た・た
変わった
朝から妻は嘆いていた。
また二の腕でも太くなってしまったのかと思いきや、どうやらそうでないらしい。
毎年新調している某メーカーのお気に入りシャツがモデルチェンジされており、大変具合がよろしくないそうで。
ラインがすっかり変わってしまい「これじゃ着れない」と落ち込んでいたのだ。
「私が好きになった服っていつも消えちゃう」とボヤく。
そこで新旧を並べて見比べてみると、どのあたりが変わってしまったのかまったく見当がつかない(つまり同じものにしか見えない)。
でもそれを言うと、たぶん長話が返って来そうな気がして「ホントだ」と答えておく事にした。
割れた
じき梅の季節が来るから、昨年仕込んだ分を整理しておこうと梅干し壺に目をやると、蓋が割れている。
二三日前は何事もない姿を確認していたのに、今では焼きたての煎餅を落っことしてしまったように散り散り蓋が割れている。
ダイニングテーブルの下に、誰の足も干渉しないであろう所に安置していたのになぜ割れたのだろうか。 家族に事情を聴くも「知らん」という返事しか戻ってこない。
梅を漬けるまではポリ製の容器でもまだ良いものの、保存するとなればやはり分厚い陶器の壺に限る。 破片を集めながら金継ぎしてみようかと思案中である。