シンクロ
バーでくつろいでいたら隣のカップルが突如、カラスについて語りはじめた。
どうやら彼氏が相当なカラス通のようで、その熱い語り口にはかなりの薀蓄が散りばめられている。
小耳にはさみながら、そ知らぬ顔してグラスを傾けていた私であったが、なんとも奇遇な事に、鞄の中には一冊のカラス本が、たまたま入っていたのだった。 電車での移動中、ヒマつぶしに読むためのものだった。
半分ほど読み進めていたので、彼のネタはガゼでない事が理解できる。
そういえば以前、隣で飲んでいる人が刑事さんで、たまたまその時『警察手帳』という元警察庁キャリア官僚の書いた本を読んでいて、現職デカに警察手帳を差し上げた事があったっけ。 人生は何かとシンクロするものである。
3月11日。 あれがもう、7年も前の話になる事に驚きを隠せない。 未だ鮮烈に記憶している大きな揺れ。 電車が動かないのでスマホで地図を見ながら隣駅まで歩き、行列に並んでいたら目の前のモニターに映し出された原発の爆発。 あの日の事は一生忘れられないだろう。
当時の記事を読み返していたら、ちょうどそのすぐ後長女が保育園を卒業した事を思い出した。
長女が小学生になり登下校が心配で、当時は夕方にランニングしていたのを朝の登校時間に合わせるようになったんだっけ…7年か。 それが今では中学生だもの、年もとるさなあ。