ここどこなんだよ!
とあるご夫婦と一杯飲みに行くことになった。
顔をあわせることはたまに会っても、飲みに誘われたのは今回が初めてだ。 待ち合わせの場所へ急ぐ。
すでにご夫婦は到着しており、こちらへ手を振っている。
「まずはこの前話した立ち飲み屋に!」とご主人。 いいですねー行きましょう。
5分ほど歩くと道路沿いに人だかりがあり、たぶんそこが立ち飲み屋なんだろうな、と考えていたらやっぱりそうだった。 満席ていうか、とにかく満員。 店の外まで客があふれている状態。 客なのか、通行人なのかも判断しにくい状態。 2、3杯飲んで、2、3品つまんで通行人のフリして帰ってもわからんのではないかという状態。 はやっている店だ。
キンキンのビールで乾杯!レバテキと串何本かを注文し、つまみながら立ち飲む。 たまにはこんな雰囲気もよいものだ。 軽く一杯飲んでから、すぐにお勧めの店へと移動するということなので、ややペースは抑え目にしているつもりだったのに、気がついたらガバガバ飲んでしまっている。 もう最後までこの店でいいのではないかという気に3人はなりかけている。 串も美味しいし。
しかしご主人、やはりどうしても連れて行きたい店があるとかで、移動することにした。
タクシーに乗り込み1000円分ぐらい走った。 着いたところは趣のある飲み屋街だった。 期待が高まる。
ご主人を先頭に店を目指して歩く。 奥さんは高ペースでビールを飲みすぎてしまったのか、少し足元がおぼつかない。 というか、ご主人は歩くのが早い。 ついていくのがやっとだ。 よほど早くその店に入りたいらしい。 こりゃ、多分酒がまわるな・・・。
歩き始めて10分ぐらい経過したのではなかろうか。 次の店に移動するのに10分歩くというのは結構ツライ。 あまり経験したことのない状況である。 なぜタクシーでもっと近くまで行かなかったのか?とか思い浮かんでしまう。 でもまあ、またビールが美味しく飲めるというものでしょう。
さらに5分ほど経過した。 これまで歩いてきた道のりには、美味しそうな鮨屋や割烹、ホルモン屋などがあった。 額に汗するこの状況では、もう何屋でも美味しく見えてしまうのかもしれない。 喉が渇いた。 あれ、奥さんは・・・ゲッ、ヨロヨロだ。 奥さんを連れに10メートルほど戻る。
ご主人は鉄人のごとく、ペースを崩さず歩き進む。 酒飲んでいるのに競歩か!というぐらい早く歩けるのはどうしてだろう。 もはや酒を飲むとかそういう雰囲気ではなく、ご主人の人間的考察をはじめてしまう。 酒はすっかり抜けてしまった。
「だからどうして店の前までタクシーで行かないんですか?」という言葉が喉元まで来ている。 奥さんの体力はもはや限界だ。 ここらで一休みせねば、もうついてこれないだろう。 いやしっかし歩くなあ。
あれ?この店なんか見覚えあるな。 あ、そういえばさっき似たような店を通り過ぎたような気が・・・もしかしてチェーン店?でもその雰囲気ではないし・・・さては・・・さっきこの道通った?
すぐに奥さんにそう尋ねてみるが、奥さんはもうそんなことはどうでもいい様子。 とにかく限界が近いのだ。 とりあえず休ませておいて、ダッシュでご主人に向かう。
「ご主人、この道ってさっき通りませんでしたか?」と聞いてしまった。
「うん」とそっけない返事が返ってきた。 あれ?今「なじみのいい店」に向かっているのではなかったのでしょうか。 場所を忘れたとかいう話はありえないし、もしかして今目指しているのははじめてのお店なのでしょうか?
