もらいものの宮崎マンゴー
車のドアを開けると「ムワッ」と強烈に甘い香りがした。
その正体はマンゴーで、嫁が知人から頂いてきたものだ。 そのマンゴーはむかずとも、果実そのままの状態であるにもかかわらず、強烈に甘い濃厚な香りを発しているのだ。 もう酔いそうなぐらい、香るのである。
同封のチラシには「宮崎産マンゴー」とあり食べ方までご丁寧に記されてあった。 マンゴーには平べったいタネが入っているが、そのタネと平行に両サイドから包丁を入れ、いわばマンゴーを三枚おろしの状態にしてから、包丁でさいの目に皮一枚残して切り、べろんとひっくり返す、とある。
書かれてあるとおりにやってみると上手くいった。 スプーンで丁寧に食べるのもよいが、そのまま、芳醇な香りのする果肉にかぶりついた。 口の中が、口の中が…まるでメロンの旨みを濃縮したようなゴージャスな甘みで満たされた。
たったひとかじりしただけで、まるでマンゴーを8個いっぺんに食べたかのような満足感に満たされ、しばし白目をむいて遠くに行ってしまったのだったのである。
ちりめんじゃこをごはんにのせて
デパチカの乾物コーナーでカツオブシを手にとり、おぶし、めぶし、どちらを買うか悩んでいたところとなりにちりめんじゃこが売られていることに気づく。
白く反り返ったちりめんじゃこが山のように盛られており、その前に、袋詰めされたものもいくつかある。
「一袋でいくらなんだろう?」手にとってみるが値段の表記は無し。 山の上に置かれた値札には「宮崎産ちりめんじゃこ 特上 100g 600円」とある。 その横には100g 550円の普通のもある。
そうか。 これ一袋で100gなんだな。 100gって結構量あるもんだね。 おそらく安いのだこれはという結論に達し、カツオブシと特上のほうのちりめんをレジに持っていく。
レジのお姉さんはちりめんの袋を手にとり「こちらは200g入りなので1200円になりますがよろしいでしょうか?」と聞く。 どうりでなんか量が多いと思ったんだ。 きれいなちりめんじゃこなので200gでも結構さ、しかしもしも100gしか要らなかったとしてもこの場面で「いえ、100gしかいりません600円しか払いません」とは言えない。
朝、炊き立てのご飯に大根おろしとちりめんじゃこをのせ、醤油をたらしてほうばる。 やわらかくてさほど塩辛くなくて結構。 ちりめんじゃこだけもうひとつかみのせてワシワシと食べた。 おかわりもした。