煮汁は巡る
ブリでも、サバでも鯛でも、ガッツでも、かれいでも何でも、とにかく魚の煮付けの煮汁を捨ててしまうのはもったいない。 煮付けの主役は当然魚そのものだ。 でも煮汁には、魚の旨みがにじみ出ている。
煮汁をこしてから、ご飯にかけて喰うだけでも旨いし、茹でた素麺をからめれば、簡式たいそうめんである。 今日はかれいの煮汁に素麺をからめた。 家族みんなで即完食である。
ジャガイモやサトイモを煮汁で煮込むのもおすすめ。 話だけ聞くと、魚臭くなりそうな印象があるが、魚の煮付けをきちんと作っていればそんなことは心配無用。 煮汁に水を足し、醤油とみりんを補って煮込む。
煮汁で鶏の肝を煮込むこともある。 豚肉を放り込んでしょうが焼き風の肴を作ることもある。 丸腸を煮込むこともある。 佃煮を作ることもある。 すなわち、甘辛い味付けが合いそうな食材は、何でも残った煮汁で煮込んでしまうというわけだ。
そして魚以外の甘辛料理の煮汁も又、同じように活用できる。 豚の角煮しかり、もみじしかり。 そもそも甘辛煮汁でなくとも、あらゆる料理の汁は、別の料理に活用できる。 トマトソースもホワイトソースもラーメンスープだってそう。
だから料理は面白くって、とてもじゃないがやめらんない。