いもさし
この季節が来た。 「いもさし」とは、芋のツルを畑に刺すこと。 つまり植え込みである。
学校の恒例行事で、私も一度参加した事あるが、収穫はまだしも植える所から始めるのは新鮮だった。 何も難しい話ではなく、芋のツルを土に刺してゆくだけだ。 これを子供達と一緒にワイワイこなすのだ。
今日はいもさしだと娘。 梅雨なのに晴れて暑いから水筒に冷たい麦茶を用意して、暑いからタオルも2枚ランドセルに入れ、暑いから帽子も姉のを借りた。 これで準備万端かと思いきや、
もしあれば、念のため手袋を持ってきてください。
と先生が言ったそうで。 朝から急に手袋と言われても持ち合わせがない。 「もしあれば、だから良いよ持っていかなくても」と娘に言うが、これをなかなか聞き入れないのが娘であり。 石橋を叩くだけでは渡らぬという注意深さを持つ女子なのだ、他のきょうだいに無い特性。
仕方がないから物置をあさると、少々くたびれた使用済の子供用手袋が発掘された。 「ほら、じゃあこれ持っていったら?」と本人に見せたところ、ハッキリと「汚れているからイヤだ」とは言わず「ちょっと大きすぎるみたいだからやめておく」という大人なコメントを返してくる所がニクい。
「だって、はめてもいないのに大きすぎるも何もわからないじゃないの」 なんて言ってはぜったいアカンのだった。