そうだった。
ポケットからタウン紙の切れ端を取り出して見せてくれた。 なるほど、この店かーといってもこの辺に土地勘はない。 早速電話をかけてみる。
オイ:「あのー今そちらに向かっておりまして、ちょっと場所がわからなくて。 近くにいるのは間違いないと思うのですが、ちょっと案内していただけませんか?」
店員:「はい、ありがとうございます。 そこからでしたらもうすぐです。 でもお客様、実は当店はあと20分で食べ物のラストオーダーをむかえてしまうのですがいかがなさいましょうか・・・」
オイ:「・・・・・・わかりました。 ではまた次の機会に」
さんざん歩いたあげく店をみつけられず、いざ見つかったと思えばラストオーダー寸前。 なんじゃこら。 とにかく、適当にその辺の店に入って飲みなおしましょう。 また今度その店には行きましょう、とご主人に言うと、なんだか納得できない様子。 どうしても、目指していた店に行きたいのだとか言う。 もはや何を食いたいとか飲みたいではなく、その店にたどり着くことが目的となってしまっているのだ。
はっきり言って、そんなことは一人でいるときにやってもらいたいものだが、とにかく気が治まらないならば行ってみましょう行きましょうではありませんか。 いーですよこうなったらもう。
再び店に電話して案内してもらい、ようやくたどり着いた。 奥さんは・・・気分が悪いそうだ。 当然。 ビール2杯とウーロン茶一杯を注文し、乾杯。 キンキンに冷えたビールの美味しいこと。 まるで真夏の一杯のようだ。 さあ、ご主人、この店はじき閉店です。 出ましょう。
行ってみたかった店にたどり着いて満足したご主人は、適当に入った次の店では大はしゃぎ。 焼酎を片っ端からロックで飲み進んだ。
こちらも負けてはいられない。 カラスミを注文し、日本酒を片っ端から呑みはじめる。
奥さんは・・・・・・復活した。 ワインを注文し、ヤギのチーズでガブ飲みしはじめた。
ご主人:「オイくん、今度さ、早朝から市場に行かない? 市場内に美味しい店があるんだよ。 火曜日の朝4時なんてどう?」
面白そうな話だったが、いやな予感がするので丁重にお断りした。
長靴小僧
次男は長靴が好きだ。
長靴を履く際に天候は問わない。 気分だ。
この間ハナがグズグズいってたので念のため病院に連れて行くことにした。 着替えを済ませ、やはり足元は長靴だ。 カミさんは雨でもないのに変だからと言い聞かせようとするが、本人の意思は固い。 仕方なく、ドサクサにまぎれた際にこっそり履き替えさせようと、靴をバッグに入れておく。
別に長靴だっていいと思う。 短パンに長靴を履いたスタイルはラーメン屋さんを彷彿とさせる。 カッコいいではないか。 ガボガボいわせながら歩く姿は見ていてほほえましい。
かかりつけの病院につくと、うちの子が長靴小僧だということを先生もよく知っているので「おぉーどうした、今日も長靴だね」と声をかける。
長靴の話をされると少し照れくさそうで、どこか嬉しそうな様子。
RFID
息子のために注文しておいた小学館の図鑑がようやく届いた。
寝る前に少しずつ読み進める予定だ。 うーん表紙を見るからに面白そう。
「あら?」
一番最後のページになにやら薄い金属板のようなものがついている。 もしかして付録? そうだとしても何これ?
切り取り線からはずし、裏面を見る。 するとこの物体についての説明書きがあった。
銀色のペラペラの正体は、RFIDというものだった。
簡単に説明すると、電波を使用して商品の管理をするためのもので、電子タグ、ICタグとも呼ばれるものらしい。
とにかく離れたところから一括して情報を読み取ることができるとかで、それにともない購入したあとも情報の読み取りが発生する可能性があるとのこと。
ということは仮にオイがこの図鑑をカバンに入れて持ち歩いているとして、読み取り機を持った人間と偶然遭遇すればオイがかばんの中に図鑑を忍ばせていることがバレるということなのであろうか?(バレても一向に構わないが)
気になる人は、ミシン目から切り離せと書いてある。 大体話はわかったような気がしないでもない。 捨ててしまおう。 いやまてよ、ゴミとなったRFIDも読み取られる可能性があるということなのか。
ということは近い将来、全ての品物にRFIDが付けられたとすると・・・・・・まあどうってことないか。
ノンアルコールを飲んでみた感想
ノンアルコールのビール風飲料を飲んでみる機会がなかなかなかったところようやくコンビニで入手できた。 早速キンキンに冷やして飲んでみる。
これがまあまあだったあかつきには、アルコールを飲めない状況下でもグビグビやれる。 最高だと思う。
さてよく冷えたようだ。
「プシュ、グビ————–ッ。」
「・・・うーん、う——ん(以下繰り返し)」
美の壷がおもしろい
近頃やけにハマっているのが美の壷。 テレビでやってるのは知ってたが、それが本になっているのを知ったのはここ半年ばかり。
毎月アマゾンで本をまとめ買いする際、ランダムに一冊ずつ買い集めている。 千円ちょっと。
とりあえず全部買うつもり。 数ある中で今持っているのは以下のとおり。
所有 美の壷
- 根付
- 織部焼
- 盆栽
- 良寛の書
- 和箪笥
- 水石
- 魯山人の器
ページトップの画像は根付の1ページ。 手のひらサイズに丸みを帯びた形、超精密な彫り、デフォルメされた姿はどれをとっても素晴らしいとしか言いようがない。 日本にこんな世界があったなんて嬉しいというかなんというか、金をつぎ込んで蒐集してみたい。
根付を見ているとなんとなくベアブリックがブレイクした理由につながるものがあるのではなかろうかと思う。
良寛の書は、はじめ眺めているうちは「え、これってオイでも書けるのでは・・・」と感じたりもしたが、解説を読み進むうちに素晴らしいものなのだな、と教えられた。
和箪笥とりわけ船箪笥に至っては「こんなもん、欲しくないわけがなかろうもん」と叫ばずにはいられないほど重厚な作りをしている。 物欲即爆発の逸品。 是非実物をなでながら観察したい。 どうしてこのような素晴らしい技が忘れ去られてしまったのだろうか不思議。
という風に美の壷を語り始めるときりがなくなってくるのでこの辺で。 番組を見るか、本を手にとるとよくわかる。