ウナギ半額に狂喜乱舞したその後
たしか7月初旬だったと思うが、いつものスーパーへ買出しに行くと、中国産ウナギの蒲焼が半額で売られていた。 通常980円のところが490円である。
半値で売られているウナギなんて見たことないし、ウナギがやけにデカい。 中国産らしいが、「国産」と表記されていても外国産なんて話もあるそうではないか。 たとえば中国産のウナギを輸入してきて浜名湖でしばらく泳がせると浜名湖産になるとかどうとか・・・・。 よって中国産でも全然構わない知ったこっちゃーない。 5パック購入する。
しかしやけにデカいウナギだなーと感想を述べながら焼きなおす。 表面のタレがジリジリと焼けてきてうまそうな香りが漂う。 焼きあがったウナギは酒肴にしたり、家族にウナギ丼を作ってあげたりして堪能した。
中国産ウナギをかぶりついてから2、3日して、ニュースで中国産の食品についてあれこれ論じられていた。 中でも中国産のウナギは危険だとかいう話。 すでに消化してしまっているにも関わらず、若干焦る。 オイはさておき、子供らは大丈夫なのだろうか。
土用の丑の日が直前に迫った。 ニュースによると、品質への不安から中国産ウナギへの不信感が高まっており、国内で養殖された国産ウナギに人気が集まっているのだとか。 そうなると、国産うなぎの価格は高騰するかもしれん。 土用の丑の日当日ともなれば、高騰することも考えられる。 こりゃ前もって買っておかねばということで、去年利用したウナギ屋で国産らしいウナギの蒲焼を数本購入する。
土用の丑の日当日。 スーパーへ行くとウナギがズラリと並べられている。 国産ばかりでなく、オイが購入し、食べて、その後心配になった中国産の巨大ウナギも売られている。 しかも半額ではない。 980円である。 しばらく見ていると、おばちゃんたちが1本、2本とウナギの蒲焼を買い物カゴに入れて去っていく。 産地、値段、大きさを十分吟味し、厳選しながらカゴに入れるひともいれば、数日前のオイのように安くて巨大な中国産ウナギだけに集中し、沢山カゴに入れるおばちゃんもいる。 ウナギの買い方を見ていると、その人のライフスタイルが垣間見えてくる気がしないでもない。
娘はウナギ丼を作ってあげても蒲焼の切り身が大きいと「骨が刺さる」とか言って食べない。 なのでみじん切りにしてご飯にのっけてやる。 すると喜んで食べる。
ウナギ昨今
ワシントン条約締約国会議の決定でウナギの稚魚の輸出が規制されることになるらしい。 ウナギ供給不足、さらに拍車がかかる。
鳥居
お寺にかかっていたイイアジでてる看板
お知らせ
美味かもん雑記帳を若干リニューアルしました。 最近記事が滞りがちだったのですが、また細々とやっていこうかと思います。
それと食い物以外も掲載していこうかと考えております。
そのような余裕はない:チンを待てない男
うー、もうガマンできねえ。
でもなー、何かあったかな。 と、空腹に耐えかねて冷蔵庫をあさる、がなにもない。
炊飯器の中にかろうじて茶碗2杯分のご飯があることは確認できた。 が、おかずになるものが冷蔵庫内になーんにも無いのである。 シマッタ!
