生牡蠣をカクテルソースで
「長崎県諫早湾で養殖している牡蠣の8割が死滅した」というニュースを先月耳にした。 原因は猛暑で、8月に海水温が30度を超える日が続いた上、9月以降も水温が下がらなかったことだという。
暑かったもんなあ今年。 それにしてもこの猛暑め、オイの好物である牡蠣になんてことしてくれたんだまったく。 来年同じことしたらタダじゃ済まさんからなコノ。
さて。 生牡蠣に合う飲み物と言えば何が思い浮かぶだろうか。
友人は「やっぱりシャブリ!牡蠣にはシャブリ!でもそれは昔の話だともささやかれるが、でもシャブリ!」と言う。
ちなみにシャブリとは、フランスのブルゴーニュ地方で産する辛口の白ワインである。 ではなぜ、シャブリが牡蠣に合うのだろうか?
何十億年か前、シャブリを産する一帯は海の底だった。 そしてそこに牡蠣が山ほど生息していたらしい。 やがてそれらが化石となり、アルカリ性の土壌を作ることになった。
そこに植えられた葡萄は、牡蠣の成分を含んだミネラルウォーターを吸い上げて育ち、たわわに実る。 この葡萄で作られたシャブリを飲みながら牡蠣を食べると、遠い昔の牡蠣のDNAと、新しい牡蠣のDNAが口の中で交わり、美味いと感動するというわけ。
この話は島地勝彦の『甘い生活』にあったものである。
生牡蠣には、レモンをたっぷりとふりかけてからカクテルソースをつけて喰うのが最高だ、と島地勝彦氏は言う。
カクテルソースの作り方は、トマトケチャップにホースラディッシュをすりいれ、タバスコ、ブランデーを少々加えて混ぜるだけ。
ようやく流通し始めたパック入りの生食用牡蠣をカクテルソースで食べた。 殻付牡蠣の開けたてならば、もっとよく合うのだろうと感じた。 あくる日スーパーで殻付牡蠣が半値で叩き売りされているのを見つけた。 全部買って帰った。 今度はカキフライをカクテルソースで食べるつもり。 間違いなく合うハズだ。