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2006/11/20

チキンラーメンのすゝめ:チキラーはこう作ると美味しい

tikira

たまごポケットの事はあまりアテにしていない。

チキンラーメンを作る際、生卵を割り落とすのは常識だ。 どんぶりにその乾燥したチキンラーメンを入れ、たまごポケットと呼ぶにはいささか浅すぎるくぼみに、新鮮な卵を静かに割り落とす。

そっとでなければダメである。 乾麺の上に勢いよく卵を落とそうものなら、出来上がりの見てくれの大きなポイントとなる大切な卵黄を潰してしまうことになりかねない。

思った以上に乾燥したチキンラーメンはトゲトゲしているものなのだ。 言うまでもないが、卵は卵黄がコンモリとした新鮮なものが望ましい。

チキンラーメンをどんぶりに入れて生卵をそっと割り落とした。

さあ、あとはお湯を注ぐだけである。 簡単極まりない。 しかし、ここで気を抜いてはいけない。 まず第一にお湯を注ぐ分量を間違えると、大変なことになる。

チキンラーメンのチキンラーメンたるゆえんであるチキンスープは、麺に染みこんでいるものである。 お湯を注ぐことにより、麺からにじみ出てくるものである。 であるからして、お湯の注ぎすぎに細心の注意を払わねばならない。 お湯を多く入れすぎたら、つまりオジャンである。

お湯を注ぎすぎてしまう原因としては、まず第一にどんぶりのサイズが考えられる。 チキンラーメン本体に対して、あまりにも大きすぎるどんぶりで製作を開始してしまうと、ついどんぶりのサイズに合わせてお湯を注いでしまう。

要は、どんぶりの7~7.5部目あたりまでお湯を注いでしまう習慣が、日本人の体に染み付いているのである。 お湯を入れすぎてしまって味が異常に薄いチキンラーメンを一口ススってみた時のあのワビしさは、一度味わった事のある方ならばおなじみだろうがトラウマになりかねない。

したがって、どんぶりのサイズは、その乾燥した円形のチキンラーメンが、キツメに入るぐらいの若干小ぶりなサイズが望ましいということになる。 これにお湯をヒタヒタ(日清推奨は400ml)に注ぐのが、美味しく食べる秘訣である。

次。 お湯の温度も非常に重要である。 小腹が空いてどうしようもないのでチキンラーメンを食べると決めて、どんぶりに麺を入れ、お湯を用意する。 お湯を沸かす時間すら待てないという状況なので、ポットのお湯で妥協してしまう。 これが間違いの始まりである。

お湯は、グラグラたぎったものを使用しなければ、チキンラーメンをおいしく作ることは困難である。 そもそもどんぶりというものは、使用する前は冷たいものだ。 これに湯を入れ、チキンラーメンをふやけさせて食べるわけだ。 注ぐ湯の温度が低ければ、まずその熱は、どんぶりにとられてしまう。

よってフタをして3分待った後のチキンラーメンは、湯気すら立たないということになる。 さらに、これに生卵を割り落としているならば、事態はますます深刻である。

チキンラーメンの醍醐味は、3分待って、フタをあけた瞬間に立ちのぼる湯気の合間から見え隠れする黄身の微妙な半熟具合、白身のほどよい煮え具合にあるといっても過言ではない。

想像するだけでも即、作り始めたくなる衝動にかられる程、魅力的な光景である。 しかし、お湯がぬるいと、こうはうまくいかない。 たった3分ぐらいでは、白身は冷たい生のままである。 その白身が、出来上がったチキンラーメンの温度を下げてしまっている一要因であることはまず間違いない。

だからといって、再度フタをかぶせ、白身が煮えるまで待ってみようと考える。 だが人生そんなに甘いものではない。 白身は煮えていないは、スープはぬるいはの、最悪のチキンラーメンを作りあげてしまった罪を、日清食品創業者の安藤百福氏に謝罪するべきである。

こうならないように、お湯はグラグラとたぎったものを用意しなければならない。 ポットのお湯を使用する場合は、再沸騰ボタンを必ず押すということは当たり前である。 しかしできれば、やかんに水を入れ、猛烈な火力で熱し、グラグラとたぎらせた湯を、チキンラーメンの上から注ぐというのが理想である。

熱湯も、ただどんぶり内に、入れ過ぎないように注げばそれでよいかといえば、そうではない。 お湯を注ぐスポットも重要なのである。 卵は、その浅いたまごポケットに割り落としているハズである。

そのチキンラーメン上の、生卵の白身部分にお湯をかけるようなつもりで、白身に添って円を描くようお湯を注ぐのが理想的である。 こうすることにより、グラグラの湯が直接かけられた白身は、一瞬で白くなり、フタをする前から、ちょうどよい白身加減を作り出すことができるというわけである。

しかしたまごの煮え加減については、それぞれ好みがあるわけだから、その辺は自分好みにいつでも作り出せるように訓練が必要である。

湯を注いだ丼にかぶせるフタは言うまでもなく皿が定番的であり、丼、皿間にスキマがないということは当たり前である。

キッチリ3分待つか、それとも2分で切上げて「バリカタ」の風味を楽しむのかも各自お好みである。 刻んだアサツキを散らしたり。 胡麻油を少々たらしてみたりという小細工も楽しい。

まず始めに半熟の黄身を一口でほうばるのか、最後まで大事に半分スープに沈めておくのかも決定権はあなたにしかない。 そして最後に、できあがって3分以内に食べ切ってしまうのが、チキンラーメンに対しての最大の礼儀であるか。

編集後記

※先日チキンラーメンを久しぶりに作ってみて大失敗をしました。 腹が減りすぎていて焦りもあったのですが、ポットのお湯にて、大きめのどんぶりに、乾麺の上下を間違えたのでたまごポケットは裏側に、よって卵は脇に割れ流れ、できあがりの光景の寒々しさといったら、目も当てられないほどでした。

悲しくなった私は自戒の念を込めながら、このページを作り残しておこうと考えた次第です(ちゃんとした作り方は、チキンラーメンの袋に書いてありますご確認を)。 たまごポケットについては、できればもう少し深いほうが機能的であると、個人的には思いますけどね。

安藤百福さん死去

2007年1月5日、急性心筋梗塞のため大阪府池田市の病院で死去された。 「食足世平」という自らが作り出した四字熟語には「食を通じて世の中の役に立つ」という思いが込められていたのだそうな。 ご冥福をお祈りいたします。

日清 チキラー島:音がなります。

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