飢えきったオイは、ターゲットを冷凍庫に変更し、いきおいよくドアを引き出した。 するとそこには大量の「チューチュー」が横たわっていた・・・・・。 チューチュー以外には何も見当たらない。
少しムカついたオイは、チューチューを一本取り出してバキッと折り、長いポッチのあるほうをくわえた。 そして、チューチューの山をほじくりながら、下になにか食い物が隠されていないかを調べ始めた。 冷凍のイカやクジラ、よくわからない塊なんかがゴロゴロ発見されたが、どうも今の気分とマッチしないし、すぐに食えるものたちではない。 うーん、もはやこれまで、塩ムスビでもこしらえてガッつくかとあきらめかけたその瞬間、レトルトの豚丼を発見したのだった。
この豚丼は、角煮まんじゅうで知られる岩崎本舗から新発売されたというもので、新発売モノが大好きな嫁がとりあえず購入し、冷凍庫に入れておいたものである。 とにかく、レトルトの封を開けて、レンジでチンすればすぐに食えるわけだ。 切羽詰っている今にちょうどよい食い物があったわけだ。
早速丼にご飯を盛り、豚丼の袋を電子レンジに入れ、ボタンを押す。 あとは電子レンジが勝手にちょうどよい頃合を判断して「ピピピ」と教えてくれるのを待つだけである。
待つだけである。 が、いっこうにピピピと鳴らない。 こっちはすでに丼にご飯を盛り、待ち構えているのにピピピと言ってくれないのである。 腹が減っている分、いつもよりもよけいに腹が立つ。 あーもねーと、レンジ内を覗くと、封を開けられて、体裁よく立てかけられたレトルトのパックがクルクルと回転している様子が見受けられる。 「なに悠長にグルグル回ってんだよ! 早く温まれよ」
最早ガマンの限界、タイムオーバだ。 まだピピピと鳴っていない電子レンジのドアを開け、豚丼の袋を取り出す。 電子レンジの判断は正しい。 まだ十分に温められていないのが手に持っただけでわかる。 しかし時間がないのだ。 勢いよく丼の上に豚丼をぶちまける。 所々はまだ凍っているようでもあるが、こっちはテンパってんだよね。 そのうちご飯の熱でどうにかなるだろうし、食おう。
完成した豚丼を両手でかかえ、急いでテーブルに座る。 そして、ついに、まちにまった、待望の、食事となったわけだ。 ワシワシと食い始める。 しかし非常に冷たい。 豚丼の豚がシャリシャリとありえない音をたてる。 温まっていないどころか、十分に解凍すらできていないのである。 ワシワシどころではない。 「ワ」ぐらいしか食えない。 冷たい丼がこれほどマズいものなのかということが、初めてわかった。 こりゃチンしなおしである。
少し食べたので若干落ち着きを取り戻した。 今度は丼ごと電子レンジに入れ、ボタンを押す。 温まるまで十分待つ計画である。 レンジ内で回転しながら温められていく豚丼の様子を眺める。 「電子レンジ、おまえの判断にまかせようではないか。 もうあせったりはしない。」
やはり時間がかかるようなので、豚丼の袋の裏書きを見る。
電子レンジの場合(ラップ不要)
- 袋上部の口を、2~3cmほど切り取ってください。
- どんぶり等の器に、袋ごと立て掛けてください。
- 袋のまま、電子レンジで加熱してください。
と書いてある。 なんだ、はじめオイがやった通りではないか。
時間目安
- レンジ700Wの場合/冷凍から3分・冷蔵から2分
- レンジ500Wの場合/冷凍から4分・冷蔵から3分
と、書いてある。 そうか、冷凍からだったらやっぱ3~4分かかるわけだ。 どうりで凍っていたわけだ。 と納得する。 さらにお湯で温めることもできるわけだが、お湯を沸かしている時間などない。 どにかく、今は豚丼がほどよく温まるのを待つだけである。
しかしウチのレンジは一体いつまで温めるつもりなんだろうね、これじゃお湯をわかして温めたほうが早かったんじゃないのか。 電子レンジ、オマエの仕事は一体何なのだ。 というふうに、電子レンジに対しての不信感がこみあげてくる。
