一味足りないインスタントラーメン
突如無性に食べたくなるインスタントラーメン。 サッポロ系はぞっこん。 日清は不可欠。
先日、切らしたティッシュペーパーを買いに行ったところ、見たことのないインスタント麺のパッケージに出くわした。 買ってみるしかない。 プライベートブランドの醤油ラーメンで、試したところすごかった。 旨かったのではない。 逆なのだ。 「まあプライベートブランドだからしゃあない」という域を軽く下回るその完成度に、逆に興味がわいてしまった。
そのラーメンを一言で表すと「一味足りない」ということになる。
湯をわかし、麺を茹で、そのスキに粉末スープを丼に開けておいて、茹であがった麺をお湯少なめになるよう加減して丼に注ぐ、というのがいつもの作り方。 これまでの経験上、プライベートブランドの麺ではお湯をかなり少なめに調整しないと味にキック力がでないということがわかっている。
今回の醤油ラーメンもそのつもりで作ってみたが、とにかく一味足りない。 このままではススリきることなんかできない。 とりあえずニンニク醤油をたらしてみた。 これは絶大なる効果の秘術、であるハズだったのにやっぱり一味足りていない。
今度はショウガ醤油を足してみる。 一味たりない。 そうこうしているうちに麺が冷めてきたのでムリにススリきる。 スープは飲めない。
どうしても一味追加してやりたいので次の日またこのラーメンに挑む。
今度は麺を茹でている間に丼を温めておいて、自家製ラードをこれでもか、と加え揚げカスをトッピングし、隠し味に魚醤をたらしこんだ。 白髪ネギも添える。
いざすすりこんでみると、やっぱり一味たりないのだ。 原因は粉末スープにあるのだろう。 ラーメンスープって、お湯に塩または醤油を加え、そこへ味の素をしこたま振りこんだらどこかで食べたことのあるラーメンの味になるものだ。 なのに、どんだけ手を加えても一味足りなく感じさせてしまうこの粉末スープの正体はいかに。
次の日、カツオダシで麺を茹でてみた。 そこへ醤油をたらし、胡麻油を回しかけ、半熟煮卵をトッピングし、海苔を立てて、ネギを散らして食べてみた。 一味足りない。
ティッシュを切らしたのは、珍しく体調を崩して家中の箱を使い切ってしまったからである。 もしかすると、一味足りないと感じさせる原因は、そこにあるのかもしれない。 でもカミさんに喰わせても同じように一味足りないというのでそんなこともない。
美味しすぎたら飽きる、という話もあるからあえて一味足りないように作っているのかもしれない。 それにしても一味たりない。