夢銀

プロフェッショナル仕事の流儀を流し見していたら、落語家が出てきた。 春風亭一之輔。
これといって落語に興味をまったく持たずにこれまで生きてきて、たまに通った酒場の店主が落語好きで店内のBGMをいっつも落語にしていたのをいささか「JAZZにでもしてくれよ」と内心煙たがっていたのも事実である。
ところがこの一之輔さん、イメージしていた笑点的な落語家さんとは一線を画し、話が耳に入りやすい。 「まだ若くて世代が近いせいかしら」とぼんやり思っていたところ、Youtubeでいくつかの話を聞いたらその理由がわかってきた。
落語は本題への導入としてマクラという小話が添えられている。 それがめっぽう可笑しいのが一之輔だったのだ。 こう言うと失礼だが、むしろマクラだけを聞いていたいくらいだった。
この一件で俄然! 落語に興味が出た。
となると自然とアンテナが張られ、落語の「ら」の字にも引っかかるようになるのが人生である。 気がつけば日常に、落語のシッポはいたる所で揺れている事に気づいた。
アマゾンプライムでは昭和元禄落語心中、というアニメを見つけていざ見てみると、全話一気見するほどの面白さである。 ストーリー、キャラクターはさておき声優さんはどうしてこんなに上手に落語を話せるのかと驚く。 椎名林檎さんの手がける主題歌も素晴らしい。
うっすら内容を知っているだけだった「時そば」や「寿限無」がこれほど深い話だったなんて……。
朝ランニングする際も落語を聞くようになってきて、知るほどに好きになっていった落語家が二人できた。 ひとりは柳家喬太郎。 この人の話を聞いていると、もう他の落語家に戻れない程面白い。 やはり良い落語家はマクラが凄いという確信を得る。 古典はもちろん新作がまた良い。
そして出会ってしまったのが古今亭志ん朝師匠である。 火焔太鼓を初めて見た時はしびれたね。 表情、仕草、「えーっ」「ねぇ」という小気味良い間の手。 滑らかすぎる語り口。 どれをとっても最高の落語家だと思った。
今だ陽射しはキツいがすっかり秋風そよぐようになった昨今、走りながらの落語が実に心地よい。
170906追記:好きな落語
柳谷小三治:小言念仏
素晴らしいですなあ…惚れました。 聞き始めて今30回目です(笑)。
古今亭志ん朝:火焔太鼓
小僧が太鼓を叩く仕草、音、表情が素晴らしい。
柳家喬太郎:時そば
まくらに抱腹絶倒(笑)。
はじめてコメントします。
ぷちグルのレシピに魅かれ、また20年来の「ピエンロー」愛好家としてフォローしております。
この夏は「雑記帳」をすべて読み直し、グルミチとヘルスニットにハマり、先日は香酒杯をオーダーしたところです。
さて「まくら」ですが、なんと言っても柳家小三治を忘れてはなりませぬ。講談社文庫で2冊「ま・く・ら」なる版がございます。かつて「まくら」のみで一席終えた伝説のご仁です。
例えば「卵かけごはん」であるとか「はちみつ」など、それこそオイ殿が垂涎するネタが溢れております。是非ともご一読あれ。DVDやBRDなどもあるかと存じます。
いきなり参上し失礼いたしました。
ペンタングルさんこんにちは。
いつも見てくださってありがとうございます!
さて小三治さん、奇遇にもこれを書いた後すぐまたも『プロフェッショナル仕事の流儀』の小三治特集を見て知りました。
力みのない落語はまさに、演じるというより役そのものが降りてきたようで芸術的でした。
DVD探してみます!
ありがとうございました。
オイ