うーんもはやこれまで、これ以上は待てるハズがない。 信じられん。 「ガチャ」とまたもや電子レンジがお知らせをするまで待てず、豚丼を取り出す。 今度は丼がかなり熱くなっているので期待できる。 ちょうどよく温められているはずだ。 丼をアチアチと両手でかかえ、急いでテーブルに運び、ワシワシと食べ・・・・、ようとしたが、熱くて食えたもんじゃない。 こんなの食った日にゃ、病院行きである。 豚丼の豚がジリジリと音を立てている。 温まったどころか、温まりすぎなのである。 ワシワシどころではない。 これでは「ワ」も食えない。 熱すぎる丼がこれほどまでに危ないものなのかということが、身をもってわかった。 こりゃ冷めるまで待つしかない。
なんなんだ我が家の電子レンジは。 すぐ取り出せば凍っているし、少し待てば熱すぎるし、一体どういうつもりだ、考えられん。 と、今にも電子レンジに飛び掛ろうとしているところ、2階から嫁が現れた。 「何してんの?」
事の経緯を話すと、我が家の電子レンジの「おまかせモード」はあまり信用することができないらしく、温める食品の袋に記されているように、3分ならば3分と、時間をちゃんと手動で設定してから温めなければいけないそうなのである。 ケッ、そんなメンドクサイことやってられっか。
腹が減って目の前に豚丼があるにも関わらず熱すぎて食えないという拷問に耐えかねたオイは、冷凍庫からチューチューを3本取り出してしゃぶりながら、じっと豚丼が冷めるのを待った。 これがまた全然冷めないというところがまたムカツク。 電子レンジはスカン。 あー腹減った。
岩崎本舗:ちゃんとチンすれば美味しいです。
言い伝えは迷信
よく知られている言い伝えには根拠のないものや誤りのものもあるという研究結果を米インディアナ大のチームがまとめたそうな。
一日にコップ8杯以上水を飲むのがよい
普通にジュース、牛乳を飲んでいれば十分。
脳の10%しか使っていない
脳の画像診断や代謝の研究からかなりの部分を使っていることがわかっている。
毛、爪は死んでからも伸びる
死後皮膚が乾燥し、張りを失ってそう見えるだけ。
毛をかみそりでそると濃くなる
そっても毛の成長に影響しないという研究結果がある。
暗いところで本を読むと目が悪くなる
影響はないということで多数の眼科医の意見は一致している。
七面鳥を食べると眠たくなる
含まれるアミノ酸その他が眠気を催す可能性はあるが、豚肉、チーズのほうが含有量が高い。 一般的に食べると脳血流が減り眠くなるという事実はある。
携帯電話は病院の医療機器に影響する
計器異常などの報告があり、多くの病院では使用が禁止されているが、英国の研究では頻度は非常に低い。
以上、2007/12/25付朝日新聞朝刊より
イカミサイル
オイは今、オニオンスープ作っている。 家族は風呂に入っている。
オニオンスープはタマネギを焦がさないように長時間炒めなければな らない。 こともあろうに50分とか焦がさぬように炒め続けなければならない。 よって鍋の前に付きっ切りで炒める作業に専念しなければならない。
何でか知らんがタマネギはほんのちょっと目を離しただけで焦げる。 さっきまであんなに美しいあめ色をしていたクセに、一瞬で鍋にこびりついて使い物にならないただの焦げたタマネギに変わり果てる。 カレーはおろか、何の料理にも使えやしない。
タマネギを炒め続けて30分が過ぎた頃、飽きてきた。 腹も減ってきた。 オイもひと風呂あびて、ビールをゴッゴッゴッとヤリたい。 このように考え始めたらその欲望はどんどん膨らんでいき、ついに缶ビールに手をかける。 プシュッ、ゴッゴッゴッ。
なんちゅうかこう、立ったままで、調理をしながらビールというのもなかなかよいものだね。 このビール、よく冷えているな。 おっと、タマネギが焦げちまう混ぜねば。 このようにしてタマネギを炒めながらビールを飲むと美味しいということを発見したオイは、テンションが上がってくる。 タマネギは段々とペースト状になりつつあるし、ビールはウマイし、もう言うことないね。 こんなことならば、屋外でタマネギを炒めればよかった。 外で飲むビールは格別である。 夕暮れの中、外でタマネギを炒めながらビールを飲んだらさぞ美味しかろう。 火の間近で熱い中、夕方の涼やかな風の中、ビールを飲んだらさぞ美味しかろうなー!
