二月の情景
達磨然
朝、小雪舞う中ジョギングしていると、枯れ枝に毛を、モフッと膨らませて防寒している小鳥を見つけた。 首が無くなっている。 まるでドテラを三枚重ねしたかのように、トトロみたいに丸い。 「ほんとに空を飛ぶ生物なの?」と疑いたくなるほど膨らんでいる。
腹の部分が山吹色で、目元の蜜柑色が鮮やかな、見たこともない鳥。 もっと近くで見たいけど、鳥はとても警戒心が高い。 ヒトが近づけばすぐに、飛んでいく。 ところがこの鳥は、私との距離が縮まっても微動だにせずただ、目の前を通り過ぎてゆくヒトにもまるで無関心に、じっと前を見ているだけだった。
俺も
リビングでウトウトしていたところ、誰もいないハズのキッチンから音がした。 見ればもう寝たはずの娘が、なにやらせわしく動いている。
「何してんの?」
バレンタインのチョコを作っているという。 「でもさっき作っていたでしょう?」 と言えば、なんでもひとつ、作り忘れていたそうで・・・一個分作るのも大変でしょう。 せっかくだから「俺のも作って」と何気に言ったら、もう作ってるよと教えてくれた、寝る。