ミドリーナ
しばらく地元を離れていたら、とんでもない現象が起こっていた。
文字にするのもハバカラれるけど仕方がない。 カメムシが大量発生しているのだ……。
夜、家事を済ませて窓を開け放ち、燗酒を飲むのがこの時期心地よい。 では早速!と開けた途端、ミドリな虫が、光につられて飛んできた。
天井の照明に「コツッ、ブーンコツッ」と当たっている。 猪口片手に見上げていたら、次々にヤツらは飛んできた。 すぐさま窓を閉めたが時すでに遅し、あちこちに潜むヘップリ達を、逐一駆除する事となり一時間がすっ飛んだ。
家内に聞けば、2週間ほど前突如、ヤツらは街を襲うようになったらしい。
夜風が恋しいが締め切ったリビングで酒を飲む。 窓にヤモリが張りついている。 彼らはこの季節、そうしてじっと待ち構え、光に飛んできた虫へじりじり近づいて、目にもとまらぬスピードでパクッとやるのを身上としている。
ただ、現在飛んでくるのはほとんどカメムシであり、カツコツ窓に当たる音すら腹立たしいが、なんとヤモリもヤツらの事がキライらしく、身をよじらせては体に触れられないよう苦労している様子だった。
この現象、長崎だけの話かと思いきや今朝、全国ニュースで流れていた。 なんでも鹿児島、和歌山でも同様の被害があるらしい。
ウェブでは天変地異の前兆か!? みたいな意見もあるが、個人的な見解としてはこの夏、クワガタたちをおびき寄せるために「ライトトラップ」という仕掛けをベランダに設置するのを恒例としている所、ほとんど飛んでこなかったあたりから「何か今年の虫界おかしいな」と感じてはいた。
カメムシから嫌われたい…まず自ら異臭を発してみようか。