という様に、オニオンスープを作ることがオイに課せられた使命だったハズなのだが、いつのまにか、いかに美味しくビールを飲むかということに専念し始めた。
いまさら屋外でタマネギを炒めるわけにはいかんし、そうだ、ビールのつまみは何かないかな。 冷蔵庫をあさる。 うーん、キムチか、よしよし。 新しい缶ビールと、キムチを冷蔵庫から取り出し、ゴッゴッとやる。 ぷはぁー。 おっといけねえ、タマネギが焦げちまう。
うーん、なんちゅうか、もっとビールに合う油々した肴がほしいな。 なんかないかなあ。 うーん・・・・イカ!イカ発見! そうだった。 魚屋で活々としたヤリイカを買ってきてたんだった。 今日はヤリイカの刺身で日本酒を一杯と計画してたんだった。
このイカをタマネギの横っちょでバター炒めにしてビールを飲んだらさぞオイシカろう。 やってみっか! でもタマネギ炒めは最早大詰め。 火力は最小にし、絶えずかき混ぜている状態。 イカをさばく時間なんてねえな。 うーんどうすっか・・・まてよ、イカを丸ごと焼いてみたらどうだろうか?
ワタもスミもなにもかもつけたまま、丸ごと一匹のイカを鉄板焼きにしたら美味しいのではなかろうか。 鮎だって塩振って丸焼きにしたりするじゃないか。 日本人には焼き魚をむしって身と骨に分別するスキルが備わっているわけで、それに比べたら丸焼きのイカのトンビを取り出すことや、透明の甲を引っこ抜くなんてことはワケナイはずだ。 なんでイカの丸焼きってないんだろうか? バターと塩コショウと酒で、丸焼きの鉄板焼きにすればよいのである!
早速、タマネギの横っちょの空いてるコンロに鉄板を配置し、強火でガンガン熱する。 白煙が上がり始めた頃、目の前にタマネギを炒めるのに使ったバターが転がっていたのでそれをヒトカケラ放り込み、ヤリイカを丸ごとすべらせた。
「ジョワー」というウマソウな音がして、下足が縮れてくる。 すかさず目の前の塩コショウを振りかける。 バターの焦げた、いい香りがキッチン内に充満する。 「おぉー、これだこれ、ビールに合うぞー」と興奮し、ビールをあおる。
イカを一旦ひっくり返して焼いた後、元の位置に戻す。 仕上げに日本酒をイカの上からブッカケルと、ボワーっと炎があがった。 「ホッホッホッホ、ファイヤー!」とつい口ばしってしまう。
もうもうと立ち込める煙と、オイの奇声により一体なのが起きたのかと不安になった子供たち、嫁が風呂からでてきた。 そこで一同が見たものは、キッチンでタマネギを炒めつつ、イカから火柱を上げながらビール片手に狂喜乱舞しているオイの姿であった。 「それって火事になんないの? んで? オニオンスープは? まだ? あそ」という言葉を残し、一同風呂へと帰っていった。
イカは焼きすぎてはいけない。 そもそも刺身用のイカだし、生焼けだって平気なはずである。 程よく焼けたイカをエンペラのほうからほうばる。 こういうものは切って食べてはいけない。 かぶりつくのである。 イカの肉汁(肉汁でいいのか)が口中にほとばしり、頭の中につまっているイカのワタや卵の味が感じられる。 われながら絶妙の塩加減を施している。 胴体の途中で一旦噛み切った後、残る全ての部分をいっぺんに口に入れる。 美味しい。
イカの丸焼き大正解。 たまたま卵も入っていたものだからウマイの何の。 よく考えてみると、イカスミは料理に使うぐらいだから捨てずに食ったほうがよいのだ。 トンビだって干して串刺しにされ珍味として酒肴になったりもするし、とにかく、イカは丸ごと全部食えるということを実証したのである。 目だって魚の例をあげればおわかりいただけるであろう。 イカは捨てるところなんて皆無なのだ。
そうだな、せっかくなので、この簡単な料理に名前をつけたい。 烏賊の鉄砲焼きという料理がよく居酒屋なんかでだされるが、その名前の由来はよくわからない。 ゲソその他を胴体に詰め込んで焼くというところが鉄砲に弾をこめるところを連想させるからなのか、その姿が鉄砲玉のようだからなのか・・・・よくわからない。
そのへんから着想を得て、イカのミサイル焼きというのはどうであろうか。 見方によっちゃ、ミサイルにも見えないこともない。 ほら、下足がミサイルの噴出す白煙に見えないかい? なんだい、それならイカのロケット焼きでもよさそうじゃないか。
とにかく名前なんてどうでもよい。 美味けりゃいーのだ。 今日オニオンスープを作ってよかったよほんと。 あ、そういやタマネギ!
