ひよ子
超科学的なことはあまり信じていない。
しかし個人的に信じていないだけで、そんなことはこの世の中にあり得ないなどとは考えていない。 そりゃ、実際に目の前で不思議な現象に遭遇したならば、間違いなく信じるつもりだというスタンス。
以前、嫌々「前世占い」というものにつれていかれたことがあった。 嫌々ではあったけれども、実際占ってもらう直前は、なんだかワクワクした。 しかし、もう二度と、前世占いはやるまいという固い決意をオイにさせた事件が起こる。
なんと、オイの前世は、「カラーひよこ」だったのだという。
カラーひよこ。 幼少の頃縁日にいくと必ずあったあの「ひよこ釣り屋」さんの赤や青、オレンジに染められたひよこたち。 たしか釣り針で釣り上げられてたっけ・・・。 あれどうやって着色しているのだろうか。 スプレーかな・・・。
とまあ、カラーひよこには、あまり良いイメージを持っていない。 そりゃ、オイ自身もカラーひよこを買って、家で育てようとしたこともあった。 でもその青いカラーひよこちゃんは、家で飼われはじめてわずか3日目で、当時よちよち歩きだったオイの弟に踏み潰されたのであった。
オイの前世は、そんなカラーひよこだったのだという。 ハハハ。 おかしいけれど、こっちはわざわざ出向いて、金払って、前世を占ってもらっているというのに、カラーひよこだぞカラーひよこ。 もうね、ガッカリである。
こんな占い師は信用できねぇ、こりゃウソっぱちだ。 カラーひよこて、オマエ、じゃなにかい、ヒヨコっていうのは、鶏の子なわけで、鶏の子供をヒヨコというわけだ。 百歩ゆずってオイが万が一前世カラーひよこだったとしても、オイの前世は鶏だったとも言えるわけで。 いやまてよ、オイの前世であるカラーひよこ氏は、幼くして生涯を終え、そして現世で、オイというひとりの人間に生まれ変わったということか。 じゃ、オイの弟に踏み潰されたカラーひよこも、人間に生まれ変わっている可能性がある。
ということで、前世占いに行って、「あなたの前世はカラーひよこでした。」といわれた方はおりませんか。 オイとしては、是非、同士がほしいわけである。
ちなみにこの際、オイを前世占いに連れ出した張本人である相方の占い結果は、なんと、「塩っぽい」だった。 塩っぽい。 もはや生物ですらなかったわけである。 前世がカラーひよこだと言われて、ヘコんでいたオイも、相方の「塩っぽい」にはさすがに同情しつつ、しかし前世的に少し優越感を感じながら、ひよこと塩は、占い師を後にしたのである。
とまあ、おみやげでひよこをもらって食べながら、そんな昔の話を思い出したという話。
ひよ子 – 立体商標の登録認められず
福岡の老舗「ひよ子」が販売しているこのひよ子。 その形を立体商標として登録できるかどうか? という訴訟の判決で、知財高裁は、登録を認めた特許庁の審決を取り消した。 裁判長は「鳥の形と極めて似た菓子が全国に多数あり、和菓子としてありふれたもの」だと述べたという。 以前にも、サントリーの角瓶や、ヤクルトの容器に登録の動きがあったが、特許庁は認めなかったのだとか。(朝日新聞2006/11/30より)