賢くなるパズル
首都圏某所にある宮本算数教室。
卒業者の8割以上が首都圏最難関中学へ進学するという。 入塾するには無試験、先着順だが、応募者が後を絶たない。
勉強方法はとてもユニークだ。 宮本先生は、生徒に教えない。 生徒はプリントを黙々とこなしており、一問解けたら手を上げて、正否を見てもらう。 先生は正解の場合「マル」、不正解の場合は「ボツ」というだけで、後は何も教えない。 プリントの問題は、パズルである。
晩酌しながらたけしの番組を見ていたら、突如この光景に出くわしてしまい面喰ってしまったのと同時に、何か興味がわいた。 ちょっとやってみたい。
アマゾンで調べてみると、やはり教材が売られていて、早速小学2年の息子用に、入門編のパズルをいくつか購入した。
入門編だからとても親切で簡単だ。 息子は1ページずつ問題を解いていくうちに、だんだん楽しくなってきたようで、完全に日課となってしまった。 時折つまづく問題もある。 でもここが重要なところで、親は絶対に答えを教えてはならない。
子供に何かを教える必要はありません。 ただ教材と環境を与えておくだけで、勝手に伸びるのです。
と、宮本哲也氏は言う。
昨日息子はこれまで最大の難問にぶつかってしまった。 いつまでたっても勉強部屋から出てこないので、様子を見にいくと、ある一問を解けずに何十分も悩んでいた。 机には消しゴムのカスの山ができていた。
「飛ばして次に進めば?」
と、言っても「絶対に解きたい!」と聞かない。
色んなルートを試しているが、正しい道が、なかなか見つからない。 考え込む息子。 考えすぎてハナがタレてきた息子。
それほどムズカシイのかと、問題を覗きこんでみた。 楽な気持ちで覗きこんでみた。 ところがどうしたものか、これがなかなか難しくて、一瞬で答えがでない。 「あれぇ?」
すぐさま問題を紙に書き写し、カミさんのもとへ走った。 「この問題解ける?」
問題を手にしたカミさんは、楽な気持ちで紙を受け取った。 そして20秒ぐらい眺めたところで顔をしかめた。 「はぁ?」
鉛筆を持ってきて、ふたりで紙を覗きこみ、正しい道を探りはじめた。 途中まで鉛筆を進めて、間違いだと気づき、消しゴムで消す。 再度鉛筆を進め、行き止まりにあたる。 こりゃあ難しい。 いつしか消しゴムの山が。
飲んでいた黒糖焼酎のグラスを置き、真剣に取り組みはじめる。 しばらく熱中し、ある意味見かたをかえて、ようやく解くことができた。 息子が苦戦するのもムリない。
ということで、息子がはじめてつまづいた問題をマネて作ったのが、これ↓
ルール
すべてのマスを一回ずつ通って、スタートからゴールまでの道をつくりなさい。 ☆印のマスは通れません。
興味のある方は、是非解いてみてください。 ちなみに息子はこの日、この問題を解くことができなかった。 だから飛ばして、次の問題を解いた。
宮本先生いわく、どうしても解けない時は、いったんあきらめて、日を改めて再度挑戦するよう解説している。 知らぬうちに脳が進化したことが実感できるハズ、と。
最後に、パズル冒頭から宮本先生のコメントを引用する。
~教室を出た生徒のほとんどが有名中学に進学するという話をしたら、「それは最初から優秀な子だったのでしょう」といった親に対しての言葉~
そんなことは決してありません。 生まれたての赤ちゃんの頭の中は真っ白なキャンバスのようなもので、ほとんど何も入っていません。 賢い子どもは生まれつき賢いわけではなく、面白がっていろいろなことに頭を使っているうちに賢くなるのです。
うちの子全員にパズルをさせることにした。
上級編は大人もハマる面白さ。 強育論も強くお勧めする。
パズル面白かったです。いい年をしてプリントアウトしてしばしウンウン唸ってしまいました。
確かに子供の考える力を養うという意味では良い教材ですね。正月に姪っ子甥っ子と遊ぶように一冊買ってみます。
追伸、当ブログでも紹介させていただいてよろしいでしょうか?
お返事大変遅くなりましてすみません。
>パズル面白かったです。いい年をしてプリントアウトしてしばしウンウン唸ってしまいました。
そうでしょー!すごいハマってしまいます。 難易度があがってくるとこれまた面白くなりますよ。
>追伸、当ブログでも紹介させていただいてよろしいでしょうか?
ええ、是非!
一筆書きのプログラムを書いたことがあるので原理は簡単です。
1分で解けました。
何かパリティを取ったり袋小路が出来ないように線を引くことを考えると結構奥深い問題ですね。
[…] 子供たちが日々挑戦中の賢くなるパズルを作った宮本 哲也氏の教育論が大変面白かった。 「強育」論である。 以下己が心に止めておくべきポイントを引用する。 […]
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