※2 叩き潰したニンニクをごま油で熱し、イカを焼き、紹興酒を振りかけて、コチュジャン、テンメンジャンで味付けするというもの試したが美味かった。
台風4号:MAN-YI(マンニィ)
今年の梅雨はよく雨降るな一体どうなってんだ。
去年の梅雨のことをよく覚えているわけではないが、なんだか今年は雨ばかりしかも割と大量に降っているように思われる。 ジメジメジメジメあーうっとおしい。
洗濯物が乾かないだろうが。 お、雨が上がったな、なんてスキに洗濯物を干したと思ったら降ってきやがる。 洗い直しだこのやろう。 しかたなし屋内に干すがよく乾かないし、洗濯物がなんだか若干臭う。 やはり太陽に当てて乾かさないとイカン。
こう何日も雨ばかり続いては、部屋中洗濯物だらけになる。 子供の汚れ物の量はハンパではないし、洗濯機フル稼働で洗い上げるもすでに干す場所がもうない。 干せないのに洗濯物はどんどん増えるし一体どうなってんだ、考えられん。
いくら6月だからってヤリすぎだぜ梅雨よ。 そっちがその気ならこちらにも考えがある。 大々的に、洗濯物を干すスペースを構築してやろうではないか。 屋内に洗濯物を干すスペースがもう残っていないというのはあくまでも常識的範囲内の事柄であって、ムチャすればまだいくらでも干せる。 たしかビニール紐がどこかにあったハズだ。 寝室にも、居間にも、キッチンにも、何ならトイレにも張り巡らせて、干せるだけ干してやろうではないか。
そう張り切って、たまっている洗濯物をすべて洗い上げ、ビニール紐を手に、さあ居間にクモの巣のようにビニール紐を張り巡らそうとしたその瞬間、嫁から待てがかかった。
「あんた、人が来たときどうすんだい。 それに洗濯物というのはただ吊るせば乾くというものではない。 乾燥機なり何なり必要なのさ」
という。 いーじゃねえか。 家中のエアコンをすべて稼働させて除湿に設定すれば。 もうね、ここまできたらそこまで徹底して梅雨に打ち勝たねば気がすまないのだよ。 干したいのだオイは。
そうしてもはや夫婦喧嘩勃発かという時、テレビで台風接近とかいう。
たぁいふぅう? この忙しい最中台風とはどういうことだこのやろう。 こっちは今洗濯物で忙しいんだ。 このままじゃ、洗濯物にキノコが生えてしまうのだ。 すでにバスマットの隅にカビが生えているのが確認されているのだ。 こっちはセッパ詰まってんだよ。 んで、しかしどっちから来てんだい台風は? と画面を見ると「最強台風九州上陸か!?」なんて字幕・・・。
サンサンのこともあるし、ちょっと気象庁の台風情報でも見てみるか。
中心付近の最大風速45m/s。 なんでえ、大したことネエじゃねえか。 予想進路をみると、長崎県の若干下側を通る。 コース的にも問題なさそうじゃねえか。 生まれてこのかた長崎県にずっと住んでる付近のおじさんがいうには、下側を通る台風はさほどでもないらしく、一番ヤバいのは、五島沖から来て上側を通る台風なのだそうだ。
