ビンテージ・ジーンズ
501XX、ビッグE、赤耳、505、503、517・・・lot213、ファースト、セカンド、サード・・・ウエスターナ・・・・・・これ以上思い出せない。
10年以上も前になろうか、ヴィンテージジーンズにハマっていた時期があった。 美しいインディゴの色合い、縦落ちに魅せられた。 古着屋をめぐり、掘り出し物に出会えないかと血眼で捜した。 旅をしたこともあった。 でも掘り出し物なんてものはなく、それなりのものは、その価値に見合った値段がつけられていたもんだ。 せっせと金を貯めては、つぎ込んでいた。
鬼のような蒐集家に出くわした事もある。 ワーゲンのベンツマスク(だったかな)に乗り、家中ビンテージデニムだらけ、風呂上りにデッドストックのセカンドとXXを着込んで散歩するような人だった。 スウォッチで一部屋が潰れていて「カチカチカチ」という音がうるさく寝られないと嘆いておられた。
ビンテージ・ジーンズ・ハンター
2001年、アメリカで当時の日本円にして約500万円で買い取られたジーンズがある。 それは発見された場所にちなみ「ネバダ」と名づけられた。 1880年代に作られたもので、鉱山で働く労働者が身につけていたものだと思われるという。
買ったのは、リーバイ・ストラウス社。 ネバダを作った会社であり、資料としての保存を目的に、過去に製造したジーンズの収集を続けている。 すべてのジーンズには物語りが刻まれており、一本のデニムにより、過去の歴史を知ることができる、まさにタイムカプセルなのだという。
ジーンズの歴史は、リーバイスの歴史
ジーンズが生まれたのはおよそ140年前。 当時ゴールドラッシュに沸いた、アメリカ西海岸だった。 労働者たちが必要としたのは、丈夫な作業服。 だが流通している作業着は弱く、すぐに破れてしまうものだった。 労働者の嘆きを聞いた仕立て職人ヤコブ・デイビスは、生地の補強にリベットを用いることを思いついた。
そしてそのアイデアを、取引先だったリーバイス社に持ち込んだ。 1873年、リベットの特許を取得し、ジーンズの原型が完成した。 馬で引っ張っても破れない強靭さに、労働者たちは飛びついた。 ジーンズは、労働者のシンボルとなった。
※ネバダ、歴史については「ビンテージ・ジーンズ・ハンター」という番組より
リーバイスは創立150周年にあたる2003年、アメリカ国内の工場をすべて閉鎖したのだそうだ。 全然知らなかった。 なんとか再び黄金時代を築いてもらいたいものだ。
ビンテージ・ジーンズ。 今はもう売り払ってしまって一本も持っていないが、余裕ができたらまた、少しずつ集めてみたいなあとも思う。 昔長崎にはsal、ゴールドラッシュという古着屋があった。 思い返してみてると、かなり楽しい時代だった。
※近年ビンテージブームが再燃しているそうで、その立役者はラリー・マッコイン。 シアトルでヘラーズ・カフェというビンテージデニムの輸出を手がける会社を経営している人物。
※Levi Ballons:1920年代製。ウエストオーバーオールと呼ばれる。推定価格135万円。
125年前のリーバイス501、1090万円で落札される
アメリカメーン州で行われたオークションで、10万ドル近い価格で落札された。 落札者は東南アジア在住のビンテージジーンズ収集家。 ほとんど未使用に近いという。