稀勢の里、あなたしかいない
今場所も稀勢の里の休場が決定した。
連日取り組みをハラハラしながら見ていたが、やはりあの大怪我が響いているのだろう、左が機能していない様子。
これは痛みからそうなのか、それとも動かしたいのに動かないのかどちらだろうか。 いずれにしろ、ちょうど負傷した取り組みも見ていたのだが、あの土俵からの落ち方は相当な衝撃だった。
落ちたまましばらく起きあがれない横綱。 引き上げる際も負傷した左肩と左大胸筋の接合部から右手を離せず、腕組みしたような状態で顔をしかめている横綱。 高僧みたいな上品な顔立ちも歪んでしまうほどの苦痛。
大胸筋が断裂しているのではなかろうか。
柔道家の井上康生は大胸筋断裂を負い、試合への復帰に一年以上を要している。 左を刺せない事は稀勢の里にとっての致命傷である。 地元ではパブリックビューイングがあちこちに設置されており、人々も皆応援しているという。
テレビを見ていたら休場に関して地元のおばさんが「もうちょっとガッツを持って頑張ってほしい」みたいなコメントをしていたが、根性でどうなる問題でもない事が分からないのか。 横綱にまでなる男に根性がないわけあることか。
ここまできたら焦る事は何もない。 完治して、再度猛トレーニングで患部を鍛え治し、復帰してほしい。
稀勢の里引退 2019/01/16追記
初場所三連敗中の今日、ついに引退表明が出された。 昨日の取り組みを見る限り、自分のあまりにもの不甲斐なさに心が折れているように見えた。
あの怪我さえなければ、とそう思うが、こればかりは防ぎようもない事。 今更何を言ってもはじまらないし、本人が一番悔しいだろう。
しばらく休んでスッキリしたあと、まだまだ長い、これからの人生を歩んでいただきたい。 よく頑張った!あなたが横綱になった時「やっと本物が出て来たな」というほど強かった事は忘れない。 おつかれさまでした!