風に吹かれて豆腐屋ジョニー
この豆腐、我が家では好みがはっきりとわかれる。
ヨメが言うには舌触りが滑らかすぎて、大豆の味はするんだけど あまり好みではないとのこと。
オイはその滑らかさとクリーミーさが好みで、酒にも合うし、満足。 絹ごしをさらに絹ごししたような、というか、もはや豆腐ではなく少々固めた豆乳のような食感がよいわけだ。 パックごと左手に持ち、口にジョニーを流し込みなが右手の酒をあおる。 これがけっこうイケルわけである。
ただ、風に吹かれて豆腐屋ジョニーには、醤油があまり合わないような気がする。 普通の豆腐のように、醤油をつけて食べたりすると、あまり美味しくないようなきがする。 パックをあけて、なにもつけずにそのまま食べるのが、一番美味しく感じる。 もちろん薬味系のネギやショウガも添付しない。 塩や七味でも食ってみたが、それもイマイチ。
マイベスト豆腐である中島豆腐のときに書いたが、普通大量生産の豆腐では、豆腐の原料である大豆をケチって使うところが多く、1俵の大豆からおよそ1000丁位の豆腐を作るそうであるが、中島豆腐では、おなじ1俵の大豆から450丁程度しか作らないので、あのような濃厚な豆腐が出来上がるのだそうな。
中島豆腐もそのままなにもつけずにスプーンですくって食べるのが美味しいわけだが、要は豆腐をちゃんと作って豆腐自体にしっかりとした味があれば、醤油や薬味なんて不要であるという話になってこないでもない。
そもそも醤油も豆腐もメインとなる原材料は同じ大豆ではないか。 そして豆腐は塩を作る際にできるニガリを混ぜ込むのであって、醤油は塩そのものを原料にするという。 いわば親戚みたいなものである。 豆腐に醤油をかけるということは、大豆と大豆でカブることになる。 チャーハンをおかずに白いご飯を食べるようなものだ。 だからそもそも豆腐というものは、なにもつけずにそのまま豆腐のみで食べることが、本来の姿なのかもしれん。
しかしご存知のように、醤油なしで食ってウマイ豆腐なんていうのは少ない。 先日もとある豆腐屋で、「一番美味しい豆腐はどれですか?」と聞いてから、数種類ある豆腐のなかから選んでもらって、買って帰った。 一丁で300円チョイである。 木綿と絹バージョンがあり、どちらも買ってみた。 食べた。 フツー。
その某豆腐専門店の、最上の豆腐の味は、どこにでも売っている、一丁60円ぐらいの豆腐の味と、なんら変わりはなかった。 この原因は、やはり1俵の大豆からおよそ1000丁位作っている大量生産品だからなのか、なんなのかはワカランが、オイはもっとウマイ豆腐を食いたい。 だから今度、「1俵の大豆から200丁ぐらいしか作ることができないという幻の豆腐」なんていう豆腐を作ってくださいどこかの豆腐屋さん。 まあ豆腐の美味しさを決める要素は水やニガリ、職人の腕などその他の要素もあるのだろうけれども。