ肉は備長炭で焼かんといかんからな。」
「よーし炭きた。 さあ、焼け焼け。 まずはその豊満なミノを焼け。 いやまて、やっぱ肉はワシが焼くよ。 ちょっとでも間違うと大変な事になるからな。 あのさーよくいるでしょ、一緒に焼肉行ったらさ、来た肉来た肉全部一遍に網の上に広げてさ、せわしくひっくり返すヤツ。 あれ最悪なんだよな。 肉は食べる分ずつ少量を網の上に置いて、愛情込めてじっくり焼けよって言いたいんだよ。 そう、こんな感じに。」
「うーんやっぱここの肉はウマイな。 全部もう一皿づつ注文しようか? 何々? もう腹いっぱいだって? 焼酎ロックをガブガブ飲みながら肉食ったから脂肪分がどうやら胃の中で冷え固まって重いだって? んなこたないよ、まだまだこれからだよー。」
「おーい、ハゲの兄ちゃん(店員を呼ぶ)」
「あのねー、いつも来てくれるのはありがたいんだけどオレはハゲじゃなくて坊主ですから(店員答える)」
「そんなのどっちでもいーよ。 今日持ってきたドラ焼き食べた? あれウマイんだからさ、裏でちょっとつまんでくればいいじゃないの。」
「いつもスンマセン(店員答える)」
「で、今日も特別飲み放題プランでオッケーなの? 3,000円で、飲み放題。」
「うーんでもね、大将に聞いてみないとちょっとわからないんですよ(店員答える)」
「んな固いこといわなくてもさ、いーでしょうが。 毎日来てるんだしさ。」
「ですよねぇ。 ハイ…わかりました(店員答える)」
「うっはー今日も飲み放題だ! さあ、どんどん飲んで。 何? 肉がつかえた? 何言ってんのー夜はまだまだこれからでないの。 この店のね、自家製酒盗がウマイんだから」
「おとといはね、よその店で軽く飲んだあとに来たらさ、もう閉めてやんの。 だからさガラガラって開けてさ、中に入ってみたらハゲがウマソウにまかない食ってやんの。 その横でさ、朝まで飲んだの。」
トイレに立った際に坊主の店員さんと少し話したところ、彼は二十日連続でこの店に来ているのだとか。 相当この店が好きなんだということはよくわかった。
ROLEX SUBMARINERのオーバーホール体験記
このページは、ロレックスのサブマリーナをオーバーホールした時の体験記です。 これからSUBMARINERをオーバーホールしようと考えている方への参考になれば幸いです。 題して「オバホ体験記」。
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