シャンプー・ハット
夜半、知人に不幸があったと知らせを聞き、急きょ身支度をはじめた。 とりあえずシャワーだけでも浴びて向かおうと浴室へ。
頭の中がザワザワして、顔を洗うのもおぼつかない。 これではヒトとして機能できないと思い、まず落ちついてイスに腰掛け、丁寧に髪を洗う事にした。
いつもはシャンプーだけで済ませる所を、娘のトリートメントも用いて入念に、あえてゆっくりいつもの五倍くらい時間をかけて頭の隅々まで洗ってみた。
落ち着いた。
素早く着替えて車を走らせながら、どうして髪を入念に洗うだけで気持ちが落ち着いたのかを考えてみた。
よく頭に来たら深呼吸しろ、とかひとまず10数えてみろ、みたいな話があるが、まさにそれと同じで刺激と反応の間にスキマを設ける事ができたのがよかったのかもしれない。
思いが飛躍してゆく。
そういえば最近忙しすぎて、仕事も食事も寝る時間でさえ忙しく済ませていたように思う。
「私はそんなに忙しいのか?」
という問いを立ててしばらく考えてみると、気が先走っているだけで、大した案件は無いハズである。
そこで脳内でToDoリストをこしらえて、それらが本当に緊急なのかどうかを考えてみた。 するとその半分は、急いでも急がなくてもよい事であり、またその中の半分はやってもやらなくても良い事に気づいた。
ここまで考えていてフと降りてきたのが、オフラインの日を作るという事だ。
街を見渡せば九割九分の人がスマホに目を落としているだろう。 もちろん私もその一人だ。
今さら言うまでもなく、あの薄くて小さな板切れの先には、無限の世界が広がっており、玉石混合の情報がギッシリ詰まっている。 ヒマだとつい、どうでも良いようなニュースにまで目くじら立てたり深入りしてしまいがちである。
SNSへの投稿も日課としていたが、これも時には休もうではないかと。
そこで今日から早速毎週金曜日はオフラインの日とし、メール以外一切のオンライン情報から身を丸一日断つ事にした。
この文章は昨日書いたものだ。
今日は朝からバリバリオンラインだが、どことなしか情報の嵐にも適度な距離感で対処できている模様。
テンパったら一旦、スキマを作ってみたらという話。