杵の川本醸造は恐るべしコスパの酒だった【燗神】
料理には基本、酒を使わない事にしてもう数年がたつ。
理由はただひとつ、「酒は飲むものだ」という信念があるからだ。
ところが最近なってまた調味料としての酒の良さを再認識する事があり、いざ料理用の日本酒を求めて酒屋へ走ったのだった。
もちろん普段飲んでいるものよりランクを落とす。
ズラリと並んだ普通酒を眺めるも、どれも似たり寄ったりでなんとなく手に取ったのが、地元長崎の酒である杵の川。
さっそく家に戻り、空いた四合瓶を二本用意した。 一本には煮切った酒を、もう一本には煮切らないものを注ぎ、日々料理に役立てようというワケだ。
一升瓶の酒を、四合瓶二本に分けると、わずかに残る。
その残った酒を盃にとり、我が料理酒の味はいかがなものかと飲んでみたのだ。
衝撃が走った…とても飲み口の良い酒なのである。
この酒は杵の川の本醸造。 もちろんもっと良い酒もこの蔵にはある。 地元の酒なのでほとんどの種類は飲んだことがこれまでにあったのだが、ここまで自分の舌に合う酒は、この蔵の醸すものには無いと思っていた。
呑み飽きないキリッとした味は長崎の蔵にしては珍しい味わい。 これはきっと燗にしても旨いハズ。
しかもぬる燗だ。
予想した通り、素晴らしい香気の漂う酒となった。 公式サイトを覗くと「地元で一番売れている銘柄」とある。
つい日本酒を選ぶとなれば、その蔵の純米、吟醸、大吟醸ばかりに目が行ってしまうのがだ、こうした地元の酒飲みの事を考えた商品にこそ、その蔵は力を注ぐものなのかもしれないそう、鶴の友のように。
連休中行く先々で『鶴の友』を称賛していたら、蔵をよく知る人物に会った。
— オイ@レシピサイトぷちぐる (@yes_oi) 2017年5月4日
なんでもこちらの蔵元さん、元々大資産家で広大な所有地を寄付してみたり、コストを度外視して酒造りしたりする、一般人から遠いお方だそうで、なのに実に質素な暮らしをされているとの事。 まさに芳醇周知世なのである。 pic.twitter.com/qbxcmqeDxG
もちろん杵の川本醸造は、料理酒として活用する他、晩酌のお供としても愛用するに至った。
追記:全国燗酒コンテスト2018
この本醸造、金賞に輝いたのだとか、やっぱり。