あっぷる収録記:その3
このタレおいしかばい!
今回は「焼肉のたれ」というお題があった。 地元長崎のチョーコー醤油さんが発売しているこのタレで、何らかの一品をという提案。
ボリューミーで暑気払い的ホットな品をという要望もあったのでしばし考えてみたがプルコギなどでは当たり前すぎて楽しくない。 すかさずタレを少し舐めてみた。
余計な原料が使われていない、アッサリとしたタレである。 もうひと舐めしたところで、海鮮丼が思いついた。 さらにもう一工夫をとオクラのたたきと長芋のわさびあえを添え、ひとつの丼とすることにした。
工程を増やしてしまったので下準備に時間を取られる。 そして普段調理する際、順番など意識せずに目の前にある材料から体よく盛り付けていくわけだが、それだとテレビはうまくいかない。 リハーサル段階でキチンと順番を決めておかないと、テロップと合致しなくなるからだ。
さらに盛る際普段、自分に向かった側が正面となるワケだが、それだとカメラに背中を向けて調理している事になるので視聴者が大変見えにくい。 なのでカメラと正面を合わせつつ、自分は背中を見ながら盛り付ける事になるのだがこれが実に難しい……良い修行になった。
番組内で食べていただいたところ、なかなか好評でホッとした。
今回は8月最後の収録だという事で、せっかくなので浴衣で出演させていただいた。 なので下駄履きになったのだが、いつもよりも余計に腰を折らねばならなかった。 草履にしとけばよかったなと。
あと二三書きたい事が思いついていたのだが、一晩寝たら忘れてしまった。 次回の収録は9月5日の火曜日。 もう1週間もないから、さて次なる一品を練らねばならない。
追記0902
書きたい事を思い出した(笑)。 上で書いた長芋のわさびあえ。 用いるわさびはチューブのでなく粉わさびだ。 ところがスタジオ担当者さんいわく、どの店を探しても粉のわさびが売られていないとおっしゃった。
これを聞いた私は「そんなハズないけどなあ・・・」と、日ごろ生活の中で愛用している粉タイプを血眼になって探した覚えがないところから不思議に思っていたところ、なんでも田舎には売っているがそこそこ都会には置かれていない、という事だった。
そもそも粉わさびの存在自体を知る人が少ないという意見も出て、世間とのギャップをこんな所でも感じた次第(笑)。 どうして粉のものを愛用しているのかといえば、よく効く事と、市販のチューブタイプのわさびのほとんどは、とうてい「わさび」とは呼べないような化学物質まみれのケミカル品だという所である。
たとえそれが、本わさびの味に近かろうが、まがいものに舌を慣れさせればロクな事がないという経験にもよるものである。 それならいっそ、本山葵とまいりたい。