しかしどのへんが一体最強なのかいまいちよくわからない。 気象庁のページにも最強なんて書いていない。 テレビに目を移し、どこが最強なのかをよく聞いてみる。 すると、7月に来る台風の中では、最強クラスに当たるらしいという風なことを言っている。 なんだよ、最強っつっても7月でかよ。 こっちはね、あのサンサンをしのいできたんだぜ。 サンサンに比べたら、今度のなんだっけ、マンニィ?(またふざけた名前付けやがってせめて日本名ぐらい命名しろ二郎とかにしろ) 大したことはないはずだ。 もしもサンサンがアジア最強だとするならば、そのマンナントカは町内最強クラス程度であるおそらく。
と、テレビを見ながらマンニィの批判をするオイの横で嫁は「怖い」とつぶやく。 台風にはめっぽう弱いのだこの女は。 ゴキブリとかムカデとかを発見するとスリッパでもってハタきたおすのに台風はニガテらしいのだ。 台風が得意だという人もいないだろうが、やけに台風にビビルのだ。
いやだからコース的にもアレだし、そんなにデカくもないから大丈夫だこの前ほどはない、と言ってるハナから雨戸を閉めはじめ、部屋中が薄暗くなる。 そして「進路によっては子供共々実家に帰らせていただきます」なんてホザク。
どうもこの前のサンサンを経験したせいで、いっそう台風を怖がるようになっているらしい。 「もう風とか吹いてきているし、外にでたら瓦とか飛んできて頭にあたったりするかもしれんバイ。 なので帰るならば今のうちにどうぞ自分だけでどうぞ」とおちょくると、オイをにらみつけた。
あ、そういえば洗濯物問題が解決していないんだったっけ。 台風もどうしてまたこんな忙しいときによりによってまったくもう・・・・週末だし子供らは遊びに連れて行けとゴネるし、せっかくの連休だったのに一体どう責任をとってくれるんだマンニィさんよ。 ばあちゃんとこに遊びに行くと、子供らと約束してたんだよね。
台風が来てるし念のため危ないので家にいよう。 なんて言っても子供らは何のこっちゃ、まず理解してくれるはずがない。 雨も降っていないし、ダダコネルこと必至である。 んもー。 「そうだ、魔女の宅急便を撮ってたでしょう。 見ましょう!」というと、すんなりおとなしくなった。
子供らは魔女を見て、オイと嫁は洗濯物問題にカタをつけようとやり合っているうちに台風がジリジリと接近してきた。 「ゴトゴト、ゴォーヒューゥ」と風がうなる。 嫁はPCの前に座り逐一台風情報をチェックしている。 そう度々見てみても、台風情報は数時間おきにしか更新されないんじゃないの?
オイはヒマなので、外に出てみる。 雨は降っていない。 というか、時折晴れ間がのぞく。 風は吹いているが、それほどでもない。 うーんこれは大丈夫でしょう。 そうだ、晩飯の買出しに行こう。
しばらくしてテレビの台風情報を見てみると、アレ? すでに長崎通り過ぎているじゃないか。 え?
あまりのあっけなさに拍子抜けし、嫁に「台風過ぎてるよ」と伝えると「わかってる! でも吹き返しがくるかもしれないので油断はできんっ!」という。 ふーんそうか。
連休の予定をつぶしてくれた台風に腹がたったオイは、思い切り雨戸を開け放つ。 雨も降っていないし、これならば洗濯物を外に干すことができるのでは? と考え、夕方から洗濯物を外に干し始めた。 すこしは風が残っているが、洗濯物が飛ぶほどの風ではない。 とにかくダーッとたまりにたまった洗濯物を干す。 少しすっきりした。 まだ6時でないの。 うーん他にやることはないし、ビールでも飲もか。
※被害に遭われた方々の一刻も早いご回復を心よりお祈りしております。