杵の川「蔵開き」
長崎県諫早市にある杵の川酒造の「蔵開き」に行ってきた(画像が多い為重いでございます)。
雨の中盛況で、多くの人であふれていた。 目当てにしているのは限定販売の純米大吟醸丁子屋だったのだが、あいにく開場してすぐ売り切れたのだとか。
売り切れたもんはしょうがない。 せっかくだから何か買って帰らないとな、と思っていたところ、「絞りたての生原酒」が売られていたのでそれを購入。
1瓶750m?で1500円。 空き瓶を渡されるので、それをハッピのおじさんの元へ持ってゆくと、原酒を詰めてくれる。
できれば自分で詰めてみたかった(この日の晩、早速呑んでみたところ、酸があってスッキリとして今日はここまでと思いながらもまた猪口に注いでしまう魅力があった)。
酒を入れてもらうのをうっかり忘れて空き瓶をさげて帰るお客がいるのだろう。 張り紙がしてあった。
にぎわう原酒販売コーナー一帯は「酒作りの場」であり、巨大なタンクが所狭しと並んでおり、醸造の機器や道具であふれていた。
タンクの銘板には「神鋼ファウドラー」の文字。 昭和38年に製造されたタンクなのだ。 今も現役なのだろうか。
原酒売り場から上へ行くと、一杯呑めるスペースが設けられている。 入り口に「黎明(レイメイ)」という古めかしい看板が掲げられていて、その美しさにしばし足を止め見上げ続けた。
こういう古い看板が何故か好きであり、町を歩いていて古い看板に出会う度にためつすがめつ眺めては写真に収め、プリントして額装したりする。 将来「ぷちぐる」という格好いいミニ看板を作ってもらって壁に掛けたいと考えているぐらい看板が好きだ。
これは大正期の看板。 それにしても、黎明と杵の川さんは一体どういうつながりなのだろう、と思って検索してみたら、わかった。
東彼杵町の丁子屋醸造と諫早の黎明酒造の合併により生まれた太陽酒造株式会社が、平成14年に本社を諫早移転したのを機に杵の川酒造株式会社と社名を変更したらしい。
「杵の川」という名は、創業地である「彼杵」の一字を取り、物事の根本を大切にする蔵元でありたいという思いを表しているという(参考:長崎の蔵元を訪ねて:杵ノ川酒造株式会社)。
酒の甕にも黎明の文字。
あいにく運転手はオイなので、一杯呑むわけにはいかず、見学するだけだ。
階段をおりていると、パネルや機器が展示されてある。
日本の本醸造百選。
手動ビン詰機。
いつ頃まで使用されてしたものなのだろうか。
当主だろうか、「長崎検番ひばりと料亭花月にて」。
入り口には酒林が。 こんなにブリリアントでヤングガイな酒林を見たのははじめてだ。 欲しい。 吊るしたい。
水神様とならんで松尾様が。
チョロチョロと水が流れ出ている。
樽作りの実演が。 ずっと眺めていたかったが、同伴者がそれを許さない。 後ろ髪を引かれる思いであとにした。 たぶんここで、丸一日時間を潰すのはわけないのだが、先があるのでしぶしぶ杵の川を発った。