切れてない

昨日夕食を食べていて、突如電流が体を駆け巡った。
「あのー、髪切った?」
後に束ねられている娘の髪が、いくぶん短く感じたのだ。
見れば見るほど普段よりも短い。
「あ、切ったけど今気づいたの?」と娘。
三日前に切ったらしい。 何故あれほど綺麗に伸びていた黒髪を切ったのかと聞けば、単に「邪魔だったから」と本人は言う。
髪を一旦ほどいてもらえばなんだ、10センチは切っているハズ…もったいない。
「またすぐ伸びるでしょ」と妻は言うが、こちらとしてはそういう問題ではあまりなく、いささか凹んだ午後九時であった。
「今から帰るけど、見て驚かないでね」
と息子から連絡があった…なんやろか。
一目見るなり大爆笑した事は言うまでもない、お地蔵さんみたいな坊主頭になっていたからだ。
何か悪さでもして学校で刈られたのだろうか、でも今の時代、そういう強引な指導をする学校もなかろう。
ワケを聞けば、同級生とわりかし真剣に前髪を切り合っていた所、思わぬミスにより修正不能に陥ったため、二人そろって床屋に向かい「いっそ、思い切り短い坊主にしてください」とお願いしたらしい。
良きも悪きも男子かな。